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生きていくことの意味―トランスパーソナル心理学・9つのヒント (PHP新書) 諸富 祥彦 PHP研究所
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おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
私の好きなちょといい話を紹介します。 |
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明治大学教授の諸富祥彦さん(ヒューマン・ギルド会員)が『<むなしさ>の心理学』(講談社現代新書)や『生きていくことの意味』(PHP新書)などでよく書いている、余命3カ月と診断されたある老婆の話があります。
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彼女は、もう長くないことを察して、次第に自己中心的な態度を取り始めました。自分はもうすぐ死ぬのだから、周りの人は自分に尽くしてくれて当然と言わんばかりに、見舞いに来てくれた家族や看護師に横暴な振る舞いをしていたのです。容姿も気にかけなくなって、なりふり構わず、化粧も一切しなくなっていました。
その彼女が、ある朝、ふと窓の外を見やって目に映ったのは、憔悴しきったサラリーマンたちの姿でした。老婆はそこで、「人生で絶望しているのは、自分だけではないんだ」ということに気づきました。
元来、陽気で活発な性格の持ち主だった彼女は、その翌日、化粧を整え、車椅子で外に出るので車を押してもらうよう看護師に頼みました。そして、会社へと急ぐサラリーマンの1人ひとりに「行ってらっしゃい」と微笑みかけていったのです。
最初は、何のことか戸惑っていたサラリーマンたちも、次第に、ニッコリと笑顔を返してくれるようになったことで、彼女にも、疲れきって曇った顔だったサラリーマンたちの顔に微笑みと元気が戻ってくるのが、手に取るようにわかりました。
このことがうれしくて、微笑みに満ちたサラリーマンへの朝の挨拶は、この老婆の日課となりました。
人に喜んでもらうことが、自分自身の“生きる力”として返ってくることを確認し、そのことで生きがいを発見した彼女は、医師の予測よりも倍以上生きたそうです。
<お目休めコーナー> エアー・プラント
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