一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2189   第294回 岩戸句会 3月

2021年03月07日 | 

湯豆腐に鶯まだか問うており    裕

蒸蛤とぶっきらぼうな目玉焼き

 

列島をゆさぶりながら春一番    炎火

春一番オットセイ族蠢きぬ

 

料峭や仄かに草の匂ひあり     さくら

早春賦ハモった頃の若かりき

 

春一番革靴ステッキ濡れ布巾    豊春   

春一番大島初島歪みけり 

 

陽の匂ひ残したままの毛布かな   沙会 

料峭やブランコ一つ揺れもせず

 

歩む季も踵を返す余寒かな     鯨児

冬の果て何やら散るや死の都

   

お互いに生き延びましょう山笑う  稱子

春愁や息でしめらせ眼鏡拭く

 

料峭也窮屈退屈痩我慢       凛

料峭や他人のやうなパスポート

 

門前の沈丁花咲きカラス鳴く    空白

老人臭初めて感じた冬の風呂 

 

窓ガラスぴかぴかにして春が来た  洋子 

草萌えや和菓子抹茶でもてなさん

 

料峭や電車まだ来ぬ無人駅     貴美 

ポリバケツ転がって行く春一番 

 

どこまでも送ってくれる春の月   歩智 

蕨摘むころんでもころんでも

  

風光る水切り石の飛びきりし    薪

封筒に点字ふつふつ梅咲けり

 

取れ立てを鍋一杯にひじき煮る   パピ

光る風長い長い影作り

  

鴉の巣小枝落とすあわてんぼう   一煌

 春一番ドスンと幹騒がしや

   

料峭や電車まだ来ぬ無人駅     貴美 

ポリバケツ転がって行く春一番 

 

だんご喰うずつなしきめて春炬燵  光子

立春や白髪染めたら出かけよう

 

人影のまばらなる街春浅し     イヨ

蕗の薹鼻歌交じりに一つづつ

 

春一番合格絵馬を嘶かす      雲水

探梅や縄文系の黒き髪


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