20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『はね』(曹文軒/作・ホジェル・メロ/絵・濱野京子/訳・マイティブック)

2015年09月30日 | Weblog

              

 今夜はBeです。

 今月のテキストは『ヒトリコ』(額賀澪・小学館)です。

 小学館文庫小説賞・松本清張賞W受賞した作品だそうです。

 けれど今回はいろいろ忙しくて、とうとうテキストを読むことができませんでした。

 会場の鍵係りなので、出席はいたしますが。

 

 かわりにご紹介したいのが、Beのお仲間が翻訳された、この絵本。

『はね』です。国際アンデルセン賞に中国から推薦された作家の、曹文軒さんと、2014年国際アンデルセン賞受賞のブラジルの画家、ホジェル・メロさんの絵。

 そしてJBBY賞を受賞された、作家の濱野京子さんの中国語訳です。

 とにかく、アグレッシブな作りの絵本です。

 うつくしく贅沢な作りのこの絵本は、羽根の一本一本が呼吸しています。

 鳥たちや、ひとりぼっちのはねが、美的に芸術作品のように描かれています。

 そこに、人とは?と問いかける透明感あふれる文章が、しずかに流れていきます。

 人はどこからきて、どこへいくのだろうという哲学的な問いかけは、ときに読者をどきっとさせ、胸を痛くさせます。

 けれど最後に、はねが辿り着いた、その場所に共にたたずむと、なんだかすごくほっとします。

 そうだよね。こんなもんだよね、と。

 

 すごい絵本です。

 皆さま、ぜひお読みになってください。

コメント (2)
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