始めたよ!一口馬主~チーム・ノーマンの挑戦~

競馬と少し距離を置いていたが、一口馬主を始めて、資金力が無いのに入れ込んでいるノーマンが書く備忘録

「1/4サンデーサイレンス」という配合(2)~1/4異系:エレディータ

2015-03-08 18:00:00 | 競馬・一口馬主
「1/4サンデーサイレンス」という配合というエントリーで触れたように、「日本の馬産は今、『3/4Northern Dancer、1/4サンデーサイレンス』時代の真っただ中にいる」と血統屋の望田潤氏は書いている。

その一例は、キングカメハメハやハービンジャーのような『Northern Dancerクロス種牡馬×サンデー牝馬』の組み合わせから生み出される活躍馬だ。

この場合、「血統表の3/4でNorthern Dancerを継続クロスしつつ、残りの1/4の母父サンデーのところだけはNorthern Dancerが入らない」配合形式に成っている。

このことは、「配合史的に言えば3/4で継続クロスし、1/4異系で逃げるということ」に他ならず、それを「ずっと繰り返してきたのがサラブレッドの歴史で、今の日本の最先端は『3/4Northern Dancer、1/4サンデーサイレンス』」だということになる。


僕は、笠雄二郎氏の「日本サラブレッド配合史」を読んだ訳ではないのだが、その影響を受けた方々の配合に関する文章を読むうちに、確実に感化されているところがある。

その1つは「1/4異系配合」という考え方だ。

シルクHCで出資した3歳馬(12年産)が成績を残していないので書くのが恥ずかしいのだが、血統・配合については色々と考えて出資した。
考えた方向性が合っていたかは分からないが、「1/4異系」についても考えた。

出資の際に考えたことはこれまでに書いてきているが、まずはエレディータ。


エレディータに関しては、1/4異系についてエレディータの血統・配合 その2に既に書いた。

エレディータの配合の累代は、スニッツェル×サザンヘイロー×More Light×Tudor Meody。
Northern Dancer4D×5S×5S。

父スニッツェルはNDが4本。父父も父母もNDのクロス馬。母父サザンヘイローもND内包。
それに対して、母母は非主流血脈で構成されておりNDを持っていない。
すなわち、「3/4Northern Dancer、1/4非Northern Dancer」の配合形式になっている。

母母が1/4非Northern Dancer―Natalma―Almahmoudであり、と同時に1/4非Native Dancerでもある。
そこが面白いと思って出資した。母母の部分がサポートとして働くことを期待した。


スニッツェル産駒の成績を見てみると、「3/4Northern Dancer、1/4非Northern Dancer」の配合形式で非Northern Dancerを担うのは、やはりサンデーが良いのだろう。

アーリントンCで、スニッツェル産駒の重賞初制覇をもたらしたヤングマンパワーが母父サンデーだし、2008年産でスニッツェル産駒としては距離をこなしたミッキーマスカットもそう。

スニッツェル×サンデーの配合数自体が多くないので、その中から代表産駒が出てきたのは評価される。


エレディータはサンデーを内包していないので、日本の軽い馬場に対する適性では劣るだろう。
母がMr.Prospectorを内包する馬に対しても馬場適性では劣るかもしれない。

だが、「1/4異系配合」で何とか勝ち上がれないかと思っている。
恵まれないといけないのは明らかだが、運を味方にすることを願っている。

母母の部分が効けば早熟で終わるとは思わないので、勝ち上がれれば能力を持続して、下級条件でボチボチ走れるんじゃないかと思って出資した。
500万下で走り続けると収支的には赤字らしいが、現在のチーム・ノーマンでは、勝ち上がる馬はとても貴重で、チャンスがあるならモノにして欲しい。

グレンツェント(ボシンシェの13)牡[シルク]その2

2015-03-08 16:10:00 | 2013年産出資馬
グレンツェント(ボシンシェの13)牡[シルク]その1

グレンツェント(ボシンシェの13)牡の配合の累代は、ネオユニヴァース×Kingmambo×Irish River×Lyphard×Le Fabuleux。
Northern Dancer5D×5D。

血統屋の望田潤氏によれば、ネオユニヴァース産駒の教科書的配合は「Haloを(ニアリー)クロスして、なおかつSpecialを入れる」というものだそうだ。
Specialを持つ血脈としては、NureyevやSadler's Wellsなどがある。

この観点には、東サラのレッドマシェリ13が当てはまる。
レッドマシェリ13は、曾祖母の父がHaloで、自身はHalo3×4、かつ、祖母の父父がSadler's Wellsでピッタリだ。
馬体重が足りないのと、資金面で負担が少し重くなるので躊躇した。

本馬の場合は、母父KingmamboにNureyevが入るが、Haloのクロスが無いし、ニアリークロスもない。
この観点では要件を満たしていないので、確実性では劣るかもしれない。

ネオユニ産駒は当たり外れが大きいため、出資するなら勝ち上がりの可能性が高い配合を選びたかったのだが・・・。
それでも、本馬の配合には面白味を感じた。


その1で書いたように、ネオユニヴァースは、サンデー直仔のA級馬としては中距離のスピードが少し足りない部分がある。
それでは何に優れているかと言うと、機動力だ。

ディープ産駒は中山コースを苦手にする。ディープ産駒が苦手とするカテゴリーで走れることは重要。
関東馬なので中山を走ることが想定される訳で、機動力を持っていればプラスに働くだろう。

上記のネオユニ産駒の教科書的配合は、機動力を強化する方向性だと考えられる。

では、本馬がネオユニの機動力を強調できているかと言うと、必ずしもYESではない。
別方向の効果を表すことが考えられる血脈も持っていて、どのような馬に出るか面白く感じる。
しかし、機動力強化によって勝ち上がりを目指すならば、ベストな選択ではないだろう。


本馬の母父はKingmamboで、その配合はMr.Prospector×Nureyev。
「サンデー+Mr.Prospector」はしなやかさを伝えることのある組み合わせ。
NureyevはSpecialを内包しているので機動力、先行力や粘りに期待できる。
Kingmamboの母母の部分はパワーやスタミナ。

祖母の父Irish Riverはナスキロ血脈Riverman直仔。ナスキロ血脈は柔らかさやしなやかさを伝えるとされ、Haloとの呼応でサンデーのそういった部分を強調する。

サンデーが持っているしなやかさと機動力は別ベクトル。サンデーの持っていた特性の再現というのは意外と難しい。

Irish Riverの母には異系の血が入り特徴を掴みにくいのだが、母系がTurn-toと同じ。この部分は機動力を強調するかも。

曾祖母の父Lyphardは先行しての粘りを発現。
4代母の父Le Fabuleuxはネオユニが持つWordenとニアリーで、重厚な斬れ。ただし、Wild Riskの系統だから気性難の可能性がある。
5代母の父はHeliopolis―Olympiaの系統で、サンデー内のGulf Streamとニアリー。下支えをしてくれるはず。

これらが上手く噛み合うかが問題で、そんなに甘くないのはこれまでの歴史が示している。
でも、血統派としては面白味を感じるし、魅力的に見えてしまうのだ。

だから、賭けのようなところが有って、ある意味挑戦的な出資だと言える。

◇◇◇
今日の弥生賞を見ても、中山ならネオユニ産駒はディープ産駒よりも走る可能性がある。

ブライトエンブレムは東京の新馬戦を勝ったように能力が高い。
勝ち切るためにはもう少し捲り気味に早めに動いた方が良かったのだろうが、本番前としては十分だと思った。
出資者じゃないから軽く考えているが、出資者だったら勝っておきたかったレースかもしれない。

[追記]
望田潤氏が「ブライトエンブレムにとって勝っておきたかった鞍」と書いている。よく解る。

ブライトエンブレムの能力がGI級で皐月賞で勝負になると考えるなら2着で十分だが、GIでは足りないと思うなら勝っておきたかったか。