学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

『ディスレクシアの3年生の壁』

2017年06月18日 | ビジョン・トレーニング

「ディスレクシアと3年生の壁」

今日の学会発表でアレン先生が英語圏ではLearning to Readから、Reading to Learnへの移行が4年生、という話を紹介されていましたのでふとこの記事を思い出しました。

つい先日見つけたものですが、「3年生の終わり」までに基礎的な読み書きがマスターできていなければ、後の成績評価や、高校の退学などに関係する可能性が高くなることを指摘しています。

記事リンク:http://www.dyslexicadvantage.org/dyslexia-and-the-3rd-grade-wall/

これから小学校で「文字と音」の指導が導入されると、フォニックスを試みる学校がもっと増えるでしょう。

ですが、フォニックスは万能薬ではなく、発達の過程で文字を音素と対応させるためのデコーディングを助ける指導方法です。

音韻意識や文字と音の対応に弱さがあれば、「フォニックスをしてもできない子どもたち」がかなり多くなりますし、文字の定着が不十分なら流ちょうさに問題が生じて、デコーディングはスムーズにできません。

英語圏では文字認識と音韻意識を先行させ、そしてフォニックスに進むのですが、シンセティック・フォニックスでは、文字の操作と同時に音素のブレンディングやセグメンティングの操作練習も同時に行い、より音韻意識と文字のつながりを高めるアプローチを取ります。

母語の音韻体系が英語とは異なる日本語母語の学習者では、LDでなくとも、LDに似た誤り傾向は高くなると考えられます。
この躓きを回避するためには、エビデンスに基づいた音韻意識指導、文字指導が大切だろうと思いますし、それは特別支援だけの話ではないはずですね・・・

Educators and researchers have long recognized the importance of mastering reading by the end of third grade. Students who fail to reach this critical milestone often falter in the later grades and drop out before earning a high school diploma. 

Results of a longitudinal study of nearly 4,000 students find that those who do not read proficiently by third grade are four times more likely to leave school without a diploma than proficient readers. For the worst readers, those who could not master even the basic skills by third grade, the rate is nearly six times greater.


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