俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

8月12日(日)

2012-08-12 06:11:58 | Weblog
★ひとつぶのつめたさうましぶどう食ぶ  正子
冷たい清水をいっぱいの桶の中に浸された葡萄。巨峰でしょうか。残暑の中に冷えた葡萄を食べる美味しさ。素晴らしいですね。平仮名主体の柔らかな感じが出ていて素敵ですね。有難う御座います。 (小口泰與)

○今日の俳句
畦草を刈りて定かや稲の花/小口泰與
稲の花が咲くころは、畦草も伸びてくる。それを刈ると畦がさっぱりとして、稲の花の存在が定かになる。取り合わせの句ではないので、稲の花が生き生きとしている。(高橋正子)

○撫子

[撫子/横浜日吉本町]           [河原撫子/横浜日吉本町]

★秋霧や河原なでしこりんとして/小林一茶
★撫子や海の夜明の草の原/河東碧梧桐
★航海日誌に我もかきそへた瓶の撫子/河東碧梧桐
★撫子や堤ともなく草の原/高浜虚子
★撫子や濡れて小さき墓の膝/中村草田男
★岬角や撫子は風強ひられて/秋元不死男
★四五本の撫子植ゑてながめかな/原石鼎
★我が摘みて撫子既に無き堤/永田耕衣
★撫子や腹をいためて胤をつぎ/平畑静塔

 土手を歩いていて、河原撫子を見つけることがる。折り取って帰りたいが、草の中に、ようやく咲いた撫子を摘む気にはならない。我が家に一株の河原撫子がある。日吉商店街の花屋に何気なく立ち寄って、この花を見つけて、すぐに買った。値段も80円でかわいそうなくらい安い値段だったが、花びらが鷺草のように繊細に切れ込んで、淡いピンクの色と姿が素晴らしい。その後その店をときどき覗くが、あくまでも私の感覚においてのことだが、これより素晴らしい撫子を見てはいない。ますます大事に育てている。第一花が終わって今二度目の花がついている。肥料がいるかどうか、思案中である。
 撫子といえば、「なでしこジャパン」である。女子サッカー、ワールドカップで優勝し、ロンドンオリンピックで銀メダル。けなげなほどだ。日本だけでなく世界中がたたえる。「なでしこ」の花をもって称えるのにふさわしい彼女たちではないか。

★台風裡河原撫子折れもせず/高橋正子

  ナデシコ(なでしこ、撫子、瞿麦)はナデシコ科ナデシコ属の植物、カワラナデシコ(学名:Dianthus superbus L. var. longicalycinus)の異名。またナデシコ属の植物の総称。蘧麦(きょばく)。 秋の七草の一つである。歌などで、「撫でし子」を掛詞にすることが多い。ナデシコ属 (Dianthus) は、北半球の温帯域を中心に約300種が分布する。このうち、ヒメハマナデシコとシナノナデシコは日本固有種(日本にのみ自生)であり、他に日本にはカワラナデシコとハマナデシコが分布する。
 カワラナデシコ (D. superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) Williams)には、ナデシコ、ヤマトナデシコの異名もある。これはセキチク (D. chinensis L.) を古くは唐撫子(カラナデシコ)といったことに対する。ナデシコは古くは常夏(とこなつ)ともいった。これは花期が夏から秋に渡ることにちなむ。花の色は紅から淡いピンク色が多いが、園芸品種などでは白色や紅白に咲き分けるものなどもある。ナデシコ属の園芸品種をダイアンサス (Dianthus) ということがあるが、本来はナデシコ属の学名である。また、カーネーション (D. caryophyllus L.) もナデシコ属である。
 「撫でし子」と語意が通じることから、しばしば子どもや女性にたとえられ、和歌などに多く参照される。古く『万葉集』から詠まれる。季の景物としては秋に取り扱う。『枕草子』では、「草の花はなでしこ、唐のはさらなり やまともめでたし」とあり、当時の貴族に愛玩されたことがうかがえる。また異名である常夏は『源氏物語』の巻名のひとつとなっており、前栽に色とりどりのトコナツを彩りよく植えていた様子が描かれている。ナデシコ属は古くから園芸品種として栽培され、また種間交雑による園芸種が多く作られている。中国では早くからセキチクが園芸化され、平安時代の日本に渡来し、四季咲きの性格を持つことから「常夏」と呼ばれた。ナデシコの花言葉は純愛・無邪気・純粋な愛・いつも愛して・思慕・貞節・お見舞・女性の美・など女性的なイメージが強いが、才能・大胆・快活なども。ヤマトナデシコ(カワラナデシコ)の花言葉は、可憐・貞節である。


◇生活する花たち「白芙蓉・むくげ・風船葛」(横浜日吉本町)

コメント (1)
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