俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

8月30日(木)

2012-08-30 05:33:09 | Weblog
★雲が来て風のそよげる花芙蓉 正子
秋の爽やかな雲が風に乗って来て、やや大型で淡紅色の綺麗な芙蓉の花を揺らしている。一日花で八重咲きの白色が午後になると次第に紅色になりますね。初秋の素晴らしい景色ですね。(小口泰與)

○今日の俳句
鶏頭へ堅き日矢射し空深し/小口泰與
「鶏頭」に対して「堅き日矢」の表現は、秀逸。鶏頭の咲くころの日のあり具合が実感できる。(高橋正子)

○鎌倉・宝戒寺
きのう思い立った。鎌倉の宝戒寺へ行こうと。足に靴ずれができてあまり歩けないので、一か所宝戒寺限定で信之先生と鎌倉を訪ねた。宝戒寺は萩寺として有名だが、萩の花はあと2週間ほど先の9月中旬が見頃だ。鎌倉駅からタクシーで宝戒寺まで行く。宝戒寺までタクシーで行く人はめったにないらしく、運転手さんも戸惑い気味。「確か宝戒寺と言われましたよね。」などという。鎌倉駅からは初乗り料金で足りる。寺の前でタクシーを降りると、門の前まで、八角形の大きな御影石の踏み石を左右から覆うように白萩の枝が垂れて、ほどよく茂っている。肩に、身に触れてさわさわとしている。拝観料を払って中へ入る。萩は期待していなかったが、紅萩がほんの数花咲いていた。白萩は一花か。紅芙蓉と酔芙蓉がある。酔芙蓉は白にほんのりピンク色がつき始めている。午前11時ごろ。境内は至るところに萩が生うが、その葉影に布袋葵が薄紫の花を付けている。本堂にお参りしようとすると、左手の水鉢に紅色の睡蓮が空や寺の梁を映す水に涼しそうに咲いている。右手も睡蓮かと思いきや、思いかげずも藻の花が咲いている。金魚藻の花であるが、寺内で仏具を磨いている方に聞くと、これは年数を経ないと咲かないということであった。その鉢にはメダカが泳いでいる。「水はどのように管理されていますか」と尋ねると、雨の水と、水が少なくなると注ぎ足すだけだそうだ。藻の花は咲きだすとどんどん咲くそうである。境内にはほかに百日紅の古木があり、紅色の花がまだまだ盛んに咲いていた。9月中旬の萩の見ごろを楽しみに、寺を後にして、またタクシーで鎌倉駅まで帰った。駅前の「西欧亭」という喫茶店でケーキセットを注文。昔はおしゃれな店だったろうと思うが、それをそのままにして現在に至っている内装だ。お客は、私たちが一番若いと思えるようだった。朝9時に家を出て、帰宅は1時ごろ。今日は4時間の鎌倉吟行だった。由比ヶ浜に本店のある井上蒲鉾店で鎌倉名物の梅花はんぺんを買って帰った。
この梅花はんぺんは夜はおすましにしたが、蒲鉾に近い。敬遠していたはんぺんも、これなら大丈夫。
 
 宝戒寺
★藻の花の白さ浮き立つ仏の前/高橋正子
★紅睡蓮水も涼しく仏の前/〃
★萩の花撮らんとすれば風に逃げ/〃
★萩はまだ固き蕾よ肩に触れ/〃
★燭の火の朝は一つよ秋はじめ/〃
★鎌倉の朝が移れる酔芙蓉/〃

○薮蘭(やぶらん)

[薮蘭/鎌倉・宝戒寺]             [薮蘭/ネットより]

★藪蘭は大樹の下にのびのびと/高橋信之
★藪蘭や涼しくなると思うころ/高橋正子

薮蘭(やぶらん、学名:Liriope muscari)は、スズラン亜科(Nolinoideae)ヤブラン属(Liriope)のる多年草。Liriope(リリオーペ)は、ギリシャ神話の女神の名前に由来。 東アジアに分布する。開花期は夏から秋。花は紫色の小さいもので、穂状に咲く。葉は細長く、先は垂れる。日陰に生える。日本庭園の木々の根元などにアクセントとして植えられることが多い。葉が斑入り(ふいり)のものもある。実(タネ)は黒い丸形。別名は「山菅」(やますげ)。ちなみに、万葉集で「山菅」として歌われたのは竜の髭(りゅうのひげ)のこと。万葉集では薮蘭は登場しないようだ。10月26日の誕生花。花言葉は「謙遜」。

◇生活する花たち「芙蓉・蓮の花・藪蘭」(鎌倉・宝戒寺)
コメント (1)
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