会報いしかり
第141号(令和 6年 8月10日)
いしかり手打ちそば同好会 初版発行:平成20年9月13日
〒061-3202 石狩市花川南2条6丁目256
URL:http:blog.goo.ne.jp/it sobo
『瓦蕎麦』見聞録 藤井 哲夫
皆さん「瓦(かわら)蕎麦」って、聞いたことや食したことがありますか?
ゴールデンウィーク明けの料金が廉価になる時期を狙い。
「ゆっくりマイカーで日本を旅しよう 行程は最大で30日まで延長可能」という、キャッチコピーに惹かれ「日本一周マイカープラン」に申し込んだ。
九州のこれまで訪問したことのない場所や、京都の葵祭りパレード(5月15日)に合わせて、年令も考え10泊11日と控えめの行程にした。
行程の概要は、4つのフェリー船中泊に下関の一泊のオマケがついて、車1台と人員2人、船室のグレードは基本2段ベッド相部屋というものであったが
、滅多にない機会であり、追加料金を奮発して個室に変更した。到着港から次の出発港までは自己責任でフリープランを選択でき、
しかも30日まで延長でき自由度も高い。
フェリー4回とは、グループフェリー会社の連係で、まずは小樽港発の「新日本海フェリー」で新潟港へ(16時間・約700㎞)、
新潟から関越道で川崎の愚息宅で小休止。
横須賀港から「東京九州フェリー」で福岡県北九州市新門司港へ(21時間・約1000㎞)、
新門司港から阪九フェリーで瀬戸内海を大阪府泉大津港へ(12時間・451㎞)、
最後は舞鶴港から「新日本海フェリー」で小樽港へ(21時間・約1061㎞)と、フェリーは計3200㎞で4船中泊、
宿泊地は福岡県北九州市小倉区、宮崎県高千穂町、大分県湯布市、京都市2泊、オマケの下関市の計6泊、
フェリーの4泊を加えると10泊11日。陸路の走行距離は1730㎞、海路3200㎞を加えると4930㎞の旅であった。
特に小樽港発と横須賀港発のフェリーは30ノット近い高速新造フェリーで軍艦並みに早いし、
スタビライザー付きで揺れを抑制し快適な航海であった。
東京九州フェリーは甲板でBBQが出来ることが売りであり、折角なので体験した。言わずもがなであるが、
弾丸旅行ではない安全運転最優先を徹底したが顧みると喜寿記念とは言えやはり長旅ではあった。
ただ大時化には遭遇せず幸運であった。
ところで本題の「瓦蕎麦」であるが、手打ち蕎麦同好会の機関誌であるから蕎麦の話題に触れないわけにいかない。
会員の皆さんには食したことがある方も居られようが、旅行プランのオマケ宿泊地に下関のホテルが付いており、
愚息のお嫁さんが下関の出身であり。
同地の訪問は結納で訪問した平成18年以来でご両親にもお会いできることもプランを選んだ理由の一つであった。
瓦ソバは山口県下関市豊浦町発祥の麵料理である。
農林水産省の「うちの郷土料理~次世代に伝えたい大切な味」にも取り上げられる山口県を代表するソウルフードでもある。
因みに我が北海道は「豚丼」「ちゃんちゃん焼き」「ジンギスカン鍋」「石狩鍋」「甘納豆入り赤飯」と20数種がノミネートされている。
熱した瓦の上に茶蕎麦と具をのせて焼く。それって焼そばではないの?という突っ込みが聞こえるが、
巷間言われる焼きそばは小麦の麺であるが、瓦蕎麦は茶蕎麦である。
焼きそばは具を撹拌して調理し皿に盛って出されるが、瓦蕎麦は。
茶蕎麦を固めに茹で、具は金糸卵と細切牛肉が載っており、整然と専用瓦に鎮座しておりお行儀が良い。
卓に出すまで撹拌しない。薬味として小葱や海苔とスライスしたレモン片やモミジおろしを入れた温かい麺つゆで食べるのである
いわれは明治10年の西南戦争の際に、明治政府軍が籠城する熊本城を攻める西郷隆盛率いる薩摩軍が、
野戦の合間に瓦を使い野草や肉を焼いて食べたという陣中食を参考に、
明治36年山口県川棚温泉で旅館を営む方が宿泊者用に開発したとされる。
料理の〆として出されることが多く今回も会食の最後にいただいたが、建築用の瓦ではなく瓦蕎麦用に作られた専用の瓦である
。山口県内では広く家庭でも食べられるが、瓦ではなくフライパンやホットプレートが使われるそうである。
家庭向けにスーパー店頭にセットで普通に売られているという。
蕎麦にも色んな楽しみ方があり、当会でもこれまで後藤副会長(蕎道塾長)からオヤマボクチ蕎麦、
茶蕎麦、胡麻蕎麦、柚子蕎麦、ヘギ蕎麦、そして直近はフランス料理のガレット(東神楽で用件あって欠席し御免なさい)と、
様々の蕎麦のバリエーションを教えて戴いてるが、蕎麦は誠に奥深い、正にユネスコの無形文化遺産であると瞠目した旅であった。
市民そば打ち教室が始まる
恒例の「市民そば打ち教室」が始まりました。
6月1日、7月20日、8月3日、9月7日、10月5日、11月16日、12月7日の全7回の予定で進めていきます。
今年は桑原修さん、安藤幸恵さん、安藤路夫さん、茂木勲さん、菊池光弘さん、中村敏雄さん、愛澤さんの7名が受講者です。
締めくくりは12月30日の年越しそば打ちで、今年は自分で打ったそばで新年を迎えます。応援をよろしくお願いいたします。
蕎道塾「ガレットを作る」
6月9日蕎道塾を開催しました。テーマは「ガレット」作る。
ガレットは、フランス料理の名称。フランスでガレットは「円く焼いた料理」を意味するが、
日本では特にそば粉生地を薄く焼いたブルターニュ風ガレットを指すことが多い。
そば粉・水・塩などを混ぜて寝かせた生地を、熱した平鍋またはガレット調理専用の鉄板に注ぎ、
こてで薄い円形に伸ばして正方形に折りたたみ、完成となる(Wikipediaより)。
受講者の感想は「楽しかったです。家で作りたいと思います」、「主食、デザートとしていただきました」、
「変わったものを食べない主人がまた作ってくれと頼まれました」など好評の蕎道塾でした。
一般社団法人全麵協第11回定時社員総会
6月16日東京都千代田区の如水会館にて社員総会が開催され、議案等はすべて原案のとおり承認可決されました。
また、役員体制も新たなメンバーになりました。当会からは事務局長の塚越智さんが理事に再選されました。
サッポロさとらんど「ソーセージ」
6月21日サッポロさとらんどのご厚意で、初めてのソーセージ作りを行いました。参加者は22名。
腸からはみ出したり、詰めすぎたり、足りなかったり悪戦苦闘した人もいたようですが、概ねおいしくできました。
昼食はでき立てのソーセージをパンに挟んだホットドッグを頬張り皆さんご満悦でした。
中には自宅で燻製する本格派もいました。
石狩公民館まつり
7月7日石狩公民館祭りが開かれ、これに出店しました。215食と、お土産そば50パックが売れ、ほぼ予定どおりの食数になりました。
今年のメニューは“おろしそば”、食べた方のほとんどが“おいしい”という評価でした。
参加された会員の皆さんありがとうございました。
蕎道塾「十割そばを打つ」
8月4日蕎道塾に神指芳裕さんを講師に迎え“十割そば”を学びました。
十割そば打ちは皆さんとても興味があるようで、定員24名がすぐに満員になる盛況。
最近は十割そばと言いますが、蕎麦の世界では「生蕎麦(きそば)」です。
蕎麦屋の暖簾には下のような字で書かれたものを見たことがあると思います。
“きそば”と読みます。ただし、そこの蕎麦は十割かどうかはわかりません。