イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

つかのまオンサイト翻訳者の気持ち

2009年12月12日 23時08分17秒 | 翻訳について


以前務めていた翻訳会社にオンサイト勤務をさせていただいて1週間が経ちました。その感想です。あくまで僕個人とってのものですが、何かのご参考になれば幸いです。

メリット

・規則正しい生活ができる
フリーランスでもできるんですけどね(^^)
会社員時代は、毎日の出勤が辛く感じたこともありますが、毎日行くところがあるというのはいいものですね。2ヶ月限定の会社員だからこそ感じられることでしょうか。朝起きる時間が決まっていると、前日の夜の過ごし方も変わってきます。

・作業に集中できる
会社はすごく静かで、みんなものすごく集中して作業をしています。緊張感があり、さすがの私もYoutubeで動物格闘動画を見ようという気にはなれません(見たらクビになるでしょう)。しかしこれも在宅でもできることなんですけどね。

・人とのふれあいがある
「ふれあい」と書くとなんだかおおげさですが、あまり会話はないとはいえ、側に人がいるというのはいいものです。僕の場合、それがかつての同僚の方々なので、よけいに心が落ち着きます。仕事の合間にちょっとだけ交わす会話が心地よい。まったく見ず知らずの会社だったら、緊張してしまったりもするかもしれません。僕は恵まれていますね。感謝です。

・現場の情報に触れられる
業界の動向や現場の雰囲気などなど、自宅にいると感じられない様々な情報が得られます。フリーでいると、翻訳会社の人々がなんだかとても不気味(失礼)に感じられたりするものですが、内部に入るとそこでは普通の人々が真面目に働いているのだという当たり前のことがよくわかります。むしろ不気味に思われているのはフリー翻訳者の方なのかもしれません(^^)。たとえば僕の場合、なかなか仕事を断るのが苦手で、ちょっと無理してでも受けたりしてしまうのですが、コーディネーターの方の電話を何気なく聴いていると、あっさり断る翻訳者も多く、そんなものかと思ったりもします。たしかに僕も翻訳会社時代はよく断られていました。

・安定収入がある
毎日確実に収入があるということはありがたいものです。プラスして在宅の仕事も継続して受けているので忙しくはありますが、やはり安心感があります。フリーだとどうしても仕事が途切れる期間が発生するので、久々の定期収入の重みを実感しています。

デメリット
・他社の仕事が受けにくい
日中は連絡も取りにくくなりますし、昼間は他の作業ができないので、他社からの仕事は入れにくくなります。ただしこれは一時的なことなので、オンサイトが終わった後にまた仕事をいただけるのであれば特に大きな問題ではないかと。ちなみに、しばらく留守にした間に忘れ去れる(他の人にポジションを奪われる)のか、よくぞ戻ってきたと思われるかはその人の日頃の仕事ぶりによって変わることだと思います。僕も翻訳会社時代に経験がありますが、いい翻訳者が他社の仕事から解放されて空いたと知らされたときは「やった!」と思ったものです。そう思われるように精進しなければ。

・自分の時間が少なくなる
同じ仕事をしていても、フリーの場合はすべてを自分でコントロールできる。会社にいるとやはりコントロールされている、という感覚です。仕事の合間に勉強やエクササイズなど自分への投資の時間を作ることが難しく、また朝出勤して夜帰宅になると、どうしても一日のほとんどの時間がそれに取られてしまいます。サラリーマンだったときのちょっと窮屈な感覚が蘇りました。ただ、現場では会社員時代と違い自分の専門である翻訳作業をやらせていただいているのであるし、朝や夜の時間も工夫次第で充実したものにできるはずです。それに、これが一生続くとなるとまたストレスになるのでしょうが(上記のメリットはあるとはいえ)、短期間であると考えるとそれほど気にはなりません。むしろ、日頃ありあまる時間をいかに無駄に過ごしていたかを反省するよい機会になるような気がします。

メリットとデメリット、ほかにもいろいろあるような気がしますが、とりあえずは以上


一人暮らしを始めてしばらくしてから実家に戻ると、家にいるときには気づかなかった実家のよさをあらためて感じるといいます。今僕が感じているのも、それと似たものなのかもしれません。

なんだか「お前は会社員に戻りたいのか」と思われるかもしれませんが、あくまで僕がしたい仕事は翻訳なのであり、その最大の優先事項を譲ってまでフリーランスを止めようとは思いません(そもそもどこかの会社が僕を雇ってくれるかどうかはわかりませんし、また会社員に戻ったとしても、結局はまた翻訳だけがやりたくて辞めたくなるに違いありません)。ただ、あらためて実感したのは、現状の在宅での一人仕事がベストのスタイルだとも感じてもいないということです。週のうち5日とはいわなくても、数日は近くに人がいる場所でなんらかの刺激を受けながら集中して作業をしてみたい。そんなことをあらためて思いました。あくまでも今の気持ちではあるのですが、それを今後の目標として、自分が一番やりやすい仕事のスタイルを考えていきたいと思います。

ひとことで言えば、家では気が散ったり煮詰まったりしてしまうので、図書館で勉強する受験生の感覚でしょうか。翻訳者になる前から、将来フリーランスになるのが不安で、「毎日会社にいって好きな本を訳す仕事だけができたらなあ」、と夢想していたことを思い出しました。

SOHO向けレンタルオフィススペース、喫茶店、図書館などなど、そういった条件をかなえる場所はいろいろとあると思います。来年は外に出ることをもう少し意識して精神衛生と作業効率を向上させていきたいものです。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ミラクル (iwashi)
2009-12-13 12:17:12
Youtubeの動物動画の件は何人かに話したら爆笑されました(^^) 自由すぎるというのも困りものですよね~。ただ自由であることに満足するのではなく、自分で納得のいく時間の使い方ができてはじめてフリーになってよかったと心から思えるのかもしれません。

ミラクルひかるは知りませんでした。すごい芸ですね!
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わかり過ぎて・・・ (south)
2009-12-13 10:16:09
わかります。

記事2つともそのとおり!と思ってしまいました。
私も以前、好きなことを出来ているという感謝の気持ちと人とふれたい(^^)という気持ちの間で葛藤がありました。

そのあと派遣で外に出てみて、人と喋ることがこんなに楽しいのか~と改めて気づきました。

それでも、フリーランスには工夫次第でサラリーマンよりも自由があるのかもしれないですね。
買い物や旅行など何でもいいのでとりあえず予定を先に入れてしまおう、とかいろいろ考えますね。


youtubeといえば、最近お笑い系にはまっています。
http://www.youtube.com/watch?v=5OYZpQ4fxQU
やめられなくなりますね。(^^*)
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