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一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2057  聞く耳を持たぬ爺いへ春の雷

2019年05月08日 | 

 5月1日、令和という新時代が始まった。どんな時代になるのやら、私としては期待より不安の方が大きい。東南海や関東を襲う大地震、スーパー台風などの自然災害。日本を取り巻く国々、ロシア、中国、韓国、北朝鮮、そしてアメリカの動向、リーマンショック並みのドイツ銀行の倒産が囁かれている。

 5月6日は立夏。暦の上、俳句の上ではもう夏である。そして、長かった10日間の連休が終り、いつもと何ら変わらない日々が始まった。

スイバ(酸葉)

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2054 たんぽぽの綿毛とばして願うのみ 洋子

2019年05月02日 | 

   タンポポ(蒲公英)の種は、冠毛(綿毛)が付いていて、風に乗って遠くに飛ばすことで子孫を残している。最近は、日本たんぽぽより西洋たんぽぽがはびこっている。

  さて、願掛けは、神社、仏閣、教会などでするのが一般的であるが、作者はタンポポの綿毛を飛ばして願掛けをしている、という。それは単に、タンポポの種が根付くことを願っているとも受け取れるが、そうではなかろう。

  作者の願いが何か、さっぱり分からないが、「願うのみ」という言葉に、作者自身の強い願いがあると考えるべきだろう。そして願う以外に、成す術がないのだ。

キエビネ(黄海老根)

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2053  今日よりも若い日はない春の虹  健二郎

2019年04月19日 | 

 「思い立ったが吉日」というが、70才を過ぎて大学に通い始めた元コント55号の萩本欽一さん。えらいねえ。つまり、何かを始めるのに、自分の年を考えたらダメだ、ということらしい。

 私も、何か新しいことを始めようかな、とは思うものの、陶芸、俳句、テニス・・・・・実際、やりたいことを見つけるのが大変だ。

鮮明だったが余りに近すぎ、木々に隠れて全体像は見られなかった春の虹

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2051  畑道の静けさ破りすみれ咲く  イヨ

2019年04月11日 | 

 本来、音の無い世界を「静か」、という。しかし、もう少し解釈を広げて形や色にも使って良いかもしれない。この句のように、風もなく穏やかな景色に使っても良いのだ。

「静か」を辞書で引くと、1 耳ざわりな物音や声がしないさま。ひっそりしているさま。2 目につく動きがなく、ゆったりとしているさま。慌ただしくないさま。3 落ち着いているさま。気持ちに動揺や乱れがないさま。穏やか。4 性格がおとなしく、口数が少ないさま。

静けさを破るのに、可憐なスミレを選んだ作者の心情に、私は共感したい。

路上に見たことのないものが生えていた。キノコらしいので、持ち帰って調べてみた。どうせ食べられないだろうと思っていたが、桜の咲く春に生えるキノコで、間違いなくアミガサタケ(編笠茸)だ。非常に美味だ、という。早速炒めて食べてみた。芳香もあって、まあまあかな。余ったのは、乾燥させて再び水に戻して使えるらしい。

 

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2049  春嵐微動だにせず父母の墓    海人

2019年04月03日 | 

 この句を「墓が春嵐に微動だにせず」なんて当り前のことじゃないか、と解釈したら、少しも面白くない。しかし墓は、父母の眠る墓である。そこで私は、作者の意図を考える。

 「微動だにせず」は、墓に掛かるのではなく、父母に掛かっているのではないか。ということは、本来「微動だにせず父母」終止形ではなく「微動だにせぬ父母」連体形でなければならない。

 しかし、「微動だにせぬ父母」に直せば良い、と言っているのではない。この句のままで良いのだ。何故なら直してしまうと、読者から考えることを奪ってしまうからだ。

スノードロップ

雪が融けて滴り落ちる「雪の滴(しずく)」君は素敵な名前をもらったねえ

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2047  草々に冠なさる彼岸雪

2019年03月24日 | 

(くさぐさに かんむりなさる ひがんゆき)

 今朝6時に起きて、庭を眺めてびっくり。「暑さ寒さも彼岸まで」というし、我が家の山桜も開花宣言したというのに、テラスや草々などにうっすらと雪が積もっていた。

 雪は、あっという間に融けてしまったが、我が家の花畑は、ムラサキハナナが満開で一番の自己主張。少し薹の立ったフキノトウ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、シャガも咲き出した。あちこちに草花の新芽が出始めた。山桜と共に春満開が近づいている。

彼岸雪

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2046  惑星の火山灰なり春耕す

2019年03月16日 | 

 菜の花、チンゲン菜、小松菜、白菜を食べ終わり、そのあとの春野菜のために堆肥、肥料を投入し耕した。そして種をポットに蒔いた。

畑の表土は、真っ黒だが深いところの土は赤い。関東ローム層の火山灰土だろう。関東ロームとは、関東地方西縁の富士山・箱根山・愛鷹山などの諸火山、北縁の浅間山・榛名山・赤城山・男体山などの諸火山から関東平野に降下した更新世中期以降の火山砕屑物やその風成二次堆積物の総称、だそうである。

又、関東ロームは毎年0.1 - 0.2mm、100年で1cm - 2cm、1万年で1m近く、現在でも積もり続けている、という。従って、縄文土器が地下1mから発掘されても全く不思議ではない、ということ。

ヒュウガミズキ(日向水木)

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2045  天金の聖書を開く春の雷

2019年03月15日 | 

 先日、TBSの「ひるおび」の気象予報士の森さんの予告通り、雷が鳴った。夏と違い、春雷は子供の雷君のようで、音も小さく可愛い感じ。

ところで、「ひるおび」は、6年連続で同じ時間帯で視聴率トップの7.1%だという。私も視聴する一人だが、第一に、森さんの天気予報が面白い。第二に、レポーターの山本君と川添さんが可愛い。但し、惠は人の話を遮ってしゃべり過ぎるから面白くない。

 さて、「天金」とは、製本で天小口に金箔やイミテーションゴールドを貼り付けること。現代では少なくなったが聖書や全集、手帳などでみられる。

うめえなあ(お前の梅干)

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2044  白鷺の微動もせざる菜種梅雨

2019年03月11日 | 

 湯河原海浜公園のテニスコートに行くとき、千歳川沿いの桜並木で、デンちゃんと散歩をする。道路下の土手には、町の人々が育てている菜の花が満開である。

 さて、先日岩に乗っている白鷺を見つけた。じっと動かず水面を見ている。コサギ(小鷺)より大きく、アオサギと同じくらいの大きさだった。そこで、帰って調べてみた。

白鷺とは、ペリカン目サギ科のうち、ほぼ全身が白いサギ類の総称であり、シラサギという名前のサギがいるわけではない。全身が白色のダイサギ・チュウサギ・コサギ、カラシラサギ(数少ない旅鳥)アマサギ(冬羽は全体に白い)も入れられることがある、という。写真を撮らなかったので種類は特定できないが、ダイサギかチョウサギだろう。

 

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2043  切株の溢るる樹液涅槃西風

2019年03月10日 | 

(きりかぶの あふるるじゅえき ねはんにし)

 日本中のあらゆる道路には、電線、電話線が張り巡らされている。それらを守るために、当然のように樹木が伐採される。先月、私が毎日散歩する近所の道路の木々が、500メートルにわたり伐採された。

 早春のこの時期木々は、花芽や葉芽を出すため、根からごうごうと音を立てて、養分、水分を、全ての枝先まで送っている。その木々が根元から伐られ、大量の樹液が行く場を失い切り株から流れ出る。

 私達人間の罪悪は、戦争、殺人、窃盗、強姦、放火、詐欺などの犯罪だけにとどまるものではない。

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2041   探梅や人の寿命と樹の寿命    洋子 

2019年03月06日 | 

 樹木の寿命を調べてみた。実際、計測が難しく、現在生きている木は、年輪を見るわけにもいかず、いつまで生きるかが分からない。

 柿、桃、栗、葡萄、蜜柑、林檎などは、実らなくなると伐採されるから分らない場合が多い。大概の樹木は、2~300年は生きるらしい。実際は、ほとんど正確に分かっていない、というのが事実 のようだ。

柿、桃、栗    50年

染井吉野     60年

葡萄       70年

ブナ、栃の木   80年

温州みかん    80年

林檎       141年

お茶       200年

松        500年

欅、楠、杉   1000年

アメリカセコイア4000年

屋久杉      7000年

ヨーロッパトウヒ9550年・・・・・すごいねえ

3月 壺中庵の料理

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2040   早春や八十五才の足袋脚絆    豊春

2019年03月05日 | 

(そうしゅんや はちじゅうごさいの たびきゃはん) 

脚絆は、ゲートル、巻脚絆とも言う。西洋では、レギンス、スパッツなどとも。脛を保護し、砂や小石の侵入を防ぎ、長時間歩行時のうっ血を防ぐ。江戸時代から旅人に使われているが、特に近年軍隊生活の必需品として発達した。現代では農作業や登山などに使われる。

 さてこの句、元気で健脚な高齢者の登山姿、例えば、先日南米アコンカグアの登頂を目指した三浦雄一郎さんなどを想像するのが、普通かもしれないが、句会の私は、なんと棺に納められた祖父に巻いた足袋と脚絆を想像してしまった。

壺中庵、お品書き、春寒し

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2039  高気圧又低気圧花曇り  沙会

2019年03月03日 | 

 高気圧と低気圧が、せわしなく交互にやって来る季節になった。中国からやって来た冬の季語である「三寒四温」が、日本の2,3月の春の気候にぴったりなのだ。

「三晴四雨」という春の季語があっていいかもしれない。但し、この1週間の天気予報を見ていると、「二晴二雨」がより近く、寒気団の南下と南岸低気圧の通過がせわしない。

オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)

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2038   虎よりも菫のやうな国がいい  正宏

2019年03月01日 | 

(とらよりも すみれのような くにがいい)

 戦後70年の2015年1月1日から、東京新聞と中日新聞の朝刊1面に、1日1句として掲載してきた「平和の俳句」は、金子兜太氏の、悲惨な戦争体験から生じた平和への強い希求に賛同した、いとうせいこう氏との二人の発案によって始まった。この3年間の投稿総数は、13万1288句に及んだという。

 更に元をたどれば、このブログの1888回に書いたが、「梅雨空に九条守れの女性デモ」の句を三橋公民館が掲載拒否したことに、兜太氏が疑念を感じたのが発端だったらしい。

 さてこの句、「平和の俳句」に選ばれた一つであるが、人類のほとんどが平和を望んでいるにもかかわらず、国家の代表となった政治家達は、どういう訳か争いを望むようだ。結局国民も、彼らを選挙で選びかつ容認しているのだから、不思議でならない。

ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)

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2036  咲き満ちて万作日和となりにけり

2019年02月26日 | 

 マンサクは、万作、満作、金縷梅とも書く。語源は、春になって「まずさく(先ず咲く)」からきている、という。

 我が家のマンサクは、苗木を植えてからたぶん15年以上は経っている、と思う。樹高は、10mにもなるというが、唯今5メートルは越えたようだ。

マンサク(万作・満作・金縷梅)

 

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