やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

作業療法士さんに相談する

2022年12月13日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

広報で市の障害福祉センターで作業療法士さんに相談出来ることを知り、応募してみました。

 

息子自身が体の動かし方を改善したいという思いがあったようで、私の提案に、

「行きたい!」

と、承諾してくれました。

 

たった30分という短い時間なので、息子の納得のいく話が聞けるだろうかと心配でしたが、

「作業療法士ってすごいな!」

と、相談の後、息子が言っていました。

 

作業療法士さんに息子が話をするのを聞いていると、息子の生き辛さが伝わってきました。

 

「こうやって、こうやるんやって動きを説明されても、どうやって動いたらいいか分からなくて、何でみんながそう聞いただけで出来るのか不思議やった。

周りに聞いても誰も言語化出来んくて、みんな感覚でやってる感じやった。」

 

「一つの動作が終わると、どっと疲れてしまって、みんなはすぐに次の動きが出来るけど、自分は出来ない。」

 

「上半身と下半身が連動してない感じで、うまく走れない。」

 

「サッカーが上手くなるには、どういうトレーニングをしたらいいですか?」

 

作業療法士さんに「まずは、動きを見せてね」と言われ、息子は、線の上を歩いたり、スキップしたり、後ろ向きに走ったりしていました。

 

息子は小学生の頃、スキップも後ろ向きに走ることも苦手だったので、

「出来てるやん!」

と、思わず私は言ってしまいました。

 

きっと、サッカーを続けてきたからだと思います。

鉄棒も、体操も、ボール運動も、恐らくスポーツ全般が苦手な息子が、リフティングなら何十回、何百回と続けることが出来るのです。

 

その後、椅子に座って、

「右目を指さして~。」

「あご。」

「左耳。」

などと、作業療法士さんの声かけに従って、顔のパーツを指さしていました。

 

それから、息子が目を瞑ったまま、作業療法士さんが息子の腕を動かして、ある状態で止め、一旦リセットしてから息子が自分で腕をその状態に持っていく、ということを繰り返していました。

 

その後、作業療法士さんは、こんな風に説明をしてくれました。

 

「脳と体の動きは連携しているものなのですが、それがちょっと時間がかかり、ちょっとだけずれている感じです。

中高生ぐらいになるとすっと出来る動きなのですが、お母さんも見ていて分かったと思いますが、迷いながら動いていて、ちょっとだけずれていました。

スキップとかバックステップも、僕とかスポーツをしていない人間から見ると『出来てるやん!』って思えるんですけど、サッカーをする上では違和感を感じるんだと思います。」

 

「それと、『利き手の優位性』というのがあって、一般的に指さすときは利き手を使うのですが、〇〇君は、右側を指すときは右手、左側を指すときは左手を使っていました。

利き手には利き手の役割があり、利き手じゃない手にはバランスをとるとか利き手の補佐をするという重要な役割があります。

左利きっていうのもあるのかもしれませんが、脳が利き手と利き手じゃない方の手を迷って、役割の指令がうまく出来ていないのかもしれません。」

 

「お家で出来るトレーニングとしては、まずこの動きをしようと決めたら、お手本となる動きをスマホで撮っておいて、その後、ちょっと他の動きをした後でもう一度その動きをして、スマホで撮影し、お手本どおり出来ているかチェックする。

動きが違っていたら微調整していく、ということを何度も繰り返していくと、脳と動作の連携がスムーズになっていくと思います。」

 

「それと、利き手を使う動きをしてください。」

 

「けん玉とかしたらいいですか?」

と、息子が聞くと、

「けん玉は中心に向かう動きなのでちょっと違うかな。

大きく動かす方がいいんです。

よく繰ったトランプを『7並べ』みたいに並べていくとか、『神経衰弱』でもいいです。

左手だけを使うように意識してやってみてください。」

 

「こうしたトレーニングによって、サッカーが上手くなるかどうかは保証できませんが、脳が疲れにくくなって、その分、スポーツに集中出来るようになると思います。」

 

短い時間でしたが、作業療法士さんが息子に寄り添って、とても分かりやすく教えてくださったので、応募して良かったと思いました。

 

家に帰ってからトランプを探しましたが、新幹線型(繰りにくい!)とか大型トランプ(場所とり過ぎ!)しかなくて、普通のトランプを購入しました。

 

トレーニング、頑張ってね!

 

 

 

 

 


学習支援に特化した放課後等デイサービスへ

2020年11月04日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

息子が学習支援をしてくださる放課後等デイサービスに通い始めて一ヶ月余り。

 

修学旅行後、なかなか学校へは通えない日が続いていますが、週に二回の放課後等デイサービスと、週一回の「脳神経リハビリテーションセンター」には通っています。

 

「脳神経リハビリテーションセンター」に通うようになってからは、もうすぐ一年。

週一回だけなのですが、当初はその一回に通うことも困難でした。

 

息子の意思で通い始めた所ですが、家を出る直前に息子の調子が悪くなって欠席することがよくありました。

欠席の連絡を本人が電話ですることになり、その電話で振替で通う日を決めるようになり、だんだんと通える日が増えてきました。

 

40分という短い時間ですが毎週、同じ先生と話をしたりトレーニングをすることで息子が安心して過ごせる場所になっていって、「脳神経リハビリテーションセンター」に通えているということ自体が息子の自信の一つになっていると感じます。

 

一年前、「脳神経リハビリテーションセンター」に通うために通所受給者証を取得したとき、月に23日までの通所給付費が決定しました。

 

学校へ通えない息子の居場所を探して、フリースクール等を見学に行ったこともありましたが、その頃はまだ、息子がどこかに通えるような状態ではなかったようです。

 

あれから一年・・・。

息子が「勉強したい!」という意欲を見せたことで、再びフリースクールやいくつかの児童発達支援放課後等デイサービスを検討することになりました。

 

「がやがやした感じは嫌。」

「何するか分かれへんのはしんどいから、勉強だけのところがいい。」

という息子の意見から、学習支援に特化した放課後等デイサービスへ通うことになりました。

 

体験のときの面談で、

「英語を勉強したい。」

「小学生のときは、算数が好きやった。」

と息子が話したので、英語と数学を基礎から勉強していこうということになりました。

 

面談の中で、

「中二のときは、テレビを観るのもマンガを読むことも出来なかった。」

という話になり、先生に

「それはどうして?」

と聞かれ、息子は、

「自分が最低、最悪な状況の中で、お笑いとか見ても笑えないっていうか、『なんか違う』『自分はこんな状況やのに』って感じで、全然頭に入ってこなかった。」

と、話していました。

「でも、今は違う。

面白いときには笑えるようになった。」

と。

 

だから、前に進めるようになったのかな。

 

ここでは、

「基礎、基本的な学習を積み上げて、自信をつけていこう。」

ということが目標になっていて、生活支援として、

「色々な先生の話を聞こう。」

という風に個別支援計画には書かれています。

 

火曜日の英語は、その日によって先生が代わるようですが、金曜日の数学は同じ先生が教えてくださっています。

 

勉強以外の話の方が息子には興味があるようで、先生がオーストラリアに短期留学したときの話など、迎えに行った車の中で事細かに私に話してくれました。

日本の常識が世界の非常識だったり、息子にとって世界が少し広がる機会になったようです。

 

現状は週2回ですが、本人が希望すれば月に18回まで通えるので、テスト前に教えてほしい問題があるときなど、自分で連絡して通っています。(親の送迎は必要ですが…)

 

慣れてくれば、週4回通えるといいなと思っていますが、通うべきものを欠席するよりは、プラスして通える今の状態の方が、息子にとってはいいのかもしれません。

 

多くの人に支えられて、息子が歩いていく一歩一歩。

当たり前のことが当たり前にできる幸せ。

 

「面白いときには笑えるようになった。」

ことが、本当に良かった。


脳神経リハビリテーションセンター

2019年10月24日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

息子は、今日から「脳神経リハビリテーションセンター」に週に一回通うことになりました。

 

ぐるぐる歩き回ったり、大声を上げたりするような問題行動を、脳のトレーニングによって改善していこうという知的・発達障害専門の療育施設で、夏休みにインターネットのホームページで知りました。

息子も、歩き回ったり、大声を上げたりする問題行動をやめたいと思っているようで、すでに9月に体験に行ってきました。

 

その後、子育て総合センターから相談支援センターを紹介していただき、支援利用計画書の作成や通所受給者証の請求をして、ようやく今日から支援サービスが受けられるようになりました。

 

息子は、20日日曜日に、部活に途中から1時間20分程参加することが出来ましたが、その後また調子が悪くなってしまいました。

なので、施設に通えるかどうか不安でしたが、なんとか無事に療育を開始することが出来ました。

 

通常1時間の療育ですが、息子のストレスが大きく、疲れもあるため、初回は35分ぐらいで終了しました。

少しずつ脳に負荷をかけ、出来ることを増やしていくと、だんだん疲れにくい脳になっていくそうです。

 

息子の支援計画書を見ると、総合的な支援方針として、

「前頭葉の機能回復訓練を通して新しい脳神経回路を生成することで、脳の覚醒水準を高く維持し、問題行動の減少だけでなく、注意、集中、情報処理、記憶に繋がる認知機能を促すトレーニングを行う。

また社会でトレーニング成果を生かす般化を目的として、与える刺激が少なくても覚醒水準が低下しづらい状態をつくりながら、聴覚情報のみでも正確に情報を聞き取り、場面に応じた判断・行動ができるように、与える刺激の質量を視覚から聴覚へと段階的に変化させて、見通しがない状況でも覚醒状態の安定をつくる」

と、難しいことが書いてありました。

 

長期目標や短期目標なども詳しく書かれていますが、要は、3ヶ月ぐらいは環境適応期間で、トレーニングを通して、息子の行動を確認し、脳の発達段階や神経疲労度を把握していくということのようです。

 

息子は、見通しを立てることが苦手です。

 

見通しを立てるためには、「過去の記憶を呼び戻す」×「眼前の状況を情報処理」×「記憶と眼前の状況が似ているか判断」するという高度な認知機能が必要です。

そのため、初めての場所、指示のない待ち時間など見通しの立たない状況では、脳に高い神経負荷がかかり、神経疲労を起こしてしまいます。

神経疲労を起こすと脳本来の力が発揮出来なくなり、問題行動が引き起こされるようです。

 

どうすればいいか分からない時に、不安が強くなったり、頭が真っ白になったりして、少なからず問題行動を起こしていることが私にもありますが、息子はそれの拡大バージョンなのでしょう。

 

うまく使えていない脳機能をトレーニングして、発達を促すことによって、不安や問題行動を少なくしていこうということです。

 

それと同時に進めていくのが母子分離で、今日は同じ部屋の衝立の向こうで私は待機していましたが、徐々に距離を広げ、ゆくゆくは完全分離で息子は一人でトレーニングを受けることになります。

 

一朝一夕には効果が出るものではありませんし、息子は未だにうつ状態から抜け出せずに不安定な状況ではありますが、まずは、大事な一歩を踏み出しました。

 

病院や学校とも連携して支援してくださるとのことなので、期待しています!

 


特別児童扶養手当

2019年10月09日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

先日、「特別児童扶養手当」の詳細を聞きに、市役所のこども福祉課を尋ねました。

 

「特別児童扶養手当」は、政令で規定する精神又は身体に障害がある20歳未満の児童を監護している父母、あるいは父母に代わってその児童を養育している方に支給され、児童の福祉の増進を図ることを目的とするものです。

 

障がいの判定は原則として医師の診断書によってなされるとのことで、「特別児童扶養手当請求用診断書」を窓口で手渡されました。

「療育手帳」や「身体障がい者手帳」を持っている場合は、その内容によって診断書を省略出来る場合があるそうです。

もちろん、手帳を持っていなくても、政令で規定する障害であると認定されれば手当は支給されます。

 

ただし、所得額による支給制限があるため、扶養家族の人数と所得額によっては手当が支給されない場合があるとのことでした。

 

認定されると、請求日の翌月から支給されることになり、手当には1級と2級があって、1級だと月額52.200円、2級だと月額34.770円が、年に3回、4か月分の手当がまとめて通帳に振り込まれることになります。

 

手当は有期で、1年から2年程度の有効期限が設けられていて、有効期限内に再認定手続きをしなければならないということでした。

 

息子の場合、手当てを受けられるとすると、恐らく2級の月額34.770円になるのでしょうか。

そうなると、とても経済的に助かるわけですが、同時に、手当を受給出来るぐらいに息子の障害は重いのか?と、不安で複雑な気持ちになりました。

 

それは、クリニックで診断書をお願いするときに、

「精神障害者保健福祉手帳も申請されたらどうでしょう。」

という医師の一言によって、より深くなり、

「息子の障害は私が思っているよりずっと重いのだろうか?」

と、思い悩みました。

 

手当を受けたいの? 受けたくないの?

という感じで、障害があるから手当を申請するのに、そんなことに思い悩むのはおかしいとは分かっているのですが、未だに私の心は揺らいでしまいます。

 

「精神障害者保健福祉手帳」の申請は、この先その手帳が本当に必要になるまでは保留することにしました。

 

今回気になったのですが、「特別児童扶養手当」のことは、クリニックからは声をかけてもらえないものなのですね。

病院は病気を治す所であって、福祉の相談をする場所ではないので問題ないのかもしれませんが、「自立支援」等は掲示板にお知らせが貼ってあるのに・・・。

 

それは、もしかすると、障害の状態にもよるとは思いますが、私の複雑な胸の内のように、「特別児童扶養手当」を受けることによる精神的なデメリットもあるがゆえ、患者や家族の状態を見極めるまで医師からは言い出せないものなのかもしれません。


久々に子育て総合センターへ

2019年10月07日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

中学1年生の2学期に適応障害となり、学校へ行けなくなってしまった息子は、それまで通っていた個別指導塾、サッカー療育、プレイセラピー等はもちろん、買い物や外食にまで行けなくなってしまいました。

 

唯一息子が続けることが出来たのが、メンタルクリニックのカウンセリングです。

予約が取れる限り、月に3~4回通い続け、息子の調子が良いときには、クリニックの帰りに家から遠く離れた場所で外食をすることが出来るようになりました。

 

少しずつ部活(サッカー部)に参加出来るようになった息子は、夏休み中は、不安と葛藤しながらも、クリニックに通う日以外のほとんどの部活に参加していました。

 

夏休みの半ば、

「またプレイセラピーに行こうかな。」

と、息子が言い出したので、これはすごい変化だ!とばかりに喜んで、早速、子育て総合センターに連絡を取り、9月の初旬にプレイセラピーの予約を取りました。

 

ところが、夏休みが終わる直前、サッカー部の顧問の先生から「3年生が引退し、最高学年になったので、サッカー部のみんなを引っ張っていくためにも、勉強などサッカー以外のことも頑張ろう」と激励された息子は、それからまた部活に出られなくなってしまいました。

 

恐らくぎりぎりのところで頑張っていたのでしょう、息子はそれ以上頑張り続けることが出来なくなってしまいました。

 

息子がプレイセラピーを再開することは出来ませんでしたが、子育て総合センターには私一人だけで行ってきました。

 

子育て総合センターに通うことが出来なくなってからも、時々担当の先生からお電話をいただいていたので、息子の状況はお話してきましたが、不安というか愚痴というかは、やはりじっくりお会いしてこそ話せるものです。

 

「あまりにも息子にべったり付きまとわれる。」

とか、

「私が1時間外出するのもやっとのことで、その1時間は〇〇が頑張って我慢してくれてるのだと思うけれど、少しでも遅くなると電話がかかってくるし、実際、家に帰って、不安でぐるぐる歩き回っている〇〇を見ると、一人で留守番させるのにも罪悪感を感じてしまう。」

とか、

「家にいると、学校へ行けないことに罪の意識を感じて余計に落ち着かないのかもしれない。

クリニックの先生にフリースクールを紹介してもらったけど、月に4万円もかかるので、本人が『行きたい』と言ったとしても、通わせてあげられない。」

「もう10ヶ月も中学校に通えていないので、恐らく高校は私立の通信制しか無理かもしれないが、授業料は無償であってもその他諸々にお金がかかってしまうので、経済的に心配だ。」

等々。

 

子育て総合センターの先生には昔からお世話になっていて、主人のこと(リストラされて何度も職を変わっていることや、主人自身もアスペルガー的傾向があること)や、私のこと(病気や弟達のこと)も知ってくださっているので、話しやすいというか、愚痴レベルの話をたくさん聞いていただきました。

 

その上で教えていただいたのが、

・もしかすると、「特別児童扶養手当」を受給できるかもしれない。

・色々な「放課後デイサービス」があるので、居場所的な所や勉強を教えてくれる所など、〇〇に合った所、〇〇が行ってみたいと思える所が見つかるかもしれない。

ということでした。

 

この日、子育て総合センターに出向いたことによって、「何かが変わるきっかけになるかもしれない」と、そんな祈りにも似た気持ちになりました。

まずは、息子の調子が良いときに、私一人で市役所に出向き、詳しい情報を教えていただくことから始めることになりました。

 


運動療育フェスティバル!

2018年02月12日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

今日は、息子が通っている運動療育クラブのフェスティバルがありました。

堺市のとある福祉センター内のホールを使って、ストラックアウトやシュートゲーム、ボール引っ付けゲームや巨大スマートボール、カーリングやボーリングにビーチフラッグなど、13種類のゲームに挑戦し、参加証にスタンプを押してもらって、全種目をクリアすると景品がもらえるというものでした。

 

まず、驚いたのは人の多さ。

サッカー療育は10人定員のデイサービスなので、日頃10人までしか会うことがなく、系列の4つの運動療育クラブが集っているとはいえ、こんなにも多くの子ども達が療育を受けていたのか、と驚きました。

 

中学生までの子どもが対象のお祭りですが、就学前や低学年の子どもが多く、その中で、息子は全てのゲームに全力でチャレンジしていました。

「オセロひっくり返しゲーム」なるものは、対戦相手が5歳ぐらいの男の子だったのですが、恐ろしい勢いで赤い駒を青にひっくり返して24対6のスコアでボロ勝ち。

また、段ボールで作った操縦席を四つん這いになって手で押し進んでゴールする「マリオカート」では、頑張り過ぎて膝に擦過傷を作っていました。

 

一つ一つのコーナーで、必ずスタッフの方が褒めてくださるのですよね。 

顔見知りのスタッフやコーチなら、まず、息子が来ただけで喜んでくれます。

 

たとえ、うまく的を射抜けなくても、「すごいパワーだね!」とか・・・。

「巨大スマートボール」はゴムを引っ張ってビニールボールを飛ばすのですが、タイミングがつかめないのか、息子はなかなかうまく出来ません。

それでも、ゲームを終了してスタッフとハイタッチするときに、身長が高いことを自然な感じで褒めてもらっていました。

 

13種類のゲームに挑戦しながら、あったか言葉をいっぱい心にチャージして、最後に景品のお菓子をもらって帰りました。

 

クラブでお知らせをいただいたときは、自宅から遠いし、小さな子供向けでは?と思ったのですが、参加してみて良かったです。

 

 


サッカー療育を始める

2018年01月21日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

発達障害を持つ子どもにサッカーに特化した運動療育を行っているデイサービスがあることを知りました。

我が家からは、車で約1時間の距離。

同乗のお友達を含め1時間以内に送迎できる場所なら送り迎えをしてくれるそうですが、遠距離のため親が送迎可能であれば受け入れていただけるそうです。

 

昨年末に息子と見学に行ってきましたが、施設内に一面人工芝が敷かれ、練習は少年サッカーレベルを目指しているそうで、ミニゲームはかなり白熱していました。

見学に行ったクラスの対象者は、高学年以上が10名。

その中には、中学生もいました。

スタッフは5名。担当のコーチは、元高校の先生でサッカーの経験者だそうです。

 

練習を見学していると、目を瞠るほどサッカーの上手い男の子がいました。

息子と同学年らしく、地元のサッカークラブで色々あって、クラブをやめてここに通っているそうです。

セレッソ大阪のユニフォームを着た女の子は、サッカーというより運動自体が難しそう。

ミニゲームの時は、試合の中心から離れて見ていて、傍に転がって来たボールを味方にパスしていました。

時折、自分の気持ちが暴走してしまう男の子もいます。

色んな子どもがいました。

けれど、みんなサッカーが好きで、ここに通っているのだと思います。

 

息子は即決で入部を決め、1月は空きがある日のみ、2月からは毎週土曜日に通うことになりました。

先日、土曜日の空きが出て、息子を送ってきました。

10時から2時間。

母子分離なので、私は外で時間を潰していました。

周囲をドライブして最寄りのスーパーで買い物をしたり、車の中で本を読んだり。。。

子どもが頑張っているのに、親は応援しないわけにはいきません。

 

息子はサッカースクールに通っているだけあって、療育では大活躍だったそうです。

サッカー経験者であるコーチにサッカー技術や体の動かし方を分かりやすく教えていただき、楽しくサッカーをしながら自信を付けていってほしいと思っています。

それに、少し上の先輩がいることは、何かと心強い気がしています。

 


自分だけじゃない!

2017年11月11日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

8日に行われた市のソーシャルスキル・トレーニングは、「大縄跳び」「気持ちサイコロトーク」「ロールプレイング」「へびにょろ陣取りゲーム」でした。

 

この日の「ロールプレイング」は、うまく出来ないときの伝え方です。

まず、先生方がロールプレイングを行います。

 

図工の時間の工作で、台紙にこよりをくっつけようとしているのですが破れてしまいました。

ていねいに気を付けているのに、なかなかうまくいきません。

困ったAさんは、

1、「なんや! こんなもん、もうやめや!」と叫び、周りの友達はびっくりしてしまいました。

2、じっとして固まってしまい、友達が声をかけても返事もしません。

 

4年生から6年生の6人でトレーニングを受けているのですが、

「こういう状況になったことがある人?」

と聞かれ、5人が手をあげ、

中でも息子は、「しょっちゅうある。」と、答えたそうです。

 

「Aさんの気持ちを考えてみよう」との問いには、

「自分だけ作品が完成出来へんように思えて、イライラしてしまう。」

と、息子は答えたそうで、他にも

「うまく出来ないことをバカにされて、悲しい。」

「どうやったらいいか分からない。」

などの意見が出ました。

 

「では、こんな時はどうしたらいい?」との問いに、

息子は、

「先生にやり方を聞く。」

と、答えました。

「友達に教えてもらう。」

と、答えた子。

「僕は出来る!僕は出来る!って、言う。」

と、答えた子。

そして、

「頑張るしかない。」

と、答えた子。

 

2年ぐらい前までの息子なら、恐らく、「頑張るしかない。」と、答えていたかもしれません。

中学年の頃、手伝おうとしてくれた友達をひっかいてしまったことがあります。

自分で出来ないことは格好悪い、そう思っていたからだと思います。

 

頑張ることはもちろん大切ですが、出来ない・分からないことを伝えてアドバイスをもらうことは、重要なスキルです。

トレーニングのお陰か担任の先生のお陰か、5年生になった頃からは、困ったときに先生に聞くことが出来るようになりました。

 

子ども達は交代でロールプレイングをしながら、

一生懸命頑張っているけどうまくいかないことはある。

先生や友達にアドバイスをもらったり、手伝ってもらうことは、悪いことではない。

一番大切なのは、自分の気持ちをきちんと伝えること。

そう確認し合いました。

 

このソーシャルスキル・トレーニングを境に、息子の表情が少し柔らかくなったように思います。

トレーニングの前にも、通級や担任の先生に温かい言葉をかけていただいたのかもしれません。

 

けれど、トレーニングで、うまく出来なくて悔しく悲しい気持ちを言葉に出してみんなで共有し、うまくいく方法を再確認出来たことや、「自分だけじゃないんだ」と思えたことは、息子にとって大きかったんじゃないかな、と思います。

 

一足飛びには乗り越えられない、それどころか、繰り返し繰り返しこれでもかという程、悩んで心を鍛えていくしかないのかもしれません。

ただでさえ、傷付きやすい心をしているのに・・・。

 

息子が大人になるまでは、一緒に前を向きつつ悩んでいこうと思います。

 


プレイセラピーの先生

2017年02月18日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

昨年の1月から息子のプレイセラピーを担当してくださっている先生が、この3月で退職されることになりました。

4月以後、後任の先生が見つかるまで、またプレイセラピーはお休みになるかもしれません。

 

この2年間で3人のプレイセラピーの先生が退職されることになり、3人とも若い男の先生でしたが、改めて難しい仕事なんだと思いました。

今の先生は、息子の話を聞く限りでは、口数が少なくて自分からはあまり話をされない方で、ボールの蹴り合いをしながら、息子の話を静かに聞いてくれていたそうです。

1時間みっちり、文句も言わずにボールの蹴り合いをしてくれるので、息子は満足していたようです。

時には、友達に腹が立ったことなんかも、先生に聞いてもらっていたようです。

 

最近、息子は全く外に遊びに行かなくなりました。

学校でも調子が悪く、授業を抜けて、通級教室や保健室で休んでいることもあるようです。

サッカースクールにも、今週は、調子が悪くて参加することが出来ませんでした。

とにかく、「しんどい」「疲れた」と、言っています。

 

そんな状態ですから、プレイセラピーで先生と一緒に汗びっしょりになってボールを蹴ったりすることは、息子にとって良いストレス解消になっていたと思うので、残念で仕方がありません。

 

先日、以前療育に通っていた「こども発達支援センター」から、来年度から始まるグループ療育のお知らせと申込書が送られてきました。

お知らせには、「グループ療育という形で、自分らしくいられる場所の発見、自立生活に向けて行動や感情をコントロールする、社会性の向上を目指す場所作りをめざします。」と、書かれていて、毎月1~2回、土曜日に療育が行われる他、保護者研修も行われるそうです。

ぜひ息子にも参加してほしいと思いましたが、

「学校だけでもしんどいのに、無理!」と、拒絶されました。

 

しんどくならないための方法を勉強する場所なのですが、土曜日はメンタルクリニックを受診する日もあり、それ以上は絶対に無理で、家でゆっくりしていたいのだそうです。

息子にとって、新しい取り組みに参加することは、私の想像以上にエネルギーを要するのかもしれません。

 

今の息子にグループ療育は無理だとしても、すでに息子にとって毎月参加する場所として定着している「プレイセラピー」だけは、なんとか続けてほしいと思っています。

早く後任の先生が見つかりますように・・・。


自閉スペクトラム症(ASD)

2016年09月12日 | ソーシャルスキルトレーニングとその他支援

先日、発達支援センターが主催する学習会に参加してきました。

「自閉スペクトラム症の理解~二次障害、薬物療法について」というテーマで、大阪府立精神医療センター、児童・精神科の間宮由真先生からお話を聴くことが出来ました。

 

息子は、広汎性発達障害と診断されるまでは、注意欠陥・多動による行動障害、アスペルガー症候群、自閉症、色々な名称で障害の可能性があると言われ、

「いったい、ほんまは何やねん?」

と、ちょっともやもやしていましたが、発達障害の歴史を教わり、すっきりしました。

 

この数十年の間に、発達障害の名称・定義・理解と対応などが大きく変化してきたようです。

色んな人が、それぞれの研究から自閉症の子どものことを発表してきました。

 

1960年代後半頃までは、いわゆる「冷蔵庫マザー」という後天的原因説が主流で、親の育て方が問題とされた時期があったそうです。

(息子が小さい頃、年配の方から、「親のしつけがなってない!」と言われてきたのは、若いときにこうした情報を得ているからなのかも。。。

 

1960年代終わりに、イギリスのマイケル・ラター医師により、自閉症は先天性の脳障害説が発表され大きな転換期を迎えます。

脳の発達に障害があって、その結果、脳の働きに歪みが起こり、様々な障害が見られる・・・という見解が現在でも主流になっています。

けれど、今でも、全てが解明されたわけではないのです。

 

個々に発表されてきた自閉症の研究ですが、1980年のDSM-Ⅲ(米国精神医学会が発行する精神疾患の分類と診断の手引書)によって、国際的診断基準として、「広汎性発達障害」が使われるようになりました

 

さらに、2013年のDSM-Ⅴによって、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、自閉症・・・これらは境界があいまいで連続するものとして、自閉スペクトラム症(Autistic Spectrum Disorder(s)、略称:ASDと呼ぶことになりました。(自閉症連続体・自閉症スペクトラムなどということもある)

このときに、自閉症の中核症状である、「社会性の障害」「コミュニケーションの障害」「想像力の障害(こだわり)」に加えて、「感覚の過敏性、もしくは鈍感性」が加えられるようになりました

 

感覚の過敏性に配慮しては、

慣れさせようとして無理強いしない。

不快なことを避けることを認める。

目の悪い人が眼鏡を使うように、サングラスや耳栓、イヤーマフなどの使用を認める。

等の対応が求められています。

 

あきらかに他の子とは違う感覚のせいで、息子の不安が大きくなったり、そのために問題行動が起こったりすることがあるので、こうした感覚に配慮した支援は絶対に必要だと思います。

この感覚的な問題が国際的診断基準に加えられ、大きく理解が進むようになったのは、本当につい最近なんだと、少し驚きました。

もしかすると、これから先も研究が進んで、名称や対応が変わったりすることがあるのかもしれません。

 

自閉スペクトラム症の特性から、著しい自尊心の低下によって二次障害を起こすことは多くあります。

環境を整えたり、勉強や生活面での配慮、自分の気持ちの落ち着かせ方を学んだりしてもなお、薬物療法が必要な場合があります。

薬は万能ではなく、メリットもデメリットもあり、その上で、今一番困っていることを緩和するために薬を使うのです。

いずれも、医師の処方通りに正しく服用しなければなりません。

 

質疑応答で、私の後ろに座っていた方が、小学2年生の息子さんがリスパダールを飲んで体重が増え続けていることを心配して、薬を変更した方が良いのかと質問されていました。

 

間宮先生は、

主治医と相談して、薬を減らすか、ロナセンなどの他の薬に変えることもありだと思うこと。

ただし、その分、効きが悪くなるかもしれないこと。

運動や食事によって体重をコントロールすることも必要だということ。

等を回答されていました。

 

私も息子のことを聞いてみました。

昨年、4年生になった息子が強迫性障害が認められるようになり、リスパダール1錠とレクサプロ半錠を飲んできたこと。

1年経って不安がなくなり、意欲も出てきて、この春、自らサッカークラブに入ったこと。

そこで、自信を喪失したのか、不安症状が強くなり、意欲も低下して、日常生活もままならなくなってきたこと。

サッカークラブを休部し、およそ1学期間不安の強い状態が続いたが、レクサプロの量を4分の3錠に増やしてから半月あまりで調子が良くなってきて、またサッカークラブに復帰したいと思っていること。

 

「薬のせいで息子の状態が良くなったと思えるのですが、復帰させてもだいじょうぶでしょうか?」と。

 

わずか1分程の説明を聞いただけで答えを出せる問題ではないのに、先生は真摯に答えてくださいました。

「主治医やクラブの人達との話し合いが必要だと思います。

状態が良くなったのは、決して薬のせいだけでなく、クラブをやめたという環境要因が大きいと思います。

息子さんの復帰したいという気持ちは尊重すべきだと思いますが、同じ状況では、当然難しいと思うので、どこまでの配慮が望めるのか相談していただいて、その上でチャレンジしてみる価値はあるとは思います。

やってみなければ分かりませんが、うまくいくかもしれませんし、息子さんの状態によっては、親がストップをかけることも必要になるかもしれません。」

 

復帰も、ありなんです。

また失敗しても、それは仕方がないことなのです。

やってみなければ分からないのですから・・・。

 

私の後ろの人も隣の人も、ここにいるたくさんの人達が、おそらく自閉スペクトラム症によるなんらかの悩みを抱えていて、話を聞きに来ているのでしょう。

誰もが、家族、あるいは教え子の、ありふれた日常のささやかな幸せを願っています。 

理解することによって、彼らを支えられる自分に変わっていくことを願っているのです。