おや? なんだろう? おもしろいね~ と自然に笑顔になり、楽しんで取り組みたいですね。 まさしくそれは彩りですね!!

卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

マーケティング研究 他社事例 611 「AIと雇用と可能性と人間社会との共存 3」 ~運転常識の再構築とは~   

2020-07-30 08:13:57 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 611 「AIと雇用と可能性と人間社会との共存 3」 ~運転常識の再構築とは~


「倉庫や病院、工場などのような限定された場所での自動運転は、シンプルで構わない。」

「だが、身近な道路で実現するとなると、目的地までの運行は、地面に設置されるバーコードを自動車が常時読み取り、車が自ら状況変化に対応できなければならない。」

「そのため公道で運転する場合、実用化の課題は技術面に加え、インフラの再構築も必要になる。」

「結果として、自動運転に影響を与えないよう、人間が道路で自動車を運転することが禁止されるかもしれない。」

「不合理ですぐに気が散る人間が運転しない条件下であれば、自動で道路を巡行するタスクがより簡単になる。車の運転の常識を大きく組み直す必要があるだろう」

自動運転同様、必ずしもすぐには実現できないとみられていたものが機械翻訳です。

こちらもグーグル翻訳の進歩で、急速に実用的になりつつあります。

オズボーン教授はどう見ているのでしょうか?

「機械翻訳では、1つの言語で書かれた文章を他言語に自動翻訳するアルゴリズムを使う。長い間、それがアルゴリズムにできると信じられていなかった。」

「信じないことが不合理なわけではない。我々の言語は曖昧な要素を含み、言葉に込められた多くの文化的なニュアンスは、アルゴリズムには置き換えにくい。」

「だから、グーグル翻訳のようなサービスの登場には本当に驚いた。ビッグデータや、脳の神経回路にような仕組みを持つ機械学習アルゴリズムがこうしたサービスの成功を大いに支えている。」

「グーグル翻訳は豊富な文例データにアクセスできる。その1つが、国連の公式文書だ。国連の公式文書は、同じ内容を6言語で利用できる。グーグル翻訳は、文書に蓄積された2000億単語にアクセスし、6言語に翻訳できる」

ですが、だからといって6か国語の公文書データによる翻訳が万能なわけではありません。

「グーグル翻訳に何が出来て、何が出来そうにないかはっきりさせよう。」

「文学翻訳のように、文章に繊細な言葉遣いや文化的ニュアンスを含んだ、例えば言語化出来ない経験に裏打ちされた理解が必要な部分を、機械が翻訳することは難しい。データドリブン手法で、人間の翻訳家の技を再現できるかどうかは、定かではない」

自動運転にせよ機械翻訳にせよ、膨大な利用者情報を握るGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)といったプラットフォーマーが先行しています。

特定企業が革新的技術を握ることに懸念はないのでしょうか?

「歴史的に、革新的な技術は常に政府の監視下にあった。巨大なハイテク企業でさえ、規制から逃れられるとは思えない。新しい科学技術は、常に政治的な形で実現している。大切なのは誰が革新的技術を開発するかより、その技術が、本当に人類が望み、必要とするのかどうかだ。科学技術は私たち人類の力を超越した、制御不可能な力を我々に与えるものではない。確認することが重要だ」

(続く)


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マーケティング研究 他社事例 610 「AIと雇用と可能性と人間社会との共存 2」 ~完全自動運転化~

2020-07-29 08:11:06 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 610 「AIと雇用と可能性と人間社会との共存 2」 ~完全自動運転化~


自動運転の実現性やその社会的影響についてオズボーン教授は示されています。

「いわゆるチャットボットや日常的な会話を担えるアルゴリズムを作ることはたやすい。しかし予測可能な限りの未来ではまだ、(駆け引きの必要な)交渉、説得、指導などは、人間にしかできない。シンギュラリティ(技術的特異点)は、AIが本格的に人の知的思考や作業を全て出来る時と定義できると、私は考えている。」

「これは、一笑に付せるほど非現実的な話ではない。知性とはそもそも生物というハードウエアで実行する『計算アルゴリズム』だ。そう考えれば、アルゴリズムに人間同様の知性を取得できるわけがない、と言い切れる根拠はない。」

「もっとも、すぐに実現しそうだとも思えない。人間並みの知性を達成するまでの障害を考えると、容易ではないことが沢山ある。膨大なデータのインプットで鍛える以外に、アルゴリズムを革新する方法は何か。」

「これは難しいテーマだ。そこで、AIがいつどこまで進化するかの議論はいったん置き、未来社会にAIがもたらす課題を予測したい、今、人が担う単純労働がAIに自動化されることで世の中は変わる。現代社会に真の変革を起こす可能性があるのは間違いない」

単純労働の消滅に加え、AI技術の進化によりオズボーン教授がとりわけ早期の実現を見据えるのは、自動運転です。

「自動運転は、AI革命の形を明示する技術だ。自動運転タクシーについてはその是非が長年議論され、実験も続く。」

「アメリカのアルファベットの傘下にある企業ウエイモは、自動運転タクシーサービスの公道実験でリードしている。画期的な技術である。」

「しかしそれでもなお、ある程度の人間の監視が必要な状態だ。私は、少なくとも予見可能な未来では、『いつ』ではなく、『どこ』で自動運転が実現するかに焦点を置くべきだと考える。」

「アメリカのアリゾナ州チャンドラー市が実験場所に選ばれたのは、単純な運転環境が確保できるからだ。道路が車や歩行者であまり混雑していない。天候が適度に安定し、地方政府も実験に協力的だ。実験が成功するよう手助けすらしている様子だ。」

「チャンドラー市に限らずどこかの地方で、自治体が喜んで道路を設計し直し、かつ地元の運転手が協力的なら、自動運転をより早く実現できそうだ」

アメリカや中国で先進的な社会実験が進む自動運転ですが、実現する日は、場所によるという訳です。

では場所を問わず、自動運転が普及するのはいつでしょうか?

そこまでいくには、技術的側面に限らず様々な課題をクリアする必要があります。 

(続く)



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マーケティング研究 他社事例 609 「AIと雇用と可能性と人間社会との共存 1」 ~意思決定もAIに代替えされる!?~

2020-07-28 08:35:45 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 609 「AIと雇用と可能性と人間社会との共存 1」 ~意思決定もAIに代替えされる!?~


「アメリカの全雇用の約47%がコンピューターによる自動化で10年から20年先に失われるリスクにさらされている」

2013年にこのセンセーショナルな内容を世界に披露した、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授はベイズ機械学習の専門家としてAI研究の最先端を追って来ました。

雇用の未来、AIの未来とはどういったものなのか?

オズボーン教授の話を以下の通りです。

「AIが持つ潜在的な可能性は、実に変革的だ。AIはまず『意思決定の独占権』を人類から奪う・そもそも巨大で複雑なシステムの中で人間が全てを知るのは不可能である。しかし、アルゴリズムには限界がない。全システムからデータを取れる。アルゴリズムはどの人間より情報通になり得る。これにより意思決定を人間だけに頼る事で生じていた様々な問題が、解決に向かう事は明らかだ。そのため多くの組織は、アルゴリズムをうまく活用し、これまで人間が作ってきた仕組みを再考し始めている。歴史をひもとけば、人間だけがやってきた多くのタスクが、次々と技術で自動化されてきた。だが、アルゴリズムやAIはただ単に人間に取って代わるだけではなく、これまでにない利便性を提供する。私たちがここ数年注目してきたものの一つは、電子商取引で消費者が買いそうな商品を薦めてくるAIだ。消費者の膨大な購買データにアクセスできるアルゴリズムで、人の販売員より、良い提案をするようになってきている。こうした状況を踏まえれば、AIによる変革は、単純労働だけが人から置き換わるわけではない。意思決定や微妙な判断すらAIに取って代わられる。定型的な情報処理は最初に置き換わりそうだ。バックオフィスの仕事や、税理士や会計係の仕事の一部も置き換わるとみていい」

オズボーン教授のいう事通りなら、AIによって職を失う人が続出し社会が混乱するのは避けられません。

しかし歴史を振り返ると、それでも技術革新は社会に普及してきました。

オズボーン教授は言います。

「かつて社会の支配者は、技術革新に積極的に反対した。古い例として、1589年のイギリスのエリザベス1世による抵抗がある。繊維工場のウイリアム・リーが開発した機械を使用禁止にしたのだ。女王は、機械が平均的な労働者の仕事を奪い、政治が不安的になるのを嫌った。これは、様々な歴史を通じて、驚くほど共通してみられた現象である。為政者は国家の崩壊を懸念し、技術が人の仕事を奪うのを許さなかった。だがそうしている間に。アフリカ大陸が発見され、社会に変化が起きた。新しい貿易の機会が開かれ、新興の商人階級に政治力が移った。商人や実業家は、技術導入に反対する勢力に対抗するため政治力を高めていった」

新大陸の発見による取引機会の拡大によって得られた民間の経済力の高まりが、社会の意思決定のゲームチェンジャーになり、技術革新の実用化につながったというわけです。

では新大陸がもはや存在しない現代では、痛みを伴う技術革新の導入には歯止めがかかる可能性はないのでしょうか?

「現在のAIの技術革新の状況は、歴史上の多くの出来事に当てはめることができる。恐らく一番似ているのが、18世紀に起きたイギリスの産業革命だ。産業革命では、まず紡績業が自動化され、後に蒸気機関車などの自動化手段が導入された。これらは社会に変革を生み出され、社会はとても豊かになった。だが、機械の素早い導入は労働者にとっては不都合であり、多くの人が反対した。18世紀に紡績業で新たな技術が導入された時は、労働者からの抵抗を政府が鎮圧した。暴徒を遮断するため、軍も派遣した。フランスのナポレオンと戦うより、技術導入に対する反対勢力の鎮圧を優先した。スムーズな機械導入の背後に強力な政治力があった。機械が導入された後、労働者の収入は40年間低迷した。イギリスのリバプールやマンチェスターのような労働者が集中する主要都市では、多くの労働者の平均余命が31~32歳と短命化し、世界平均より10年も短くなった」

しかし、そうした状況は次第に変わっていきます。

技術革新は長期的には社会全体にメリットをもたらすからです。

「流れが変わったのは、機械が生み出した富が社会全体で共有され、平均的な労働者も利益を得るようになってからだ。労働者を守る規則の影響もあり、人々は、技術がヒトカラ労働を奪うのではなく、人間にできないことを補完したり、つらいことを代わりに担ってくれたりすることを理解した。機械の導入は、長期的には人に新たな機会をもたらし、幸福につながると納得した。AIでも同じだろう」

もっとも、技術革新が人類にもたらす恩恵を享受するには、個人として技術変化の波に乗り、過渡期を乗り切らねばなりません。

つまり労働力としてAIに勝たねばなりません。

では人間がAIに勝てそうなこととは何でしょうか?

オズボーン教授は、社会的な知性は最も難度が高いとしています。

社会的な知性とは、交渉や説得なを示します。

「21世紀は、AIが人間の仕事を覚えていく時代になりそうである。逆に言えば、AIは、人間ができる全てを出来るようにはならない。人間らしさは備わらないだろう。アルゴリズムでは、人類を根本的に理解することはできない。例えばAIが、葬儀社のような共感が必要なサービスができるとは思えない。こういった仕事では、個別対応と心のこもったケアを最優先する方が、理に適う。加えて人間的な認知、型にはまらない創造性や独創性を使う仕事もAIには難しい」

(続く)



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マーケティング研究 他社事例 608 「変化対応力を高める仕組み3」 ~不確実性とリスクを分けて考える~

2020-07-27 14:08:01 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 608 「変化対応力を高める仕組み3」 ~不確実性とリスクを分けて考える~


結論めいた事を言いますが。

不確実なビジネス環境では、変化をセンシング(察知)し、シージング(事業機会の捕捉)し、さらにトランスフォーミング(変容)するという3つを迅速に出来る力が必要です。

これこそが、組織や経営者が現状のまま利益を最大化しようとするのではなく、変化に応じて自己変革し、付加価値を創る力だと言えます。

すなわち、それがダイナミック・ケーパビリティという事です。

とはいえ、経営者は変化に俊敏に対応すると同時に効率も追求しなければなりません。

デビット・ティース教授は経営者が環境変化に俊敏に対応するには、『不確実性』と『リスク』の違いを理解すべきとしています。

「①ビジネス環境の不確実性は、乱世混乱、過当競争といった中で現れる。イノベーションと相互依存関係がそれに拍車をかける。技術革新やビジネスイノベーション、そして政治的イベントが起こす不確実性は、切り抜けるのが難しい。②不確実性とリスクは違う方法で切り抜けるべきだ。リスク対応のツールは不確実性に対応するうえでほとんど役に立たない。例えば金融市場のリスクは、ツールの設計や金融契約、ヘッジなど従来型のリスクマネジメント強化で対処できるが、不確実性には必ずしもできない。③破壊的な変化にさらされた時に企業が最初にすべきは、変化の源がリスクなのか?それとも不確実性なのかを見極めることにある。リスクなら、組織変革によるトレードオフに耐える必要はないかもしれず、ダイナミック・ケーパビリティを使うこともさほど重要ではない」

デビット・ティース教授が言うには、つまり同じ環境変化でもリスクについては、日常的なマネジメントや経営ツールで予測的にシステムで対応し、厄介な不確実性にはダイナミック・ケーパビリティを駆使して立ち向かうという事です。

これが効率的で俊敏な環境対応という訳です。

不確実性とリスクの切り分けに優れた経営者としてデビット・ティース教授は、ソフトバンクグループの孫会長を挙げ『私のヒーロー』とまで言って褒めています。

「例えばソフトバンクグループの孫正義会長が立ち上げたビジョンファンドは、素晴らしいパフォーマンスを上げている。ああした形で、大企業でも創造的に活動することはいくらでも可能だ。孫会長は、バークレーの卒業生だ。私にとっては、アメリカのテスラ創業者であるイーロン・マスク氏に並ぶ、ヒーローのような存在だ。経営者として非常に大胆な意思決定ができるところが素晴らしいと思う。話はそれるが、彼の育ってきた道のりもユニークだ。在日韓国人故に日本では居心地が悪かったようだが、バークレーでは出自など誰も気にしなかっただろう。またバークレーでは、かなり変わった人間にさえ、変と言われるぐらいに考えよう、と背中を押す校風がある。とはいえそもそも発想が貧困だったら、イノベーティブにも起業家的にもなれない。バークレー出身の人間は、孫会長を誇りに思っている。彼の特徴の一つは不確実性への向き合い方だ。彼はいつもあがいている。直感的で特に分析的でもない。が、それこそが不確実性への正しい向き合い方だ。将来に対して分析的になるのは無理だ。マネージャーは常に、新しい発明に対してそろばんをはじき、収益率を極めようとする。実際は、良く分からないものだ。不確実性が高ければ高いほど通常と違うマネジメントスタイルが必要だ。私は、孫会長の経営スタイルが気にいっている。運に恵まれた側面もあるが、ビジョンファンドがあることがプラスに働き、各ビジネスのエコシステムにある重要な要素をまとめ、相互に補っている」

デビット・ティース教授は、一層先行きが国際政治の混乱が、国際的なビジネスにも一段と不確実性をもたらすと懸念しています。

「世界は今、歴史を逆戻りしていると思う、ネオ技術国家主義と呼べるようなものが世界が直面している試練により引き起こされている。冷戦時代、世界はソ連ブロックと西洋ブロックに分かれていたが、似た状態に向かいかねない。報道されているように、中国とアメリカがいわゆるデカップリングを起こしている」

国際的な知的財産保護のルールの下でイノベーション力を構築する国々と、ルールを回避して技術を取得しようとする独裁的な国々との間で発生するガバナンスの祖語は、長く続けば、多国籍企業の戦略も変わらざるを得ないと思われます。

これを、デビット・ティース教授は『バリューチェーンのデカップリング』と呼んでいます。

「このままでは国際経済の『二股のガバナンス』とバリューチェーンの『デカップリング』により世界のシステム同士が協力しなくなる。アメリカは中国からデカップリングしているが、かなりスピードが速い。世界的なイノベーションのネットワークが、再編を求められるだろう」

しかし、デカップリングという不確実性を乗り越えた企業は、新しいステージに向かうのではないでしょうか?

デビット・ティース教授は「アメリカと中国のデカップリングは日本にとってチャンス」と断言しています。

世界が分断され、これまでにない変化が企業を見舞う時代に、ダイナミック・ケーパビリティ理論を生かした組織の『センシング(察知)・シージング(事業機会の捕捉)・トランスフォーミング(変容)』は、今後ますます注目されていくに違いありません。


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マーケティング研究 他社事例 607 「変化対応力を高める仕組み2」 ~一匹狼を支えよ~

2020-07-25 10:29:45 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 607 「変化対応力を高める仕組み2」 ~一匹狼を支えよ~


確かに、自動運転技術、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)など新しいキーワードが次々と生まれている自動車業界は今、最も変化の激しいカテゴリーです。

「自動車業界では、技術だけではなく、ビジネスモデルの変化も起こっている。違ったタイプの変化が同時に起こっている」

EV(電気自動車)、自動運転車、コネクテッド・カー、個人の移動手段という4つの項目に着目し、現在の自動車業界と比較し、技術、ビジネスモデル、市場がどれほど異なるかを考えてみます。

技術はもちろん現状とかなり距離がありますが、ビジネスモデルもEV以外ではかなり異なります。

市場も現状と似ているのは自動運転のみで、あとの3つは既存とは別の新たな市場が生まれると言えます。

自動運転が生み出す新たなビジネスモデルには、既存の自動車メーカーのビジネスモデルから多少変化するだけでは対応できず、またコネクテッド・カーが新たに生み出す市場も、小手先の対応では参入出来ません。

どうすれば勝てるのでしょうか?

「日本企業は、新たな変化を起こす「チャンピオン」を出現させ、支える必要がある。出る杭は打たれるという日本のことわざがある。たたかれるのが嫌だから、日本人はあまり目立ちたがらない傾向がある。変化にうまく対応すると、いやでも目立つから、周囲とは違った人間に見えないようにする。突出した才能を認めたがらないのは日本の文化かもしれない。しかしこれから日本人は、意識的に多様性を受け入れ、他の人間と発想が違う過激な人を受け入れるべきだ。変革者を難民にしてはいけない。ヒーローとして扱うべきだ」

「多様性は大々的に受け入れよ、という訳ではない。周囲とは違う発想で現状打破を試みる人間に対して、心地よい場所を与えればよいのだ。英語でも、マーベリック、一匹狼、という言葉がある。発想の違う人間のことを、我々は一匹狼と呼ぶ。これまで日本でが、発想のまるで違う「一匹狼」の足を引っ張り、自分が理解できる、受け入れられる程度のレベルにまで引きずり下してきた。しかし今後むしろ支えるべきだ。」

デビット・ティース教授の共著論文『Innovation,Dynamic Capabilities,and Leadership」では、不確実な環境に強い6つのリーダーシップ原則を挙げています。

予測、挑戦、解釈、意思決定、調整、学習の6つです。

「当然ながら、リーダーの『予測』力や『挑戦』する力が、組織の変化対応力を確固たるものにする。フランシスコ法王はカトリックを守りつつ、現実を見て既存の組織のあり方に挑んでいる。もっとも挑戦には正確な予測が必要で、現状を正しく『解釈』することが欠かせない。デュポンCEOだったチャールズ・ホリデー氏は、いくつかの現象から2008年の景気後退のサインを読み取った。まず日本の顧客のキャッシュフローに問題が起こった。アメリカのデラウエア州にあるデュポンのホテルで異様に稼働率が低かった。さらにデトロイトの自動車メーカーが、納期通りに生産計画を出さなかった。この3つから、「まもなく異変が起きる」と解釈したのだ」

しかし、どれだけ先を見通しても「意思決定」が出来なければ意味はありません。

「手本となるのが例えばチリの鉱山相ラウレンス・ゴルボーン氏だ。2010年8月、銅鉱山が崩壊し、700m下に33人の作業員が閉じ込められた。絶望的な状況で、ゴルボーン氏は多様な選択肢を並べ、救出に乗り出し成功した。」

「そして調整と学習だ。ネルソン・マンデラ氏は1994年に南アフリカ大統領に選ばれ、最初は大企業を国有化しようとした。だがスイス・ダボスの世界経済フォーラムで世界のリーダーから民営化がいいと諭されると、長年の社会主義理念を自ら変え、個人と市場の自由化を学んだ」

リーダーが6つの原則を守り、一匹狼を許容し支える空気が生まれれば、その組織は、ダイナミックケーパビリティの実践で必要なシージング・センシング・トランスフォーミングを必ず高めて行くそうです。

(続く)


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