一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2221  山気満つ蜩繁き伊豆の森    豊春 

2021年08月08日 | 

 山気(さんき)とは、日本国語辞典によると、➀山中に生じる気。山中特有の冷え冷えとしてつめたい空気。➁山間の靄・霧。③山酔い(高山病)➃山気(やまき、やまけ、やまっけ)山師のような気質、 投機や冒険を好む気質、とある。この句の場合は、当然➀であろう。

 ヒグラシ(蜩)は、鳴き声からカナカナとも呼ばれる。漢字表記は蜩、茅蜩、秋蜩、日暮、晩蟬などがあり、俳句では秋の季語とされるセミのイメージがあるが、実際には梅雨の最中の六月下旬頃から七月にかけて発生し、ニイニイゼミと同じく、他のセミより早く鳴き始め、九月中旬頃までほぼ連日鳴き声を聞くことができる。鳴く時間帯は、普通早朝と夕方に鳴くが、箱根などの高地では昼間も鳴いている。つまり、涼しいのが好きなのだ。

 ヒグラシの鳴き声を、寂しい、悲しい、切ない、と感じられるので、映画やテレビなどでは「夏の夕暮」を表す効果音としてよく用いられる。

キンミズヒキ(金水引)

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