太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

予防着陸と落下

2018-02-06 08:58:12 | 社会観察

昨日佐賀県で自衛隊のヘリが民家に墜落し、住宅とともに炎上した。第1報が入った直後の防衛大臣の発表では確か予防着陸と落下という言葉があったと思う。思いだすのは沖縄で米軍ヘリが墜落したとき、海岸で大破したヘリを前にしても緊急着陸という言葉を使い、墜落とは言わなかったことを思い出す。今回大臣の発表時、他のチャンネルでは現場で民家が炎上している映像が流されていた。何が予防着陸だ、墜落ではないかと思った人も多いだろう。その後夜のニュースでは大臣も墜落という表現をしていたので最初の会見の意味が分かった。恐らくパイロットから何らかの機体の異常で予防着陸を試みるという連絡があったのだろう。空中で大爆発でもしない限りパイロットは地上の被害を最小限に食い止めるためより安全な場所へ緊急着陸を試みるだろう。その報告が自衛隊から官邸に入り、大臣はその時点でできるだけ正確な情報を伝えるためそのまま引用したのではないだろうか。結果として墜落炎上した映像が同時期に流れていたのが要らぬ腹を探られる結果となった。素人が簡単に動画を撮り、マスコミに提供する時代、On Going の情報を伝える難しさである。

我が家の上空も不定期だが同じコースを低空で自衛隊のヘリが3機通過する。TVも聞こえない程の轟音である。空を見てあれが落ちてきたらあきらめるしかないと思っていた。まさか現実とは。多分沖縄の人達は日常茶飯事この恐怖に襲われているだろう。偶に行き交うヘリに腹を立ててどうすると思いなおす。

沖縄名護市長選で新人が当選した。前職市長と異なり、基地問題はああまり争点にしなかったとのことである。市民が基地移転に賛成とか、基地そのものを容認した訳ではないだろう。米軍ヘリが何度も事故を起こしているにも関わらずである。前市長時代は補助金が凍結されたりして経済が思うように進展せず、経済発展の中途半端なままならまだ動きそうな政府の経済支援を選択した方がましと考える人もいるだろう。一方、補助に頼った経済の活性化はかっての石炭産業、最近の原発廃炉から考えても出口を見つけることは簡単ではない。経済の活性化が健全でないことは明らかである。分かっていて投票する沖縄の人の苦渋の選択である。

基地問題と地域経済の問題は原発立地と似ている。さらに基地や原発に反対している人達にも、“Not In My Back Yard”(即廃止はできないと思いつつ自分の居住地域には移さないでくれ)と思う人も多いのも共通だろう。さらにどちらも次に大事故を起こしたら終わりということだ。薄氷の上でさらに綱渡りをしているようなものである。

我が地元に是非とも基地も原発も誘致したいという政治家が出て来ないなら、せめてこういう状態になったら基地も原発も必要なくなるという絵を描く政治家が出てくれば救われるのだが。沖縄は観光地としてポテンシャルは大きいが、傍で飛行機が轟音で飛び交う観光地はまた不幸である。基地や原発のことは何を書いても必ずそれに反発する人は居る。確かに基地も原発も現実的に即撤去はありえない。平行線はどういう状態で交わるのか、一方の意見にどちらかが添うようになるのか、平行線の中央に交点がでてくるのか、遠い未来であっても接点を提案するのも政治の役割である。そろそろ具体的プロセスを議論する時期に来ていると思う。

火に油を注げば、アメリカが開発するという小型核ミサイルを購入して日本に配備したら基地は不要、再エネ100%にすれば原発も燃やすだけの化石燃料も不要となる。極論で猛烈なバッシングを受けることは明らかだが、これは道筋の選択肢である。他にも沢山道筋はあるだろう。何十年か後、あの世からこの世が覗けるなら是非とも日本の選択を見てみたい。



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