プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

アースデイイベント 神島ゴミ調査2

2011-04-26 18:04:12 | インポート
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 (前回の記事・神島ゴミ調査1に引き続いての記事です)

 さて、今回も参加者の皆様に、当日感じたこと、思ったことを感想として書いていただきました。ありがとうございました。なお、今回はちょっと帰着後バタバタしていたせいか、ぼくのブリーフィングがまずかったせいか、あるいはポカポカ陽気で気持ち良すぎたせいか、正直言ってイマイチ突っ込んだ感想を引き出せなかったのが反省点です。もちろんこれはこちらの落ち度で、至らなく思っています。面白いのはゴミの量が人によって「思ったより多かった」「思ったより少なかった」と意見が分かれるところです。
 一応ここに記しておきます。(前回のご感想はこちらhttp://blog.goo.ne.jp/islandstream/d/20091106)

 Aさん:沿岸からであろう飲食物のゴミが多く驚いた。陸と海との繋がりを改めて認識させられた。自分自身の生活動作の見直しも考えねば。

 Bさん:一昨年に続いて2回目の参加です。今年は思ったほどゴミもなく、浜が最終的にきれいになりました。今日もまた、楽しく過ごせました。ありがとうございます。また誘ってください。

 Cさん:今回のクリーンアップは21名でのメンバーで、気持ちよく行うことができました。浜にはありとあらゆるゴミが流れ着いていて、集めたらきりがないのですが、年一回はこうしたクリーンアップは必要だと思いました。集まったゴミは総重量91.5kgとかなりのもので、思ったより多かったのでは? 主に軽いペットボトル、カン、ビン、ナイロン・・・、土に還らない物を主に集めることにし、数時間でしたが楽しくでき、ありがとうございました。また来年よろしくお願いいたします。

 Dさん:クリーンアップツアー、初めて参加しましたが思っていた以上に生活ゴミが漂着していたので驚きました。日常のポイ捨て等のゴミも最終的には海に行くと思われますので、街のゴミから意識して拾っていくなどしたほうがいいなと思いました。今後も積極的に参加したいなと思います。

 Eさん:ツーリングとしては短い距離でしたが、多くの人たちと漕ぐ事ができてとても貴重な時間を過ごさせていただきました。さて、クリーンアップの作業については以下の点が気になりました。
 ・ビニールや発泡スチロールが多い
 ・ペットボトルや空き缶などの飲料水もたくさんあった。
 総じての感想は陸で発生したゴミが川を経て海へ流れ着き、出口がない状態でウロウロしている様が分かりました。今後はコンビニ等のビニール袋をできるだけもらわないようにし、ゴミを減らしたいと思います。

 Fさん:今日、クリーンアップ活動をしてみて初めての経験だったので考えさせられることも多かった。小さな無人島にこれだけのゴミが流れ着いたということは、日本規模にしても想像しただけでこわいなと感じた。カヤックで楽しめ、なおかつ少しきれいにできて気分もよくなりました。またこのような機会がありましたらぜひ参加しようと思います。今日はありがとうございました。

 Gさん:ゴミの収集量を見て、夏場の深刻なゴミ増加量が予想された。ゴミの最終的な行き先は海であり、海に出たゴミは世界を旅する。一国のゴミ問題は他国にも影響することが分かった。生活ゴミ、特に食品系が多い。

 Hさん:天然記念物の島に渡れて非常に貴重な体験ができてよかったです。様々なゴミがありましたが予想よりは少ない感じがしました。他に流れ着いているのでしょうか?色々ありがとうございました。

 Iさん:今回は二度目のカヌーでしたが天気も良く気持ちがよかったです。島の雰囲気も最高でした。ゴミ拾いという意義のあることもできて満足です。また機会があれば参加したいです。

 Jさん:狭いエリアにもかかわらず、多くのゴミに驚きました。来年も参加したく思い、こういう活動が広がる事を期待しています。

 Kさん:天気もよく、最高でした。ゴミ意外と少なかったです。このようなイベントをどんどん企画してください。ありがとうございました。

 Lさん:微力ながら、自然の役に立てたことに喜びを感じる一日でした。

 Mさん:本日は飛び入り参加させていただき、本当にありがとうございました。シーカヤックでのイベントも初めてで、とても楽しかったです。近くに住んでいても神島に上がることはないので、とてもよい体験ができました。これからもこのようなクリーンアップのイベントなど頑張ってください。

 Nさん:神島すごく穏やかでピースフルでした。一日中いたいです。

 Oさん:思ったよりもゴミが少ないというのが実感でした。ジュース、コーヒーの缶などが散乱しているイメージがありましたので、これも人が立ち入らないせいなのかと思いました。

 Pさん:今回、神島でのゴミ調査はシーカヤックならではの目線でクリーンアップキャンペーンに協力できたことにとても意義を感じました。普段上陸禁止されている島に自力で漕いで渡り、調査をする事でそこで見るゴミについてより関心を抱くように思います。実際、一歩進む度に幾つも拾えてしまうゴミの量に驚きました。これらは自分が捨てたゴミではなくても自分が直面している現実です。まずはそれを他人事と思わず受け入れること、そしてゴミの無い綺麗な海岸となるよう思いを参加者として発信することが大事だと思いました。アースデイイベントとして多くの参加者と共にアクションを起こすことでより効果的に思いを現実に反映させることができると思います。自分にとってシーカヤックの新たな可能性を発見できた貴重な体験でした。有難うございました。


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アースデイイベント、神島ゴミ調査1

2011-04-26 17:33:30 | インポート
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 アースデイイベントとして去る4月24日(日)に開催しました天然記念物の島・田辺湾神島のゴミ調査&クリーンアップイベントはおかげさまを持ちまして無事終了しました(イベントの趣旨、テーマについての詳細はこちらhttp://homepage3.nifty.com/creole/kasimasoujitour.htm
 前線通過後で西風が強くなるかなと心配しましたが、意外と風も吹かず、薫る春の潮風を感じながらの心地よい1日となりました。参加された19名の皆様と田辺市教育委員会の方、ご協力ありがとうございました。

 いつも言っていますように、シーカヤックでは人の入ってこれない海岸線に容易にアプローチできるのですが、その野生の景観の素晴らしさを実感すると同時に、潮の流れによってゴミが多量に漂着している浜も多いことにも気づかされます。ないところには全くないのですが、あるところには嫌というほどたまっています。「一体なんでこんなところに?」とまず疑問に思うのですが、海岸漂着ごみのほとんどは、誰かがその場でポイ捨てしたものではなく、どこかから流れ着いてきたものです。

 実際は直接海洋や海岸に投棄されたものよりも、陸から発生して行きついたものが大半を占めます。水は川を伝って低きに流れ、やがて海にたどり着くように、ポイ捨てや風に舞う、など何らかの形できちんと処理されなかったゴミも、雨水を介して大部分海にたどり着きます。特に台風や梅雨末期の集中豪雨などが毎年毎年必ず起こる日本では、ぼくらが思っている以上にゴミは川を流れ、海にたどり着く確率が高くなります。
 そして海は、出口なしのゴミ終着駅となります。
 そうして溜まったゴミが国境を越え、行き交い、
 あるゴミは海面をただよい、あるゴミは海底に沈み、
 はたまたあるゴミは海岸線に漂着し、著しく景観を損ねます。

 「太平洋ゴミベルト地帯」と呼ばれる場所がハワイ北部沖に存在するのはご存知でしょうか?その面積はなんとアメリカ・テキサス州の2倍ほどもあると言われています。ちょうどロハス雑誌の「ソトコト」の最新号でもそのトピックが取り上げられていました。海と陸とは繋がっていて、海には国境が存在しない。ひとつの悪い意味での結果がそれなわけですね。

 海ゴミ問題は今や大きな地球環境問題のひとつとされています。
 なお、地球環境問題には社会情勢を背景とするトレンド・流行りってやつがあるのですが、ここんところしばらく「温暖化問題」がトレンドでした。そこで二酸化炭素を排出しない原子力発電の価値がフィーチュアされ、その周辺の産業や権益によって経済が回っていく大きな流れが形成されていましたが、この福島原発の大事故により、またトレンドがシフトしていくように思います。
 しかしこの海ゴミ問題はトレンド云々に関係なく、メジャーもマイナーもなく、世代間に渡って存在し続けます。
  
 というわけである意味、拾っても拾っても全く意味をなさないといいますか、
 発生源を断たなければどうしようもないというわけですが、
 まずは、「いつ」「どこに」「どんなごみが」「どの程度」存在するのか、
 知る必要があります。
 
 アイランドストリームではNGO組織の「JEAN/クリーンアップ全国事務局」の活動にリンクして海岸ゴミを拾いつつ、どんなゴミがどれくらいあるのか、を調査しています。全国各地さまざまな場所で春と秋に同様のイベントが開催され、その結果が事務局に集められ、さらに全世界で行われた結果がアメリカにある組織に提出されます。そうすることによって世界の中の日本、日本の中のこの海域、という具合にゴミの傾向がわかり、また発生起源を分析し、対策を打っていくことも可能となってくるわけです。
 チリが積もってゴミベルトができたように、逆にチリのような努力も積もればパワーになる。
 世代や国境を越えていく問題っていうのはその意識がなければ始まらない。
 そういう考え方を根底に持ちつつ、楽しみながらの活動です。

 というわけで前置きが長くなりましたが、今回も神島に渡ってゴミ調査&クリーンアップを行いました。日本で最初にエコロジーという概念を提唱した南方熊楠という天才博物学者が天然記念物に指定するよう働きかけた神々しい島。特にゴミがガンガンたまっているサンプルってわけでもないのですが、そこそこゴ漂着している。何よりアースデイイベントとして、エコロジーってものを考えるにふさわしい場所として今回もここを選んだというわけです。

 さてさてどんなゴミが漂着していたか。
 ほとんどが食品のパッケージ関係のゴミでしたね。
 半永久的に分解されない石油製品のゴミ。
 たぶん田辺湾から外にを出ると、黒潮に乗ってやってきた異国的なゴミが多いのだろうけれど、
 田辺湾の奥で、対岸が田辺市に面している神島の浜では、
 生活系のゴミ、特にスーパーの袋類のゴミが多くなるように思いました。
 今回は91.5キロのゴミをゲットしました。
 (前回のレポートはこちらをご参照ください。http://blog.goo.ne.jp/islandstream/d/20091106

 今回の多かったゴミの順は下記のとおりとなります。
 
1 食品の包装・容器       368
2 プラスチックシートや袋の破片 245 
3 飲料用プラボトル       164
4 発泡スチロール破片(1m?未満)140
5 硬質プラスティック破片    126
6 発泡スチロール破片(1m?以上)117
7 プラスティック袋(農業用以外)64
8 苗木ポット          55
9 飲料ガラスびん        53
10 ふた・キャップ       52
11 飲料缶           41
12 ロープ ひも        38
13 生活雑貨          27
14 紙片            26
15 おもちゃ          25
16 釣りえさ袋・容器      21
17 タバコのパッケージ・包装  16
18 食器 わりばし       16
19 漂白剤・洗剤類ボトル    14
20 農薬・肥料袋        1421
21 紙袋            13
22 家電製品・家具       11
23 ストロー・マドラー     11
24 くつ サンダル       11
25 スプレー缶 カセットボンベ 9
26 荷造り用ストラップバンド  9
27 ウキ・フロート・ブイ    6
28 漁網            5
29 自動車・部品(タイヤ・バッテリー以外)5



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