ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
今日(12月1日)から師走ですね。年月が過ぎるのがあっという間のような感じがします。
通勤途上にみかんが目立ちました。
猛烈な研修・講演ラッシュは、11月で終わり、12月は充電から始まりました。
有楽町のよみうりホールで讀賣新聞社の「医療ルネッサンス5000回記念・東京フォーラム」
こころの健康
のお勉強に出かけたのです。
有楽町のオフィス街の木々もすっかり色づいていました。
この催し、主催者によれば、1,000人定員のところ3,200人の応募があったようで、私は、3倍の難関を通ったことになります。
下のような「参加証」が送られていました。
13:00から15:50の間に次のようなプログラムで進行していました。
13:00-13:15 主催者挨拶
13:15-14:15 基調講演 「うつの時代の幸福論」 加賀乙彦氏(作家、精神科医)
14:15-14:30 休憩
14:30-15:50 パネルディスカッション 「心を元気にする生き方」
パネリスト 大野 裕氏 慶應義塾大学教授、精神科医
海原純子氏 白鴎大学教授、心療内科医
音無美紀子氏 女優
コーディネーター 田中秀一氏 讀賣新聞社東京本社 編集局医療情報部長
加賀乙彦氏の基調講演は省略して、私には、パネルディスカッションが最高度にためになりました。とりわけ、ご自身がうつで苦しんだ音無美紀子氏の体験に大いに共感しました。
それぞれの論者の発言内容を3点にまとめて記しておきます。
大野 裕氏
①(認知行動療法の立場から)自分を見る自分を育てると、見え方が違ってくる。自分にできること、できないことを見極め、自分らしく生きること。
②うつ・ストレスに立ち向かうには、自分の(楽しい、うれしい、辛い、悲しいといった)感情・感覚を大切にすること。辛かったら(休む、または、動けたらやってみるなどしながら)ラクにするとよい。
③自分を取り戻す時間を持つこと。時間の流れに逆らって自分を作ろう。
海原純子氏
①目標には、(お金や人からの評価といった)「外在型目標」と、(心の中にあるやって見たいことのような)「内在型目標」がある。「外在型目標」に頼らず「内在型目標」で生きることが幸せのヒント。
②老いは、「時間の質」に対する考え方を変えるチャンス。イヤな気持ちで過ごすのは、時間の無駄。自分は、テレビを観ることと、週刊誌を読むことをやめた。
③結果よりもプロセスが大事。他者からどう言われようと、他者と比較せず、やっていることを充足できれば、年をとることが怖くなくなる。
音無美紀子氏
①女優として絶頂期にある38歳で乳がんの大手術をし、その後のリハビリ期に頑張りすぎてうつ病になった。「ママの笑う顔を見たい」という小学校1年生当時の娘の言葉、子どもの寝顔を見せながら「子どもの晴れ姿を一緒に見ようよ」という夫の言葉が支えになった。
②うつの最盛期は、「やりたい」「したい」ことが何だかわからない状態になり、子どものお弁当に何を入れていいかわからなかった。スーパーで買い物籠に入れるものがわからず、周りからヘンだとささやかれている感じがしていた。
③子どもの夏休みの宿題の絵日記に関連して、それまで家事ができないでいたのに、目玉焼きやおにぎりを作ったことで、「あ、できた」という感覚が生まれた。「一歩踏み出さない限り希望は持てない」としみじみ感じた。
海原氏は、「新型うつ病」こと、「ディスチミア型のうつ」(気分変調症)のことについて言及されました。
これについては、2009年7月10日のブログ
「『うつもどき』のディスチミア症候群(気分変調症)の本」
をご覧ください。
『会社でうつ 休むと元気ハツラツな人―「仮面を脱げない」新しい「心の病」がある。』(海原純子著、文藝春秋社、1,000円+税)を紹介しています。
この会の内容は、12月末の讀賣新聞に掲載されるそうです。
教えるのも楽しいですけれど、学ぶことも楽しいですね。
◎速報:愛知県一宮市の三輪克子さんから「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」が名古屋の子育て支援の一環としてNHKの名古屋放送局から放送された旨の情報が入りました。
ご覧ください。
子育てリポート ほっとイブニング
11月26日 夕方6:30から8分ほど
http://www.nhk.or.jp/nagoya/hot/kosodate/kaisetsu.html
<お目休めコーナー> 神宮外苑いちょう並木(カミさん撮影)