京都御所は、1869年(明治2年)の東京行幸まで歴代天皇の居所・執務所であった。現在は京都御所、京都大宮御所と仙洞御所を宮内庁が管理し、その周囲の国民公園である京都御苑を環境省が管理している。
現存の京都御所はもと里内裏の一つで、土御門東洞院殿(つちみかどひがしのとういんどの)と言い、1331年(元弘元年、元徳3年)、北朝の光厳天皇が最初に使用した内裏である。ここにあった内裏は江戸時代だけで8回再建されており(うち6回は火災焼失による再建)、現存する建物は江戸末期の1855年(安政2年)、平安様式にならって再建されたもので安政内裏と呼ばれるものである。
1877年(明治10年)、東京の皇居に移っていた明治天皇が京都を訪れた際、東幸後10年も経ずして施設及び周辺の環境の荒廃が進んでいた京都御所の様子を嘆き、『京都御所を保存し旧観を維持すべし』と宮内省(当時)に命じた。
主な建物としては、紫宸殿(ししんでん)、清涼殿(せいりょうでん)、小御所(こごしょ)、御学問所(おがくもんじょ)、御常御殿(おつねごてん)、迎春(こうしゅん)、御涼所(おすずみしょ)、皇后宮御常御殿(こうごうぐうおつねごてん)、若宮・姫宮御殿(わかみや・ひめみやごてん)、飛香舎(ひぎょうしゃ)などがある。(Wikipediaより引用)
今年は暖冬と数年来からいわれ続ける異常気象によるものなのか、春の訪れが早いようである。こう異常気象といわれ続けると、もはや異常ではなく恒常的な気象に変りつつあると認識を新たにするのがよいようである。
さて、各地から例年と比べ数週間も早く桜の開花情報が聞かれ、そろそろ花の時節に入ってきたようである。京都の桜は、おおよその目安として3月最終週から4月第一週が見ごろと思っていたのであるが、これでは4月を待たずに開花してしまいそうな勢いである。
桜の情報を調べていると、京都では御所近衛邸の枝垂桜が満開に近いようである。なんと早い開花であろうか。
御所は春(4月中)と秋(11月中)に一般公開されている。通常御所の参観は宮内庁の許可が必要であるが、この一般公開の時は必要がない。しかし一般公開されている期間はそう長くないため、つい機会を逃してしまう場合が多い。
街中にありながら、京都御所が占有する広大な敷地にはいつも驚かされるが、御苑に踏み入れると再びその広さに驚いてしまう。桜はその広い敷地の中にスポット的に植えられている。桜の名所といわれるところは、とかく数による桜花繚乱で視覚を刺激するが、どうも御所は違うようである。
御苑のところどころで、おくゆかしく「春ですよ!」と告げるように花をつけているのである。
先ほど京都の知り合いから電話が入り、今日現在で醍醐寺の桜が開花、御所の枝垂れは満開との情報をいただいた。桜の名所である原谷苑や御室仁和寺は遅咲きであるが、この感じでは4月の10日頃には満開かも知れない。
お断りをしておくが、本ブログは京都の旅の回顧録であるので使用している写真はリアルタイムのものではない。旅の都度都度に撮りためたものを使用している。