珈琲一杯分の話

2018年2月26日スタートのただのボヤキカフェです。
毒とユーモアを楽しんで頂ければ幸いでございます。

学校事情16

2020-06-17 | 日記
「納金」と「教育課程説明会」と「学級懇談会」のために学校に行った。

公立中学が全部はそうなのか知らないけど、うちの中学では毎年春頃「校納金」と「副教材費」という2種類の納金があって(双方合わせて2万ちょっとぐらい)、現金を、お釣りなくそれぞれの封筒に入れて学校で手渡しする必要がある。
会合は任意だけど「納金」は義務なので、わざわざ平日に学校に足を運べないお母さんはママ友に頼むなどしてそれはやらねばならない。
威張れたことではないけど、私はそのために学校には行っても、参観や懇談会はサボるのが常だった。

が、今年は昨今の騒動に巻き込まれた受験生ということで学校側の事情が知りたくて、全部の会合に参加した。

この季節、冷房のない体育館で、参加者は汗ばみながらもマスク着用が必須で、椅子はディスタンスよろしくメートル幅を開けて並べられていた。
扉は全部開けて風は充分に通っていたけれど、「普段、生徒もこうやっていますから」という説明だった。(それでも不安で、対策が甘いと怒る父兄もいるそうである)

毎度コントにしか見えないけど、この椅子だって娘いわく「私たちが一生懸命並べたの」と言った。
わかるよ。一生懸命、距離を測って頑張って並べてくれたんだよね。
そんな健気な子供たちを誰が責められよう?

校長からは「修学旅行をなぜ苦渋の中止決定にしたか」を切々と論じられた。
先生たちがどんなに涙ぐましい努力で情報を集めて、どんなに尽力したか。
全国の中学が一斉に日程変更したことで、業者や交通機関や宿の大混乱が生じて、それをを何とか乗り越えても、「三密」を避けられない物理的な集団行動のあれこれに悩んで、実現できなかったことがどんなにくやしかったか。
うっかり聞いていると泣きそうになるくらいの熱のこもった誠意の言葉ではあった。

が、それが途方もない無力感になることを改めて感じた。

中学生の重症者や死者なんて日本では一人もいないという事実があったとしても、
実際の抗体検査の結果が出たとしても
感染率や致死率が計算されたとしても
そんな数字をどんなに積み上げたとしても
「子供たちの命に係わることはできません」
と泣かれたら、これ以上何を言えよう?

「空気を読むのが上手いだけ」と言われる人がいても、その方が圧倒的に強い。
理屈ではなくて、本当にこれこそが強いのである。

中学までは少し遠いけど、自転車をこいで行った。
初夏の平日、人影もまばらな郊外のサイクリングは楽し。
そんな中でもマスクを外さない人はいるんだよね。

悪徳業者に勝は勝てても、勝てないものってあるなあ……( ̄、 ̄;)ゞ
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