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マーケティング研究 他社事例 643 「対策後進国日本2」 ~顧客、取引ごとにリスクを採点~

2020-09-23 09:18:53 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 643 「対策後進国日本2」 ~顧客、取引ごとにリスクを採点~


EATFでも推奨されているこの手法は、取引先全体に一様なマネーロンダリング防止策を講じるのではなく、リスクの高い取引に絞るというものです。

重点的に人的リソースを配分することで全体のリスクの低減につなげられ、従来よりも効率的かつ実効性があるとされます。

システム開発会社はリスクベース・アプローチの考えをマネーロンダリング防止システムに取り入れ始めています。

それを具現化したものが、顧客ごとのリスクを評価する「スコアリング」です。

マネーロンダリング防止システムが約70の金融機関に採用されているシステム会社のSCSKは2019年4月、従来の機能にスコアリング機能を追加しました。

これまで、マネーロンダリング防止システムの主な機能は「フィルタリング」と「モニタリング」でした。

フィルタリングは新規口座を開設する際などにブラックリスト(反社会勢力、テロ組織員、資産凍結措置対象者、海外政府高官など)に載っていないかを照合することです。

モニタリングは過去の不正取引例などを基にリアルタイムで取引状況を監視し、不正利用や疑わしい取引を検知します。

新たに加わったスコアリングの機能は、顧客ごとにリスクを評価し、その数値を算出します。

得点は実際とは異なりますが、スコアリングのイメージは以下の通りです。

ある外国人が、「口座を開設して欲しい」と支店を訪れたとします。

職業は政府高官です。

この時点で「顧客属性」の中でリスクが高いとして90点が付きます。

出身は北朝鮮で、「国・地域」でリスク高として90点、依頼があった取引内容の海外送金も「商品・サービス」で90点、対面での手続きだったとして60点。

これらのスコアを傾斜配分した総合得点は87点で80点以上はリスクが高いとして、厳格なモニタリングを実施することになります。

公認アンチマネーロンダリング(AML)スペシャリストである、SCSK金融システム事業部門に所属する赤坂氏は、マーケティング研究642の冒頭の四国の地方銀行の件について「スコアリングをして適切な運用を行っていれば、不正送金は防げたのではばいか?」と指摘しています。

点数設定では国家公安委員会が毎年公表している「犯罪収益移転危険度調査」を参考にします。

リスクベース・アプローチを実践する方法として、AI(人工知能)を活用する例もあります。

スコアリングが主に取引フローの前半で機能しているのに対し、AIは取引の後半に威力を発揮します。

国内で初めてAIを採用したマネーロンダリング防止システムを取り入れたのが三井住友銀行です。

2017年、システム会社SASと共同で構築しました。

マネーロンダリングの疑わしい取引に関してAIが届け出の要否を判定したうえで、その根拠を示して当局へ報告する作業をサポートします。

システムで検知した疑わしい取引を監視する一連のモニタリング業務は、人の力に頼っている面が大きく、金融犯罪に詳しい人材が不足する中、専門人材の確保が金融機関にとって課題でした。

それを克服するための切り札がAIとなる訳です。

まず過去の取引履歴などを学習したAIが、マネ―ロンダリングの可能性が高いと検知し、「過去に届け出履歴のある相手先への送金で、現金出金頻度も急激に増えている」などと根拠が示されています。

これを基に専門担当者が調べて当局に報告するかしないかを最終判断します。

従来、専門調査員が時間をかけて一つひとつの取引を調査し、当局に届け出るという膨大な仕事を手作業で行っていました。

もちろん最後には人の目を通して判断しますが、AI導入によって少ない労力と時間でも効率的にできるわけです。

SASの担当者は「業務量は4割程度を削減できる」と説明します。

銀行側は、高い得点、低い得点が出た取引については示された根拠を確認するだけで当局への届け出の可否を判断し、一方、中間の得点に関しては、時間をかけて詳細に調べるといった調査に濃淡を付けることが可能になりました。

AIがはじき出した評価をどこまで信用して良いのかなど、人の判断との間でどこで線を引くのかが難しいといった課題はあります。

しかし、マネーロンダリング防止に対する国際的な規制強化の流れは待ったなしで、AIを活用したリスク分析は今後重要性を増すに違いありません。

現在日本は、マネーロンダリング対策後進国とも言われます。

デジタル通貨の利用が本格化すればその手口はますます複雑になるだけに、テクノロジーを駆除した万全の対策が求められています。



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 



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