学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

今年もやります、「音から文字へ、文字から音へ」英語読み書き指導事例研究

2015年01月28日 | 特別支援教育について

昨年は、読み書き困難のある中学1年生のAくんとBくんについて、

Toe by Toeを使った指導を2ヶ月間行った結果をLD学会で発表しました。

 

 

「今年は忙しいしどうしようか・・」

と思っていましたが、

昨年のAくん、Bくんとはタイプの異なるCくんが
(私のブログでは登場人物はみんなAかBかCです。名前の頭文字等は関係ありません。)

手を上げて下さったので、

今年も指導をしてみることにしました。

 

通える距離ではないので、スカイプです。

 

事前と事後のテストをしますが、テスト内容は以下です。


1)アルファベットテスト

①アルファベット(音読み)を声に出して1文字ずつ発音する

②アルファベット(音読み)を聞いて書き取る


2)音韻認識テスト

①オンセットーライムレベルのブレンディング

②音素レベルのブレンディング

 

3)無意味語書き取り

 

4)テキストの音読

①使用単語がcontrolledされた文章

(2ヶ月以内に習う予定のルールを用いた単語を使用した文章)

②使用単語がuncontrolledな文章

(今回のプログラムでは習わないルールの単語も使用した文章)

 

これに加えて、WISCの検査結果が参考になります。

 

このCくんのテストの様子はというと、

意外とすらすら読めちゃう!

 

「ああ、読む方は問題ないな」という感じ。

 

 

ただ、音韻認識テストの結果はあまりよくない。

そして、無意味語単語の書き取りも、まだまだ改善の余地が大きい。

 

「読める(デコーディングはできる)けど、単語が書けない(音から文字へつながらない)」

というタイプに相当し、

もしかすると、音韻認識が弱いのかもしれないという印象です。

 

音韻認識が育っていなければ、

耳から聞こえてくる単語の固まりを

「分解したり入れ替えたり」という操作ができないため、

書き取ることは難しいです。

 

単語の固まりがそのまま漠然とした音の固まりとして認知され、

それを文字にするためには、

その固まりを音素レベルで分解できなくてはいけないのですが、

Cくんは、そのレベルに到達していないようでした。

 

音素レベルの操作がうまくできるようになるためには

音韻認識のどのレベルからやるかは、個人差があります。

 

レッスンの一回目から手探りで調べますが、

おそらくライムレベルじゃないかな、と思っています。

 

昨年のAくん、Bくんとちがって、

書くことを目標にした指導になります。

 

がんばろうー。

 

 

 

 


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