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マーケティング研究 他社事例 631 「名門の衰退」 ~レナウンが民事再生手続きへ~

2020-09-02 08:41:47 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 631 「名門の衰退」 ~レナウンが民事再生手続きへ~


衣料品の嗜好や販路の変化に対応出来なかったレナウンは2019年12月期まで2期連続で最終赤字に陥っていました。

次の一手が見えず、再建は難しいとの見方が業界で広がる中、新型コロナウイルス禍が最後の一押しとなってしまい、2020年4月の売上高が前年同月比82.8%減となり、資金繰りに行き詰まりました。

レナウンがかねて出遅れを自覚していたのがECです。

ECや月額定額制サービスなど実店舗以外に衣料品を手に入れる多様な方法が出て来ており対応しきれなかったという事です。

売上に占めるEC比率は2019年12月期で3.2%、一方で百貨店経由は6割弱でした。

停滞する販路に頼る構造は、ビジネスモデルを変えられなかったレナウンの経営を象徴しています。

それでも2018年にはスーツの月額定額制の貸し出しサービスを開始し、2019年秋に実験的に立ち上げた婦人向けのEC専用ブランドはなかなか好評だったようです。

自社ECで直接売るため小売店に利益を中抜きされず、消費者から見るとコストパフォーマンスが良く、様子を見て徐々に増やしていこうとしていました。

しかし、徐々に増やす手当てでは遅かったという他ありません。

アパレル大手、アダストリアのEC比率は21%(2020年2月)でした。

そして、4月の売上高が前年同月比68.3%減とレナウンに比べ減少幅が小さかったのです。

店舗の多くは休業しましたが、EC支えた格好です。

オンワード樫山はEC比率が17%でTSIホールディングスも21%で、レナウンの出遅れは際立っていました。

レナウンがデジタルにかじを切れなかった一因に同社株式の議決権の過半をグループで持つ中国の山東如意科技集団の存在がありました。

3月の定時株主総会では就任から1年に満たない社長と会長の取締役再任が山東の反対で否決されています。

山東子会社にレナウンが販売する繊維原料の売掛金を回収出来ていない事態も伝わりました。

グループ経営の体を成していない中、傘下の事業会社が経営改革に踏み出すのは難しい状況です。

過去の成功体験も足を引っ張った言えます。

ブランドを生み出す力に長け、有名ゴルファーの名を冠した「アーノルドパーマー」だけで年間約700億円を売り上げた事もありました。

ラジオやテレビへの広告をいち早く取り入れ、CMソング「ワンサカ娘」で社名を大々的に広告し、広く認知するきっかけにもなりました。

時代を先取りしたM&A戦略で1990年にイギリス紳士コートのアクアスキュータムを買収しました。

「レナウンの歴史はファッションの歴史」

とホームページには記されています。

しかし、成功モデルを引きずるあまり、試着や色の確認が必要なアパレルはネット通販との親和性が低いという通説に長く居座ってしまったと言えます。

新型コロナウイルスは消費者の生活習慣を一変させています。

衣料でも購入する手段や支出に占める割合から、デザインや機能への好みさえも劇的に変えかねません。

変化に慎重になった時点で生き残れないという教訓をレナウンは業界に残したと言えます。


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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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