おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
私は今もなお天翔る(あまがける)心をもって目に見えない大きなものをつかみ取る生き方にあこがれる。
信ずれば夢は叶う。私にはまだやることが一杯ある。
市川猿翁(74歳、三代目猿之助)が『私の履歴書』(2月28日付日本経済新聞)の最後を締めくくった言葉です。

私は、『私の履歴書』を欠かさず読んでいて、最近では、マーケティング学者のF. コトラーや指揮者の小澤征爾氏も登場していたことが印象に残っています。
市川猿翁の『私の履歴書』に戻ると、女優の浜木綿子との実質的な夫婦としての生活が1年数カ月だったことや、何よりも初恋の人である藤間紫との不倫に関するドロドロしたことがあまり書かれていなかったことは、やや残念でした。
しかし、息子の香川照之(歌舞伎界では市川中車)が25歳の冬、思い立って初めて公演先の父に会いに91年突然巡業地を訪問したとき、役者としてやっていく息子に対し、生きるも死ぬも身一つの覚悟でやる必要があると思い、「父と思うな」と厳しい言葉をかけ、「泣いていた息子に本意は伝わっていなかったと思うが、この再会を忘れたことはない」と書いていたことには、思わず涙しました。
市川猿翁は、同じ最終回の『私の履歴書』で古典歌舞伎と新作は役者の両輪だと教え、自分の姿勢、歌舞伎への取り組みを見せながら次の言葉をもとにした精神を伝えることができれば、と書いています。
その言葉は、詩人ルイ・アラゴンの
「教えるとは共に希望を語ること。
学ぶとは真実を胸に刻むこと」
何度も反復したい言葉です。
◆「名言」に類することは、「私の好きな言葉」のカテゴリー をお読みください。

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