太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

過去のプライドは未来の足枷?

2024-07-01 08:13:47 | 日記

 昨日の市民講座は「日本経済の新たな挑戦~ヒトやデジタルへの投資による活性化~」だった。講師は現役の大学教授(経済学者)だ。講義内容は失われた30年とか一人あたりGDPが1990年代半ばをピークに低下の一途を辿る。設備投資の遅れ、アベノミクスで想定していたインフレは需要が増大してインフレとともにGDPも増えると想定していた。しかし今のインフレはウクライナ侵攻後の燃料価格の上昇に供給側の問題に円安が加わったものであり、物価の上昇と賃金の上昇という好循環は生まれていない。新技術などで生産性が上昇し雇用が増え労働市場が逼迫して賃金が上がり、結果需要が増加することが本来の好循環だ。説明は明快でやはりそうだったかと思う一方で、それは過去データによる結果論、分析、解析に過ぎないのではないだろうかと思う。何故ここ此処に至る前に経済学者は失われた30年の前にこぞって警鐘を鳴らさなかったのか。

もう遅いと思うがこの閉塞状況を打破するにはデジタル化に投資をして技術開発の促進と人材の育成だという。しかし日本ではGAFA(Google,Amazon,Facebook、Apple)のような巨大IT企業は育たないと言われている。多分それは「モノづくり日本」と言う言葉に凝縮されていると思う。これは伝統文化に源を発する製造業の繁栄を指しているのであって日本とつけることによって日本全体の目標やプライドになったことに間違いがある。何日か前にブログで、「作り方」と「使い方」のギャップが飛び越えられない昭和世代と書いた。奇しくも講師が「ハードとソフトのギャップが問題」と指摘していた。町工場から世界的企業に育て上げたカリスマ経営者はよく手垢に汚れた機械でも常に新品同様磨き上げろと言っていた。長く使って減価償却も終わった機会でモノづくりをやれば競争力があった時代でそれが美徳でもあった。まさかそれが技術開発の妨げになっているなど夢にも思わなかった時代である。それを信じて過ごしてきたのも昭和世代。



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