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俺たちの朝

2018年09月15日 14時25分01秒 | テレビ番組
ローカルなネタで申し訳ないが、8月から、TVK(テレビ神奈川)で『俺たちの朝』が放送されている。ご存知の人も多いだろう。中村雅俊の『俺たちの旅』の続編というか姉妹編というか、1976年10月〜1977年11月の13ヶ月に渡って放送された人気ドラマである。再放送してる事を嫁が気づいて、なんとなく見始めたのだが、意外と面白くて、懐かしさも手伝い、つい毎回見てしまっている(笑) ただ、当時、僕は中学生だったのだが、このドラマは一回も見た事ない(爆) ドラマの存在自体も知らなかったのではなかろうか。見ていなかったのに懐かしいとはなんでやねん、と言われそうだが、今見て懐かしいというのには、違う理由がある。

●出演者
毎回登場するレギュラー出演者は、勝野洋、小倉一郎、長谷直美、秋野太作、森川正太の5人で、準レギュラー的に、穂積高信、加藤治子、岡田奈々、柳生博、原田美枝子といった人たちがいて、それに加えて、毎回ゲストみたいな感じの人が出てくる。関根恵子とか寺尾聰とか仲谷昇とか。日色ともゑ、上村香子、小野進也、といった、今は見かけないけど、当時はよく見かけた役者たちも出てる。浅野温子がチョイ役で出てたりなんかしたりもする。その全ての顔が懐かしい。みんな若いよなぁ。当たり前だけど(笑) 近頃見ないけど、何してるんだろう、なんて思ったりもして。もちろん、亡くなった人もいるだろう。この中では、関根(高橋)恵子や寺尾聰は別格として、勝野洋は夫婦でバラエティに出てるのはよく見るが、他の人はあまり見かけない。当時、同じようにホームドラマ等で活躍してた岡本信人とかみたいに、新たなキャラを武器にバラエティで頑張っている、という感じでもないしね。というのもあって、とにかく出てくる人がみんな懐かしい。顔は知ってるのに、名前が出てこなかった人も結構いたけど(爆)

●背景
このドラマの舞台は鎌倉である。主人公達は江ノ電の極楽寺駅付近に住んでる事になってて、まぁ、ここいらは、数年前の中井貴一・小泉今日子主演の『最後から二番目の恋』と同じ設定(笑) こうなると、ドラマもさることながら、風景その他に目がいってしまう。極楽寺駅って、自動改札になった以外は、見た目はあまり変わってないな、当時は改札は無人だったみたいだけど、とか、江ノ電の資料の床が木張りで、そういや昔はどの電車もそうだったな、とか。鎌倉駅も江ノ島は、そんなに変わってない印象。でも懐かしい(笑) 鎌倉以外でも、新宿やら渋谷やらが映るけど、建物もそうだが、自動車のデザインとか片仮名の喫茶店やブティックの看板とか若い女性の服装(特にパンタロン)とかを見てると、やはり時代を感じる。反対に、サラリーマンたちのスーツ姿は、今と比較しても、それほど違和感ない。80年代後半のドラマで見るスーツの方が、いかにもバブルって感じで、却って時代を感じるな(笑) あと、喫茶店や食堂の場面だと、壁に貼ってあるメニューが気になったりする(笑) カレーライス400円、なんてあると、当時としては安いのか高いのかそれとも相場だったのか、とかね。それと、ドラマの登場人物が映画を見に行く時、『オーメン』のポスターが後ろに見えてて、正に懐かしさ全開(笑) あと、背景という何というか、登場する男たちは、ほぼ全員喫煙する場面がある。ヘビースモーカーはいないみたいだけど。歩きながらとかホームで電車を待ちながらとか車を運転しながらとかお茶や食事をしながらとか、ま、とにかく、いつでもどこでも誰かが喫煙してる。そういうのが普通だった時代なんだよね。高校生のころまでは、在来線の車内にも灰皿があったのは覚えてる。

●音楽
毎回、ドラマの冒頭で流れる主題歌、これがまた、あの当時の雰囲気そのままのフォーク調で、なかなかよろしいのである。いかにも吉田拓郎の曲みたいだけど、作曲は小室等、歌ってるのはなんと松崎しげる。「愛のメモリー」でブレイクする前の年なんだけど、ああいうドラマチックに歌い上げるスタイルではなく、正に拓郎のような、抑えたというかぶっきらぼうな歌い方だ。それも結構しっくりくるので、やはり実力のある人なんだな、と再認識。それと劇中、出演者たちが歌う曲が流れるシーンもあるのだが、これらも当時のフォーク調というか、ほんと拓郎や小椋佳の作風に近い感じで、演歌や四畳半フォークのウェット感はほとんどないものの、淡々とした中にも哀愁が感じられるという、正にあの頃のフォークソングであり、もしかすると日本独自のものではなかろうか。そんな曲たちにも懐かしさを感じる。そして、ドラマの音楽担当はトランザム。これまた懐かしい名前だ(笑) 前述した、出演者たちが歌う挿入歌に似た雰囲気のインスト曲が随所に流れる訳だが、これがまた「時の過ぎゆくままに」とか「俺たちの旅」とか、ああいった有名曲を焼き直したような、あ、この曲知ってる、と思ったらビミョーに違う曲だった、というタイプが多く、まぁ、なんというか(笑) 時々、既成曲をそのままインストにしてるてるのもあり、こないだは「分かって下さい」のインスト版が流れてた。このあたりも時代だなぁ(笑)

●ドラマ
前述した5人、すなわち勝野洋、小倉一郎、長谷直美、秋野太作、森川正太を軸に、一話完結のスタイルで物語が進められていく。毎回、5人のうちの一人を中心に展開していくのだが、そんなに大きな騒動が起きる訳でもなく、かといって淡々としてるばかりでもなく、現代のドラマだったら、リアリティがありそうでなさそうなエピソードやセリフに辟易して、見なくなるパターンが多いのだが(笑)、このドラマはなんとなく見てしまう。懐かしさだけでもないような気がするな。主人公たちは、年の頃推定20代前半くらいかな、という感じだが、仲間同士でじゃれてみたり、砂浜で追っかけっこをしたり(笑)、女性のミニスカートにどぎまぎして赤くなってみたり、相手への配慮に欠ける発言をしてみたり等々、年齢の割には少し幼いんじゃないか、と思ったりもするが、意外と感情移入する事もないので、結構冷静に見ていられたりして、やや幼いんじゃないかと思われる言動も、あまり気にならない。場合によっては、微笑ましくもある(笑) 主人公たちには、それなりの夢は持っているもののバイトで生計を立ててる者や、定職には就いているが特に目標もなく過ごしていたりする者がいるが、それぞれが真面目に生きている。世の中を恨む事もなく、ただ一攫千金を夢見て何もせず日々を送るのでもなく、とにかく懸命に生きているのだ。先程、僕はこのドラマの登場人物たちに感情移入していない、と書いたが、シンパシーは感じていると思う。自分と同じだ。特にでっかい事をやる訳ではなく、普通に働いて、悪い事もせず、税金はしっかり払って、ずっと真面目に生きてきたけど、ただそれだけで、社会全般から見れば、特に目立つ訳でもなく、何か人の役に立っている訳でもなく、社会に貢献してる訳でもない、いてもいなくてもどうでもいい、ただ単にひっそりと世間に知られる事なく暮らしているだけの存在。ただ、そんな役立たずでも生きていて、毎日飯を食い、大小便をして、電車に乗り、働いて、泣いたり笑ったり怒ったり、時に酒を飲んだり遊んだりもする。全く、僕そのものではないか(爆) そういう若者たちの日常に、僕は共感を覚えているのだろう。けど、主人公たちより年上(40年経った今となっては。笑)なので、冷静に見ていられるのだ。だから、毎回見てしまうのだろう。彼らが、ヘンに卑屈になっていないのもいいと思う。

40年前も今も、一般的な若者の姿は、そう変わってないのだろうか?

この『俺たちの朝』だが、鎌倉が舞台になっていると先程書いたが、頻繁に江ノ電が登場する。今や、県外の人にもすっかり有名であろう、鎌倉-藤沢間を往復するローカル電車なのだが、ウィキペディアによると、ドラマ放送時、利用客が減って江ノ電は廃線の危機にあったのだが、ドラマのヒットにより、全国から注目を集め、他県からの観光客が増加したことで、江ノ電は経営危機から脱出し、廃線も免れたのだそうな。知らなかった。当時も茅ヶ崎に住んでたけど、全く知らなかった。江ノ電に廃線危機があっただなんて...それにしても驚きなのは、廃線寸前のローカル線を立ち直させるだけの人気と影響力が『俺たちの朝』にはあった、ということ。今の目で見てると、どうもそれだけのパワーを持つドラマには見えないのだ(笑) けど、人気があり視聴率も高かったのは事実らしい。

とまぁ、そんな訳で、『俺たちの朝』なんである。見れる人は是非見て下さい。年配の人には懐かしく、若い人には逆に新鮮で、それなりに楽しめるドラマと思う。現在、TVKで月火水の夜10時から放送中。全48話中14話までが放送されたようだ。まだ34話残ってるので、今からでも決して遅くありません(笑) 12~3年前にDVDボックスが発売になってるそうで、そっちを探すのもいいけど(笑) 皆さんそれぞれの懐かしポイントをみつけて郷愁に浸りましょう(爆)
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