坪田信貴氏の「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」を読みました。
話題の本なので、図書館に予約してから3ヶ月以上も待つことになりましたが、読めて良かったです。
偏差値30しかない高校2年生のさやかちゃんが、塾の先生を信頼し、自分の可能性を信じて、受験勉強をやりきる様子が書かれていますが、さやかちゃんの一番の頑張りの源となっているのは、ああちゃん(お母さん)が育てた「自分を信頼できる力(自己肯定感)」だと思います。
ああちゃん曰く
「世界中が敵になっても、我が家だけは絶対的に味方だ、と思える家庭を作る」
「いつでも、どんな時でも愛情をかけ続けることで、なんにでも感謝できる子に育てる。感謝できたら幸福感も得られ、運も向いてくる。それが人にとって、一番の幸せではないか」
「どんなに地位や名誉や、学歴があっても、自分を否定的に見る癖のついた人間が、幸せに暮らせるわけがありません」
その言葉通り、どんなに勉強が出来なくても、どんなに不良のレッテルを貼られても、ああちゃんは娘を信頼し、愛情を持って娘を褒め続けます。
周りからは、娘を溺愛し、学校に無理難題を言う「モンスターペアレント」とも呼ばれていたそうです。
でも、さやかちゃんは、この自己肯定感を持つゆえ、何度もくじけそうになりながらも努力を続け、目標を達成することが出来たし、頑張り続ける彼女の姿が、危うかった家族の絆を、より強いものへと蘇らせるのでした。
巻末の付録で、坪田氏が、述べられています。
人の評価の基準は、大きく分けて、①Doing(行為) ②Having(属性/持ち物) ③Being(存在)の3つがあり、ほとんどの親御さんが「Being(存在)」で子どもを愛しているにもかかわらず、表現しているのは、「Doing(行為)かHaving(属性/持ち物)」なので、非常にもったいないと。
「・・・世の中って、イヤでも、Doing/Havingで評価してくるんです。社会に出たら、Beingで評価してくれる人なんていないです。で、一人ぐらい、Beingで評価してくれる人がいてもいいなと思いませんか? そしてそれが母親だったら最高じゃないですかね?」
ありのままの自分で安心して生きることが出来てこそ、自分が本来持っている力を最大限に発揮することが出来るのだと思います。
たとえ、目に見える形で何かを成すことが出来なかったとしても、自分らしく誠実に生きることが出来れば、この世の中、それはそれですごいことだと思うのです。
それに、息子の「Being」は、間違いなく、私と家族の成長に繋がっていると思います。