俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

8月16日(木)

2012-08-16 11:18:35 | Weblog
★いつよりか燕無き空青澄める  正子
家の近くにある葦のある池に毎年立秋を過ぎるころツバメの大群が集まってきて夜を過ごします。その数、空が真っ黒に覆われるほど、数千とも万とも。その燕も、空に秋の色が広がるころいつの間にか南へ姿を消します。燕のいなくなったちょっとさびしい感じとさわやかな秋の到来を待つ気持ちがうまく表現されていると思います。(古田敬二)

○今日の俳句
信濃路へ入るコスモスを揺らしつつ/古田敬二
信濃は今の長野県のことであるから、けいじさんの住んでいる名古屋から信濃へ車で向かっているとき、コスモスも咲いて、ここからは「信濃路」だと思うと、目的地への期待が膨らむ。レベルの高い句。(高橋正子)

○鬼灯(ほおずき)

[鬼灯/横浜・四季の森公園]


 生家には、築山といって庭石や灯籠や小さい池に、松、椿、紅葉といった木を配しているところがあって、そこに先祖を祀る小さい碑のようなものがあるのだが、そのわきにほおずきが植えてあった。お盆のころちょうど熟れるので、植えられたのであろうが、このほおずきは、きれいに熟れかけたと思うと、袋が虫にくわれて網目状になってしまうのが、ほどんど。中の実の皮と破らないように種を出して口に含めば、鳴るというもの。しかし、これがうまくいったことはなかった。かなりの技がいるのであろう。浅草のほおずき市に売られるような完璧なほおずきを見てみたいものと思っていた。
 東京・下町の夏の風物詩「ほおずき市」が7月9日、東京都台東区の浅草寺で始まった。本堂周辺に並んだ露店は約220軒。朱色が鮮やかな丹波ホオズキが売れ筋で、1鉢2500円。かつて薬効があるとして用いられた、緑色の千成ホオズキも人気という。9、10日は参拝すると4万6千日分の御利益があるとされる浅草寺の功徳日。ほおずき市は10日夜まで開かれ、浅草観光連盟は約60万人の人出を見込んだ。

 ★ほおずきの玲瓏と熟れ原爆忌/高橋正子


◇生活する花たち「落花生の花・ササゲの花・稲の花」(横浜市緑区北八朔町)
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