学生の頃、3年ほど映画館でアルバイトをしていた。
仕事は入場券の切符切りと、上映後の館内清掃。
松竹映画系の400人ほど入る中規模の劇場で、従業員は映写技師2人、受付入場券売場の小母さん4人、事務員と支配人の計8人で運営していた。とてもアットホームな劇場で、楽しく働かせていただいたことを覚えている。
松竹映画は、「男はつらいよ」だけが目玉で、後はたまにヒット作が出る程度で、当時流行っていた角川映画と比べると地味な作品ばかりだった。そんな中で、この「蒲田行進曲」を見た時、それまでの松竹映画に無い明るく快活な面白い映画で、大ヒット間違いなしと思ったが、意外に客が入らずにガッカリした。その後、その年の第一回日本アカデミー賞を取ってリバイバル上映が行われ、いつもは静かな館内が大勢の観客で賑やかになった時はとても嬉しかった。今はもう無くなってしまった映画館の仕事の記憶と共に、映画の面白さや楽しさを伝えてくれた心に残る作品である。
昨日、BS11でテレビ放映があって、懐かい気持ちになった。
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