マーケティング研究 他社事例 635 「拡大する赤字と破産1」 ~大恐慌を招くリスク~
2007年~2009年の金融危機の後、世界経済に不均衡とリスクが広まりましたが、さらに政策の誤りがそれに拍車をかけました。
各国の政府は金融崩壊とその後の不況から明らかになった構造的問題に取り組むことなく、問題を先送りしたのでした。
そのため景気に大きな下振れリスクが生じ、新たな危機が不可避となっていたのでした。
今、まさにその危機が訪れていると言えるのではないでしょうか?
リスクは前回以上に深刻化しつつあります。
目下の「グレーター・リセッション(金融危機後を上回る大不況)」は、今年は緩やかなU字形の回復に向かうかもしれません。
それでも残念な事に、今後10年以内にはL字形の「グレーター・ディプレッション(世界恐慌を上回る大恐慌)」が訪れてしまうという研究者もいます。
その大恐慌の要因として10の事柄が挙げられています。
第一に、各国の赤字と、そこから派生するリスクである債務とデフォルト(債務不履行)です。
新型コロナウイルス感染症がもたらす危機に対処すべく、各国政府は財政赤字を大きく膨らませました。
GDP(国内総生産)に対して約10%以上の増大となっています。
多くの国では公的債務が以前から、維持できないほどではないにせよかなり高まったいたのは事実でした。
さらに悪い事に、多くの家計や企業でも所得が減少してしまうでしょう。
民間の債務も維持が不可能な水準にまで増え、デフォルトと破産が多発する恐れがあります。
公的債務水準の上昇と相まって、景気の回復は10年前の大不況後以上に停滞するかもしれません。
第二の要因は先進国における人口動態の時限爆弾です。
新型コロナウイルス危機は、公的支出をもっと医療に振り向けるべきことを明確にもしました。
国民皆保険制度や関連する公共財はぜいたくではなく、必要なものであることも明らかになりました。
しかし、先進国では大抵社会の高齢化が進んでいるため、今後こうした支出に資金を手当てすると、債務をさらに拡大することに繋がってしまいます。
これらの国の医療や社会保障制度は今日既に資金不足に陥り、潜在的に負債を抱えています。
第三の問題は世界的なデフレリスクの増大です。
今回の危機は景気を後退させるだけではなく、財と労働の市場に大量の余剰を生み出します。
(機械や生産能力が使われなくなり、失業が大幅に増えると予想)
石油や工業用金属など商品価格の下落も進みます。
この結果、負債デフレの可能性が高まり、返済不能に陥るリスクが増大します。
※負債デフレとは、企業の物的資産の価値が減り、逆に企業が抱える負債の大きさが増大することになります。その結果、企業の債務負担が増大、企業の投資活動の抑制や、経済停滞が発生し、景気の悪化に拍車をかける事になります。
第四の要因は貨幣価値の下落です。
各中央銀行がデフレと戦い、債務が大量に積み上がった後の)金利の上昇を避けようとするため、金融政策はますます非伝統的で広範なものになっていきます。
各国政府は短期的には、景気後退とデフレを避ける為、財政ファイナンスを必要とします。
※財政ファイナンスとは、中央銀行が政府の発行する国債などを直接引き受けることです。
しかしやがて、脱グローバル化の加速と保護主義の再燃により負の供給ショックが常態化し、スタグフレーションが不可避となってしまうかもしれません。
※スタグフレーションとは、景気停滞 stagnationと物価上昇 inflationを組み合わせた造語です。景気の停滞にもかかわらず、一般物価水準が継続的に上昇している状態の事を言います。
第五の問題は、経済におけるデジタル・ディスラプション(デジタルによる創造的破壊)の拡大です。
数えきれないほどの人々が職を失い、あるいは働いていても収入が減るため、21世紀の経済における所得格差と富の格差はさらに拡大していくという考え方です。
先進国の企業は今後起こり得る供給網の寸断に備え、製造拠点をコストの安い海外からコストの高い国内へと回帰させる動きが始まっています。
この動きは国内の労働者のためになるよりも、自動化を加速させ賃金の下げ圧力となります。
その結果、ポピュリズムとナショナリズム、外国人への憎悪をさらに助長してしまう事でしょう。
(続く)
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、風土改革を軸にした「私の職場研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。ITソフトメーカー、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
2007年~2009年の金融危機の後、世界経済に不均衡とリスクが広まりましたが、さらに政策の誤りがそれに拍車をかけました。
各国の政府は金融崩壊とその後の不況から明らかになった構造的問題に取り組むことなく、問題を先送りしたのでした。
そのため景気に大きな下振れリスクが生じ、新たな危機が不可避となっていたのでした。
今、まさにその危機が訪れていると言えるのではないでしょうか?
リスクは前回以上に深刻化しつつあります。
目下の「グレーター・リセッション(金融危機後を上回る大不況)」は、今年は緩やかなU字形の回復に向かうかもしれません。
それでも残念な事に、今後10年以内にはL字形の「グレーター・ディプレッション(世界恐慌を上回る大恐慌)」が訪れてしまうという研究者もいます。
その大恐慌の要因として10の事柄が挙げられています。
第一に、各国の赤字と、そこから派生するリスクである債務とデフォルト(債務不履行)です。
新型コロナウイルス感染症がもたらす危機に対処すべく、各国政府は財政赤字を大きく膨らませました。
GDP(国内総生産)に対して約10%以上の増大となっています。
多くの国では公的債務が以前から、維持できないほどではないにせよかなり高まったいたのは事実でした。
さらに悪い事に、多くの家計や企業でも所得が減少してしまうでしょう。
民間の債務も維持が不可能な水準にまで増え、デフォルトと破産が多発する恐れがあります。
公的債務水準の上昇と相まって、景気の回復は10年前の大不況後以上に停滞するかもしれません。
第二の要因は先進国における人口動態の時限爆弾です。
新型コロナウイルス危機は、公的支出をもっと医療に振り向けるべきことを明確にもしました。
国民皆保険制度や関連する公共財はぜいたくではなく、必要なものであることも明らかになりました。
しかし、先進国では大抵社会の高齢化が進んでいるため、今後こうした支出に資金を手当てすると、債務をさらに拡大することに繋がってしまいます。
これらの国の医療や社会保障制度は今日既に資金不足に陥り、潜在的に負債を抱えています。
第三の問題は世界的なデフレリスクの増大です。
今回の危機は景気を後退させるだけではなく、財と労働の市場に大量の余剰を生み出します。
(機械や生産能力が使われなくなり、失業が大幅に増えると予想)
石油や工業用金属など商品価格の下落も進みます。
この結果、負債デフレの可能性が高まり、返済不能に陥るリスクが増大します。
※負債デフレとは、企業の物的資産の価値が減り、逆に企業が抱える負債の大きさが増大することになります。その結果、企業の債務負担が増大、企業の投資活動の抑制や、経済停滞が発生し、景気の悪化に拍車をかける事になります。
第四の要因は貨幣価値の下落です。
各中央銀行がデフレと戦い、債務が大量に積み上がった後の)金利の上昇を避けようとするため、金融政策はますます非伝統的で広範なものになっていきます。
各国政府は短期的には、景気後退とデフレを避ける為、財政ファイナンスを必要とします。
※財政ファイナンスとは、中央銀行が政府の発行する国債などを直接引き受けることです。
しかしやがて、脱グローバル化の加速と保護主義の再燃により負の供給ショックが常態化し、スタグフレーションが不可避となってしまうかもしれません。
※スタグフレーションとは、景気停滞 stagnationと物価上昇 inflationを組み合わせた造語です。景気の停滞にもかかわらず、一般物価水準が継続的に上昇している状態の事を言います。
第五の問題は、経済におけるデジタル・ディスラプション(デジタルによる創造的破壊)の拡大です。
数えきれないほどの人々が職を失い、あるいは働いていても収入が減るため、21世紀の経済における所得格差と富の格差はさらに拡大していくという考え方です。
先進国の企業は今後起こり得る供給網の寸断に備え、製造拠点をコストの安い海外からコストの高い国内へと回帰させる動きが始まっています。
この動きは国内の労働者のためになるよりも、自動化を加速させ賃金の下げ圧力となります。
その結果、ポピュリズムとナショナリズム、外国人への憎悪をさらに助長してしまう事でしょう。
(続く)
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣