今週も色々なニュースがあった。ノーベル賞を日本人4人が授賞する事が決まり、俳優の緒形拳が亡くなり、マンナンライフはこんにゃくゼリーの製造を一時中止すると発表し、ブッシュ大統領は金融機関への公的資金の直接注入に積極的な姿勢を見せた。そして、昨日、プロ野球セ・リーグでは、巨人が最大13ゲームあったゲーム差をひっくり返しての奇跡的な優勝を決めた(ちと強引な展開^^;)
実に読売ジャイアンツ、通算41度目の優勝である。しかも、昨年に続き2連覇達成だ。フツーなら「またかよ」感が漂う所だが、今回は少し違うような気がしている。
なんだかんだ言っても、セ・リーグいやプロ野球で、最も優勝回数が多いのは巨人であり、ここ10年でも4回優勝している(ちなみに他はというと、阪神=2回、中日=3回、ヤクルト=1回)。一部のマスコミやファンは、「巨人再建」「王国崩壊」などと、まるで身売りされるかのように大げさに騒ぎたて、近頃の巨人は弱いと言わんばかりであるが、実際には相変わらず巨人は常勝チームなのだ。
巨人は人気チームでマスコミに取り上げられる事も多く、そのせいか、たとえ3年ぶりだろうが4年ぶりだろうが、毎年巨人が優勝してるような錯覚があった。しかし、今年(去年も)は違う。割と冷静に「優勝おめでとう」という気分である。かつてのように「けっ!」って感じではない。ま、その要因はいくつかある。
ひとつは、監督が原辰徳である事だ。以前にも、原辰徳について書いた事があるので、よろしければそちらも見て欲しいが(笑)、僕は現役時代にも十分な実績を残しながら、ファンに「史上最低の4番」と言われ続けた原辰徳にシンパシーを感じていたし、巨人の監督になった年に優勝した時の采配等を見ていて、彼は優秀な監督である、と思っていたから、原監督で巨人が優勝なら仕方あるまい、というスタンスである。というか、未だにON幻想から抜けきれない巨人ファンやマスコミに、冷や水をぶっかけて貰いたい、という気持ちもある(笑) オールドウェイブな巨人ファンは、単に優勝したと喜んでいるだけだが、実際には今の巨人は昔日の巨人ではない。ONなんてもちろんいないし、江川・西本の2大エースもいないのだ。選手の顔ぶれを見ても、他チームからの移籍組が目立ち、エースも4番も外国人だし、自称“球界の盟主”の面影は全くない。そんな、かつてとは全然違う巨人を率いて優勝させたのが、そのファンがさんざ叩いた原辰徳なのだ。こんな痛快なことがあるか(爆)
という訳で、原監督には心から「おめでとうございます」と、そしてファンには「ざまあみろ」と言ってやりたい心境なのである。屈折してるなぁ(爆)
もうひとつの理由として、クライマックスシリーズ(以下CS)がある。誰が考えたか、2004年からパ・リーグで導入されたこの極悪制度は、リーグ優勝及び日本一の価値を、根底から覆してしまった。もちろん、悪い方に、だけど(笑) 2004年と2005年、共にダイエー(ソフトバンク)がパ・リーグで1位になりながら、CS(当時はプレーオフと呼んでた)で負けて日本シリーズに出場できなかった不条理は、記憶に新しい。セ・リーグでも去年から導入され、その恩恵を受けて中日は日本シリーズに進出し、さらに日本一になってしまった。中日ファン(僕を含む...笑)には、実に有り難い制度であった訳だが、その裏で涙を呑んだのが巨人だった訳で、せっかくのリーグ優勝が色褪せてしまった訳だ。それでもまだ、去年から優勝チームと日本シリーズ出場チームは、別として扱われる事になったのだからまだいい。パ・リーグのプレーオフの頃は、CS勝ち抜けチーム=リーグ優勝チームという扱いだったから、ダイエー(ソフトバング)なんて、2004年も2005年も、リーグ1位通過という事すら忘れられているのだ。今年、パ・リーグは西武が4年ぶりの優勝という事になっているが、4年前のリーグ1位(つまり優勝)はダイエーであり、僕は西武の“4年ぶり”優勝など認めないのである(笑)
そういうのもあって、去年、巨人はリーグ優勝したものの、CSで敗れて日本シリーズ出場は成らなかったので、去年優勝したというイメージが薄い。もしかすると、今年も同じ目に遭うかもしれないが(笑)
もし、今年も巨人がCSで敗退するようなことがあれば、ナベツネは何が何でもCSを廃止しようとするだろう。巨人に有利とみて、導入を進めたのだから、何の恩恵もない、となれば即刻止めようとするに違いない。ま、ナベツネはそういう人だしね(笑)
それにしても、近頃では、巨人戦のテレビ中継がない事もあったりするし、土曜日に東京ドームでデーゲームをやったりもしてる。やはり、今の巨人は昔日の巨人ではない。セ・リーグ6チームのうちのひとつ、である。そこいらも、冷静に巨人優勝という事実を受け止めていられる理由であるだろう。
しかし、13ゲームをひっくり返しての優勝、これはやはり奇跡である。凄い事だ。決して阪神が落ちた訳ではなく、巨人が追いつきひっくり返したのである。誰が、3ヶ月前に、こうなる事を予想しただろう。いやいや、凄い。阪神ファンも、岡田監督を責めないで下さいね(笑)
そんな訳で、近頃気づいたのだが、僕は巨人というチームが嫌いというより、ナベツネをはじめとする巨人のフロント、巨人偏重の報道に終始する一部のマスコミ、巨人以外は目に入らない傍若無人のファン、といった連中が嫌いなだけなのかもしれない。そいつらが、負けて悔しがるのを見るのが好き、とか(爆) 今朝の読売新聞にも載った、巨人ファンとして知られるね●め正一のコメントなんてひどかったよ、「王監督引退の年に、巨人が優勝したのは、王さんにとっても良かった」だと。相変わらずの巨人中心主義、他チームで実績を上げた王監督すら巨人の所属物であるかのように扱う勘違い、思い上がりもはなはだしい。こういう巨人以外のチームを見下す態度、巨人が優勝したないとプロ野球が盛り上らない、と本気で信じ込んでいる幼児性、そういう巨人第一主義が実は球界をダメにしているのだ、という事に気づいてない。ほんと、巨人ファンって、例外なく、こういうヤツばかりなのだ。しかも、有名人が多くて、テレビ等でそういうのを垂れ流すから、たちが悪い。
という訳で、CSを楽しみにしましょ(笑) ちょうど今、パ・リーグCS第一ステージ、オリックスvs日本ハムやってるし^^