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一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

15   露の世は露の世ながらさりながら

2010年09月25日 | 

 この句を初めて読む人は、どういう意味なのか、作者は何を言おうとしているのか、全く分からないかもしれない。

 朝日が昇れば蒸発して消えてしまう短い命の「露」。宇宙誕生から百五十億年、地球誕生から四十億年、人類誕生から三十万年。そういう時間からすると、人間の命などないに等しい。人生八十年の時代になったが、八十年など「あっという間」なのだ。そういう「露の世」

 作者は、「そんなことは分かっているよ、よく分かっているけれども、さりながら・・・・・納得できない」と言っている。何故か。

実は、作者は、小林一茶、息子を亡くした時の句なのだ。この句を

吾子死せり露の世ながらさりながら

とすれば、読者は理解できるのに、そうしなかった。この省略が俳句の奥深いところであり、人間一茶の非凡を示している、とも言えるだろう。


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