プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

2012年を振り返って

2012-12-31 19:30:50 | インポート
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 今年も大晦日になりましたが、
 個人的には、無事一年を過ごせてよかったなと、
 ありがたく思っています。
 よくよく考えると、ここ十数年、かなりあちこちに行き、
 フィールドに出まくっていますが、よくもまあ無事で無傷で過ごせてるな、
 我ながら奇跡的なことかもしれないな、という思いで振り返っています。
 ツアー業務も、おかげさまで今年も無事故で過ごすことができました。

 また、個人を越えた、世の中とか日本社会というレベルでは、
 年々、混乱しためちゃくちゃな時代になってきているなと思います。
 やはり3.11と原発事故の影響はこれから数十年、尾を引くだろうな
 と思いますね。
 ここをどう乗り越えていくのか。

 関西ではもう、
 3.11のことは忘れちゃってる雰囲気になっていますね。
 というか、「なかったこと」のようになっています。

 「なかったことにしたい」という人間的願望が
 真実を包み隠すような空気感を作り出し、
 真実を語ることより空気を読むことを塗り重ねてゆく結果、
 本当に「なかったこと」のようになる。
 日本のお家芸のひとつです。
 だけどそれがものすごい閉塞感にも繋がっています。
 なぜならそれが既得権益者の思うツボにも直結し、
 新しい変革を阻害することになるからです。

 しかし少し前にボランティアで行った東北や三陸海岸では
 もっと閉塞感を覚えました。
 大震災と津波による被害だけならば、
 「東北の魚介類や野菜をみんなでガンガン食べて応援しようぜ」
 という機運が巻き起こり、国を挙げての一大キャンペーンとなって
 今頃大いに盛り上がっているはずのところが、
 放射能汚染の危険性により、全くそうなっていないのが原因です。
 復興といえどどう復興していいのか分からない状態が続いています。
 ぼくの目線からすると、とんでもない閉塞感でした。

 原発という絶望。

 来年はいい年になりますようにと願う気持ちと裏腹に、
 政治経済界も、マスメディアもすべて、
 既得権益者の術数にはまってしまっている日本社会は、
 今後もなかなかいいようには変わっていかないように映ります。

 政治経済や国や自治体には全く期待できない現実を
 ここまで目の当たりにさせられてきたとなると、
 結局、個人なのですね。
 個人がいかに新しいヴィジョンを見いだし、
 面白く生きていくことができるか。
 そこにかかってくると思います。
 個人。あるいは個と個との繋がり。
 それは意志次第でどのようにも変えられるわけですから。

 となると、逆に言うと面白い時代になってきていると言えるかもしれません。
 そう考えると、来年も頑張っていこう!! という気になってきます。


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ファー・ウェスト

2012-12-31 17:36:25 | インポート
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 地球も角度を変えて見ると、
 こんな水の惑星になる。
 こっちもまた、世界の真の姿だ。

 地球ではなく、水球。
 この環太平洋世界の中では、
 日本はファー・イーストではなく、
 ファー・ウェストとなる。

 この角度から見る地球の姿が大好きだ。

 この角度からの地球をイメージしただけで、
 大洋を渡ってゆく貿易風とか、
 白いヒゲを見せるコククジラの回遊とか、
 島々の沖合に浮かぶアウトリガーカヌーとか、
 リーフの外側で群れをなして泳ぐバラクーダの群れとか、
 溶岩が海に流れ落ちてゆく火山島とか、
 海水と魚を空高く巻き上げる海上竜巻とか、
 深海からの湧昇流とともに運ばれるウナギとか、
 沿岸で越冬するハクトウワシとか、
 水の惑星の自然の脈動のイメージが、
 脳裏を駆け巡っていてもたってもいられなくなり、
 旅情をかき立てられ、
 カヤックトリップに出なきゃいかんなやはりカヤッカーたるものは、と、
 そういう気分になってくる。

 心の深海に眠る水の惑星の原風景のイメージソフトを解凍し
 じわじわ起動させるような旅はカヤックにしかできないのだから。


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