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音韻意識 phonological awareness:音素操作の絵カード遊び

2017年07月20日 | チャレンジ英語教室(読み書き困難)

今日のチャレンジ教室は、音素操作のゲームで遊びました。

 

前回、同じカードでオンセット-ライムでの遊びを紹介しました。http://blog.goo.ne.jp/itkayoko/e/8622ff78deda2ae5d06f6caffbf6bd1a


オンセット-ライムのバラバラ→つなぎ がさっとできるようになれば、
語頭の子音とライム部分の操作はもうばっちり!

次のレベル、音素操作に移りましょう。

(でも、オンセット-ライムはすごく大切なので、音素操作まで急がなくてもいいと思ってます)

手順は次のとおりです。

【準備するもの】

CVCの絵カードで、子供たちになじみのあるものならなんでもOK

【子供の状態】
・子供たちは単語(全体)の音は知っているし、言うことができます。

・オンセット-ライムのオンセットをちゃんと認識して、言うことができます

【進め方】

①単語の名前の確認

最初にカード(全体そろってる一覧)を見せて、名前の確認をします

(チャレンジ教室では1人1セット渡しましたが、グループで1セットでもいいと思いました)

 

音素の確認(音素分解:音素セグメンティング)

マグネットを見せながら

「動物の名前に、いくつ音があるかな、ひとつずつ言っていこう」といって、

指でマグネットを指さしながら(子供たちにも指さしをさせながら)

音素の音を確認します。

このときは、発音に意識をさせるチャンスでもあるので

「/fu/じゃないよ、/f/だよ」と不要な母音を言わないように促したり、

長母音と短母音の長さの違い(sheepのeeと、fishのiは同じ長さかな?)に意識を向けさせたりします。

ここで音素分解がすらっとできなければ、

次の段階はいかないほうがいいかもしれません。

またこの写真は音素分解の練習なのでCCVCのfrogも使っていますが、実際に遊ぶときはCVCの単語だけで遊びました。

 

 ③動物カードを3つのパーツに切り分ける

時間があれば、子供たちに自分で切り分けさせるといいでしょう。

時間がない場合、最初から3パーツにわけたセットを渡して、

もともとの動物の形に並べる(くずさない)ように指示します。


④絵カードと音のマッチング

3つのパーツひとつひとつを指さしながらリピートしてもいいですが、

「先生が言った音をタッチしてね。」といって、カルタのようにしてもいいでしょう。

先生はカードのパーツに出てくる音を一つ言います。

「/d/はどこかな?」

子供はそれを見つけます。

(dogの頭が/d/だ、という気づきがあれば、「これだ!」と指さしてくれます)

これで、音がちゃんと定着してるか確認します。

⑤頭子音の入れ替え

頭子音の入れ替えというと難しそうですが、「頭だけ変えよう!」です。

オンセット-ライムではこのレベルでずいぶん遊んでるので、同じ要領です。

「じゃあ、頭のところだけ、他の動物と交換していいよ〜。好きにチェンジしてね!」


⑥音素の混成(音素ブレンディング)練習その1

子供たちが作った新しい動物が並んでいます。

これも焦らず、マグネット(3つ)を見せながら、

「頭だけ変わった動物」の名前を一人ひとつずつ順に発表です。(写真)


もし、ここで、ごちゃごちゃっとなってしまう子が出たら、

オンセット-ライムのライム部分を先に作るといいよ、と言います。

f + o + g というカードが並んでいれば、

「ふお・・・ふお・・・」となりがちです。

そうではなくて、胴体はもともとの動物の組み合わせになっているので、

「ここはなんだっけ?dogの o, g だったね。これを先につないだらどうなる?」とライム混成を先に促します。

/og/ 

そうね。/f/ + /og/、足したらどうなる? 

/fog/

実際に文字を使う場合も、「ライムでまとめる」はすごく大切です。

 

 

⑦ 音素混成(音素ブレンディング)練習 その2

いよいよ本格的にバラバラに・・・

「じゃ、おしりの部分も変えちゃおう」と、

おしり部分カードを入れ替えさせます。

とうとう、なんだかわけのわからない動物になってしまいました。

 

「じゃじゃーん!できたー(何がや・・)

このなかから、一番好きな動物を選んで(かっこいいでもいいし、面白いでもいい)、名前を教えてください」

と言って、あとは子供たちが選んだ動物の名前を聞くだけです。

考えている時間には、

子供たちは「これは/f/....これは/o/...」など

必死に音をつなごうと試行錯誤をし、頭の中で何度もリハーサルしています。

この時間がとても大切です。

1つずつ発表したら、2つ、3つなど時間があれば名前を言わせても良いでしょう。

 

ここまでが、音素のセグメンティングとブレンディングの練習になり、

読みのための音素操作になります。

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ここからは、操作の種類が変わります。

もし時間があれば、あるいはその次の段階として挑戦してみてください。

⑧音素分解(セグメンティング)+混成(ブレンディング) 

これは、単語を聞き取って書く、綴りの下準備の活動になります。

カードをもう一度、もとの形(オリジナルの動物)に戻します。

「今度は、先生が言う名前の動物を作ってね。よく聞いてね、、、、、/shig/、/shig/」

 

ここで、sheepの/sh/、fishの/i/、dogの/g/を選べたら正解。

 

それを並べて、

「お隣の人と同じかなあ?」と答え合わせをさせます。

「その動物の名前は?」

と改めて聞くと、

子供たちは指さしながら、「sh, i, g....shig!」と混成して言えたら大成功です。


この活動に要求されているのは、

「単語全体の音を聞いて、音素の単位に分解する」という分解操作。

これができれば、聞き取った単語を書くのはずいぶん楽になりますね。

 
 
聞き取り選び遊びをやっていると、
「母音がちゃんと聞き取れない」子に気づくと思います。
 
母音は本当に難しいのです。
 
ですので、母音だけ取り出して、「ee」はどこかな?など意識を向ける練習を多くしても良いでしょう。
 
カードはこちらでDL可能です。
 

 


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