昨年は、読み書き困難のある中学1年生のAくんとBくんについて、
Toe by Toeを使った指導を2ヶ月間行った結果をLD学会で発表しました。
「今年は忙しいしどうしようか・・」
と思っていましたが、
昨年のAくん、Bくんとはタイプの異なるCくんが
(私のブログでは登場人物はみんなAかBかCです。名前の頭文字等は関係ありません。)
手を上げて下さったので、
今年も指導をしてみることにしました。
通える距離ではないので、スカイプです。
事前と事後のテストをしますが、テスト内容は以下です。
1)アルファベットテスト
①アルファベット(音読み)を声に出して1文字ずつ発音する
②アルファベット(音読み)を聞いて書き取る
2)音韻認識テスト
①オンセットーライムレベルのブレンディング
②音素レベルのブレンディング
3)無意味語書き取り
4)テキストの音読
①使用単語がcontrolledされた文章
(2ヶ月以内に習う予定のルールを用いた単語を使用した文章)
②使用単語がuncontrolledな文章
(今回のプログラムでは習わないルールの単語も使用した文章)
これに加えて、WISCの検査結果が参考になります。
このCくんのテストの様子はというと、
意外とすらすら読めちゃう!
「ああ、読む方は問題ないな」という感じ。
ただ、音韻認識テストの結果はあまりよくない。
そして、無意味語単語の書き取りも、まだまだ改善の余地が大きい。
「読める(デコーディングはできる)けど、単語が書けない(音から文字へつながらない)」
というタイプに相当し、
もしかすると、音韻認識が弱いのかもしれないという印象です。
音韻認識が育っていなければ、
耳から聞こえてくる単語の固まりを
「分解したり入れ替えたり」という操作ができないため、
書き取ることは難しいです。
単語の固まりがそのまま漠然とした音の固まりとして認知され、
それを文字にするためには、
その固まりを音素レベルで分解できなくてはいけないのですが、
Cくんは、そのレベルに到達していないようでした。
音素レベルの操作がうまくできるようになるためには
音韻認識のどのレベルからやるかは、個人差があります。
レッスンの一回目から手探りで調べますが、
おそらくライムレベルじゃないかな、と思っています。
昨年のAくん、Bくんとちがって、
書くことを目標にした指導になります。
がんばろうー。
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