おはようございます。新宿区神楽坂で研修&カウンセリングの事業を営む ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
私が尊敬している女性作家が2人います。櫻井よしこさんと曽野 綾子さんです。
はっきりした物言いで物議を醸すことがありますが、凛とした態度で、首尾一貫しているのがこの2人です。
その一方の曽野 綾子さんの現在のベストセラーが『人間にとって成熟とは何か』(幻冬舎新書、760円+税)
82歳の曽野氏の舌鋒は鋭い。
例えば、子どもを持ちたい、母になりたいとの一心からアメリカで卵子の提供を受けて50歳を過ぎて母になった野田聖子議員に対して、子どもがいくつもの障害を持って生まれたことを同じ女として野田氏の信条に同意しつつも、高額医療を国によって支えられていることに対して一抹の申し訳なさか感謝がまったくない点について強い違和感を表明しています。
「成熟した人間というものは、必ず自分の立場を社会の中で考えるものだ」と説いています。
そして、その原因を「人権とは要求することだ」と教えてきた日教組的教育に帰しています。
この点に関しては、権利の責任というコインの裏表に対して、責任を棚上げして権利の要求ばかり教えてきた戦後教育に私も違和感を覚えます。
曽野氏は、別のところでこんな言葉を書いています。
「品を保つということは、一人で人生を戦うことなのだろう。それは別にお高く止まる態度を取るということではない。自分を失わずに、誰とでも穏やかに心を開いて会話ができ、相手と同感するところと、拒否すべき点とを明確に見極め、その中にあって決して流されないことである。この姿勢を保つには、その人自身が、川の流れの中にある杭のようでなければならない」
私もまた、曽野氏が深い尊敬の念を抱く「川の中の杭」という存在に憧れます。
成熟することの喜びをこの本から学びました。
強くお勧めです。
<お目休めコーナー> 10月の花(22)

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