リニア新幹線工事で大手ゼネコン4社が受注調整をしたという。何度やっても懲りない談合体質の露呈だ。民ー民契約だからでは済まされない。国の融資も入っている。融資だから返ってくる金だからでは済まされない。融資がどのように使われるかは精査する義務がある筈だ。結局は競争が無い高い工事費のツケは運賃にしわ寄せされる。
スーパーゼネコンと呼ばれる割にはお粗末だ。豊洲の工事で予定価格の上限に張り付いた受注でも何となくウヤムヤになったではないか。へたくそだ。もし、予定価格が漏れたり、談合が無かったらどうなるか。豊洲の安全対策追加工事で何度も入札不調になったように工期にすら影響する、国家的プロジェクトにそのような事があってはならない。工期は最優先課題だ。大凡大型の国家プロジェクトには大なり小なり胡散臭い話が混じり、その気になれば週刊誌ネタは幾らでも出て来る。折角××砲とかいって週刊誌が不倫報道に明け暮れているからと油断したんじゃないの。何でそれぞれが得意技術分野があるのに特命発注に持ち込めなかったの。まあいいか。担当者が自社の技術の自慢話をした際他社が応札を諦めて結果としてこうなったと言うか。贈収賄が絡まなければ意外と世間は忘れるのが早い。・・・こう言う発言は誰がするのだろう。
ゼネコンほどの大型工事ではないが昔太陽光発電でも公共施設への設置で入札に関与していた時期がある。営業ではないので入札に直接関与していないが、工事積算をして入札価格の元を作る役割だ。予定価格は想像するしかないが、怪しげな情報は山ほど入ってくる。最後に営業が悩むのは消費税を内外どちらにするかと言う事だった。予定価格の大凡が掴めたのは入札前に自治体が予算付けのために事前に何社かに見積依頼をして相場を確かめることが多かったからだ。勿論この時点で他社が幾らで見積もったかとかは分からないし、自治体がどのレベルで予算措置をしたかは分からない。しかし、予算編成用の見積もりであっても我が社の信頼度は圧倒的に高かったように思う。それは当時太陽光発電システム技術で抜きんでていたからである。技術が優れていると言うより、他社が不慣れな間に社内で実験もし、技術要件、機器仕様で一歩先を行っていたからである。多分初期の頃の案件受注シェアは7~8割はあったと思う。贈収賄はあり得なかった。何せ2千円以上の接待には凜議が必要で昼飯代にもならなかった。技術力を生かしたサービスと言えば、設計会社に教えたり、自治体の質問に丁寧に答えることだった。ところが功を奏したのは最初の3年くらいで、他社も技術に慣れてくる、自治体も経験を積んで独自で見積もりができるようになりシェアは落ちる一方であった。当時は民間の競争は凄まじく全てがライバルで談合などあり得なかった。ビジネスではどんどん苦しくなって行ったが不正をしたり赤字覚悟で受注することは無かった。案件規模も精々1億円前後でスーパーゼネコンが手を出す範囲ではなかったので子供のような競争に明け暮れていた時代である。
入札で最も激しい競争を繰り返していたのはODA事業である。こちらは商社が応札するが、ライバルや相手国の要人を巻き込んだ複雑な構図である。その内太陽電池ではない無償案件プロジェクトで大手商社の社長のクビが飛び、大手商社は5億円にも満たないプロジェクトでクビが飛んでは適わない、と言って太陽電池プロジェクトを含む無償案件の入札から一斉に撤退した。次に出て来たのはコンサルで、彼らが応札者になった。こちらは節操もクソも無い猛烈な獲得競争をしていた。名前も知らないようなコンサルがとんでも無い安い価格で受注したり、とてもビジネスと呼べる代物ではなくなった。因みに太陽電池プロジェクトのODA第一号の入札には深く関与したが面白い話は山ほどある。次にスーパーゼネコンが何かしでかした時にこのブログを覚えていたら書こう。