20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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新型コロナから学ぶこと。

2020年04月19日 | Weblog

              

 ディオールのバッグ。

 若い頃なら、飛びついたでしょうが、腕の骨折以来、すっかり回復しているとはいえ、こんな石がいっぱいついた重たいバッグなど、持つ気になれません。

 だから、ショーウインドウを、ただ見るだけ。

 美しいものが好きだった、若かりし頃が、懐かしいです。

 

 自粛自粛の日々で、一つだけいいことは、お金をあまり使わないこと。

 デパートもしまっているから、お洋服も買えません。

 土日にしていたランチの外食も、お店がクローズしているし、感染が気になるのでストップしています。

 

 お金を使うのは、食料品だけで、あとは、アマゾンで、孫たちに本やゲームなどを送ってあげたり、自分の本やお米や雑貨などを買うだけです。

 カードからは、引き落とされていますが・・・。

 でも現金は、銀行で、ひと月分の生活費をおろしてきたのが、まだ今月は、3分の2も残っています。

 暮らし方によって、人間はいかようにも、生きられるということを学びました。

 

 HIV、SARS、MERS、そして今回の新型コロナウィルス。

 こうしたウィルスが出てきたのは、人間と動物の距離が近くなった故におきた、野生動物からの感染だそうです。

 ずっとアフリカなどで、感染者やウィルスと向き合ってきた、長崎大学の研究者の方が、テレビでおっしゃっていました。

 人間が森や山をどんどん開拓し、動物たちは自分たちの住処に住めなくなってくる。

 そして人間の近くに降りてくる。

 経済成長と、それにひた走ってきた人間たちは、このウィルスたちとの戦い、共存の中で、経済成長、地球温暖化の問題を真剣に考える時期に来ているようです。

 お金を儲ける、経済成長が、地球に住むすべての人間や生き物にとって、どれだけのものなのか・・・。

 

 専門家委員のコロナ班の先生が、「このまま手を打たなかったら、42万人の日本人が死ぬ」と発言したことに、ノーベル医学賞を受賞された本庶先生が、

「僕は、こういう数値的な考えを信じません」と言っていたのが印象的でした。

 

 今、私たちが問われているのは、自分も含め周りを見たらコロナと思えという危機意識と、他者との距離、手洗い励行し、自己免疫力をあげる。

 そして、このウィルスと共存していくために、どう生きていくか。

 そうしたことを、一度立ち止まって考える。

 このウイルスとのパンデミックは、もしかしたら、傲慢になりすぎた人間への警告、そして人間としての力を試されている時なのかもしれないと思っています。

 

 今、ベストセラーになっている、カミュの書いた『ペスト』(新潮文庫)。

 ペストは中世ヨーロッパの教会支配の時代に、野生の生き物から感染したウィルスです。

 祈りを捧げても、ペストから解放されない人々は、教会への疑義を唱えます。

 中世のルネッサンスの動きは「暗黒の時代」と決別し、人間を解放する運動につながっていきました。

 この時期に、イタリアに現れたのが、レオナルド・ダ・ビンチです。

 ペスト以降、中世ヨーロッパの地殻は、大きく変動していきます。

 人間たちの英知によって。

 

 新型コロナ終息後、果たして世界のいろいろや、人間の暮らし方は変わっていくでしょうか。

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