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MFCオーナーのブログ

マグニフィセント・セブン

2017年05月30日 23時18分39秒 | 映画
大物ミュージシャンの訃報が続いているが、映画界も例外ではない。ロジャー・ムーアが先日亡くなった。享年89歳。慎んでご冥福をお祈り致します。

ロジャー・ムーアは3代目ジェーム・ボンドとして知られている。1973年の8作目『死ぬのは奴らだ』から14作目の『美しき獲物たち』までの7作に出演し、出演数は歴代最多だそうな。ワイルドな雰囲気のショーン・コネリーとは異なる、知的な二枚目というボンド像を作り上げて、007シリーズ人気の長期安定化に貢献した。4代目以降のジェームズ・ボンド役の俳優たちは、ショーン・コネリーかロジャー・ムーアのどちらか、或いは両方をイヤでも意識せざるを得なくなってるらしい。ま、確かに、この二人のイメージ強いよな。

失礼ながら、正直言うと、ロジャー・ムーアは007でしか見た事ない。キャリアが長い人で、ショーン・コネリーよりも年上だった、ってのを聞いて驚いた記憶があるが、007以外の映画は全く見ていない。ただ、前述したように、人気のあった前任者から役を引き継ぐなんて、かなり大変で、出来れば引き受けたくないのでは、なんて思ってしまうが、結果的には違うイメージのボンドを作り上げてしまった、というのは凄いことだ。このエピソードだけでも、なかなかの人だったのだろう、という気がする。

所で、007シリーズだが、第1作『ドクター・ノオ』が1962年公開なので、もう55年も続いている訳だ(ちなみに、僕と同い年。関係ない?爆)。最新作『スペクター』まで24作、寅さんほどではないが、かなりの本数である。最初の頃のプロデューサーは、既に亡くなってるというし、『ドクター・ノオ』の監督テレンス・ヤングも、音楽担当のジョンバリーも、この世の人ではない。当時を知らぬ全く新しい人たちによって、007シリーズは存続しているという事になる。これまた凄いというか、何というか。

僕はスター・ウォーズ・シリーズは一本も見た事ないが、007シリーズは何作か見ている。が、『ロシアより愛をこめて』と『女王陛下の007』を除けば、どれも同じに思えて区別がつかない。だから、何作か見た事はあるが、何を見たか、が分からない(笑) 困ったもんだ(意味不明)。

スター・ウォーズ・シリーズは見た事ないけど、『荒野の七人』はシリーズ全部見てる。と言っても、全部で4作しかないけど(笑) ただ、これはちょっと珍しいかもしれない。スター・ウォーズ・シリーズを見た事がない、というのと同じくらいに(笑)

という訳で、『マグニフィセント・セブン』を見た(長い前振り)

ご承知の通り、『荒野の七人』のリメイクである。リメイクと言っても、基本設定は同じだけど、登場人物は全然違うし、リメイクと呼んでいいのかどうかは疑問。けど、無法者から村を守るために、村民がガンマンを雇うという設定も、ミッションを託すリーダーを決めて、その男が連れて行く仲間を集める導入も、村民たちは最初はガンマン達を敬遠するものの、そのうち一緒に戦うようになるという展開も、犠牲者を出したものの、敵の首領を仕留めてガンマンと村民チームが勝って、ガンマンたちは村を後にするというラストも、ほぼ『荒野の七人』と同じ。だけど、『荒野の七人』と『マグニフィセント・セブン』は似て非なる映画である。

いや、決して、僕自身が『荒野の七人』に強い思い入れがあるもんだから、リメイクを認めたくないんだろう、なんて事は全くなくて、それどころか『マグニフィセント・セブン』は実に面白い。終始映画を支配する緊迫感がなかなかだし、ガンファイトはオーソドックスだけど迫力満点。画面も綺麗で風景も美しく、最後まで飽きる事なく、時間の過ぎるのも忘れて見入ってしまう、極上のエンタテインメントだ。素晴らしい映画である。

デンゼル・ワシントンなんて、カッコ良すぎるのでは、なんて思ってしまうが、そのガンマンたちが、白人だけでなく、黒人、アイルランド人、東洋系、メキシコ系、インディアン、と様々な人種で構成されているのも、今時のグローバルな世界観の表れなのだろう(は?) ガンマンのリーダーは黒人だし。

けど、『マグニフィセント・セブン』は認めつつも、やっばり『荒野の七人』とは違う。何が違うのか。これは、時代の違いと言ってもいいのかもしれないが、映画の雰囲気がまるで違う。悪玉一味対ガンマンの戦い(撃ち合い)を描いたという点では同じだが、『荒野の七人』には全編に、どこか牧歌的な雰囲気が漂っていた。もちろん、緊迫する場面はあるのだが、なんかこう、のんびりしてる感じがあったんだな。そこいらが、ストーリーの割には凄惨な印象になっていない要因なのではないか。のどかな風景や大らかな音楽の影響もあると思う。

ま、50年以上も前のハリウッドと、現在のハリウッドは全然違うだろうからね。同じネタで映画を撮っても、違う物になってしまうのは仕方ないし、それが気に入らないとか、昔の方が良かったとか、そういう事を言うつもりは、さらさらない。『荒野の七人』を知らなくても『マグニフィセント・セブン』は面白いし、『荒野の七人』を知ってるなら、このキャラはこっちではこいつだな、とか、ユル・ブリンナーとデンゼル・ワシントンの新旧のリーダーを比較してみるとか、そういうのを楽しむのもいいと思う。あと、安い報酬で危険な仕事を受けるガンマンたちは、一体何を考えているのか、とかね。単に”男のロマン”なのか、そうではないのか。

そうか、”男のロマン”か。『荒野の七人』が女性にはほとんどウケない理由が、なんとなく分かったような気がする。今さらだけど(爆)

という訳で、『マグニフィセント・セブン』久々にオススメです。是非、見て下さい。で、もし『マグニフィセント・セブン』を面白いと思ったら、『荒野の七人』も見てやって下さいね(笑) 
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5 コメント

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大きな魚。 (喜楽院)
2017-05-31 21:56:17
「七人の侍」は中学生の頃、
TVの洋画劇場で初めて観ましたが、
「凄く面白いなあ!」と感激しました。
「荒野の七人」も、ほぼ同様です。

若者がボスに気に入られようとして、
なんとか手柄を立てようと、おおきな
魚を捕まえ、頭上に高々と掲げるシーン。

高校になって読んだ、
映画雑誌のコラムに
「七人の侍」では、
それは死んだ魚だったが、
「荒野の七人」でのそれは
元気に生きていた。
と、あった。

へえ。そうだったかな?。
うん、確かにそんな気もする。
後々、確認してみよう、と当時思った。

あれから40年。
いまに至るまでその確認をすることなく、
ただただ、時間だけが経過した。
荒淫、もとい、光陰矢のごとし。

返信する
Unknown (かがみ)
2017-05-31 22:59:12
荒野の7人もいいですけど、やはり大元ネタの七人の侍ですよー。
確か黒澤が亡くなってしばらくしてから、リバイバル上映したのを見たのが最初でした。
昔の映画で晩年の黒澤にいい感触のなかった友達と観に行って共に打ちのめされました。
途中休憩が入る長さの映画なのですがあっという間に終わりました。
なんという構成力と人物描写。しかもエンターテイメントしてる。
以後生涯ベスト10の1本となっております。

話が変わりますが、オーナーさんこれ行かないんですか?
http://bluenotejazzfestival.jp
ドナルドフェイゲン。初単独&初野外です。
返信する
七人の侍 (MFCオーナー)
2017-06-01 00:15:47
♪喜楽院さん

>おおきな魚を捕まえ、頭上に高々と掲げるシーン。
『荒野の七人』は『七人の侍』の翻訳版リメイクな訳ですが、かなり細かい所まで再現するんですね。

>「七人の侍」では、
>それは死んだ魚だったが、
>「荒野の七人」でのそれは
>元気に生きていた。
う~む、申し訳ありませんが、そのようなシーンを覚えていません。『荒野の七人』で、仲間に入れて貰おうとクリス(ユル・ブリンナー)たちガンマン一行を追いかけるチコ(ホルスト・プッツホルツ)が、先回りして川のほとりで、魚を捕って焼いて食べていたシーンがあったのは、かろうじて覚えていますが。

>ただただ、時間だけが経過した。
>荒淫、もとい、光陰矢のごとし
確かに自分も、何もしていないのに、年ばかり取ってしまいました^^; でも、遅くはないです。明日にでも、TSUTAYAに行って、『荒野の七人』レンタルしましょう!『七人の侍』でもいですけど(笑)

♪かがみさん

>荒野の7人もいいですけど、やはり大元ネタの七人の侍ですよ
実は、僕もこの『七人の侍』大分前に見ましたが、あり面白いとは思えませんでした^^; 黒沢映画って、鬼門です。

>生涯ベスト10の1本となっております
僕とっては、『荒野の七人』がそのポジションです(笑)

>初単独&初野外です
おおっ、これは知りませんでした。興味ありますけど、会場が会場だけに、なんとなく高そう^^; 所で、スティーリー・ダンの活動はどうしてるのでしょう?
返信する
Unknown (かがみ)
2017-06-01 20:06:52
Steely Danは毎年ツアーやってますよ。
返信する
夜ごと歩き回るのさ (MFCオーナー)
2017-06-01 23:32:02
♪かがみさん

>毎年ツアーやってますよ
という事は、このソロライブは別腹なんですね(は?) なんだか、ホッとしました。まさか、スティーリー・ダンの曲はやらないですよね?(笑)
返信する

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