小学校の運動場で少年野球の子供達が練習をしていた。暫く眺めているとアルファードなどの高級ワンボックスカーが盛んに出入りする。運転しているのは若いお母さん方だ。子供の送迎だろう。自分は中型のファミリーカーを10年以上大事に乗っている。高級車が欲しい訳ではない。ああいうお母さん方も子育て支援とか貰えるのだろうなと思うと何となくやるせない。高級住宅街ではない。サラリーマンの多い住宅団地だ。勿論もっと経済的に苦しいところはあるだろう。収入による選別には行政コストがかかり過ぎるので一律給付も分からないでもない。それでもなんとなく不公平感を感じるのは僻みかも知れない。ああいう若いお母さん方が年寄りは年金が貰えていいねえ、私たちの時代はどうなるのかしらなどと言っていそうな気がして何となく腹が立ってきた。少年野球だって一丁前にユニフォームを着てヘルメットに防具までつけている。我々の頃はユニフォームを揃えているところは稀でバラバラの私服でランニングシャツの子供もいた。防具など付けていないのにバッターボックスに立つと当たれ当たれと味方からヤジが出る。軟式野球でも結構痛いのだがデッドボールになるとドンマイドンマイOK、OKと人ごとで囃し立てられる。痛い顔などできない。いやいや若いお母さんや子供たちが幸せになれるよう高度経済成長の時代に遮二無二に頑張ったのだ。良い風景ではないか。
親の苦労を目にして育った我々は、ああはならない、子供にだけは不自由させたくないと思っていた。結果親の苦労など知らないまま育った親が今の少年野球の親たちだ。長者三代続かずという諺がある。苦労話も3代続かずだろう。三代といえばほぼ100年である。100年経てば大抵の事は変わってしまう。