To be continued.

                   
アイリスの気ままに紡ぐダイアリー

図南の翼 : 読む者には至福の旅!

2005-10-21 21:08:07 | 読書
NHKのアニメ 「十二国記」 にハマっていたが、本を読むのは初めて♪

いかに鵬翼に乗っているとはいえ、昇山の旅は困難を極める。

主人公は “珠晶” 12歳の少女。この娘が・・・・・・?

27年間、王のいない恭国の、
豪商の末娘、贅沢なお嬢さん暮らしをしている。
生意気というか利発というのか、勝気で物怖じせず、自信満々な態度。

白い豹のような騎獣 <孟極> 白兔(はくと)に乗って、昇山する。

今まで持っていた十二国記のイメージと違う。

自分の存在や生き方に疑問や迷いを抱いている人物が多い中、
この子は12歳にして、自分の進むべき道が分かっている。

人徳なのか神のご加護なのか・・・巡り合わせで、強い味方がふたり。

“利広” 奏の生まれ 正体不明   騎獣 <スウグ> 星彩(せいさい)
“頑丘” 柳の生まれ 黄朱(猟戸師) 騎獣 < ハ ク > 名前は無い 

漢字がぁ・・・・・・難しい漢字、多過ぎ。

覚悟はしていても、黄海の旅は過酷極まりない。

黄朱の助けが無ければ、とても蓬山へは辿り着けない。

黄朱は妖魔の民。故国は黄海。
王に支配されない代わりに、国の施しを受けない。
妖魔が跋扈する人外の土地にも里木があり、そこを故郷としている人々がいる。

同じ朱民でも朱氏(しゅし)と剛氏(ごうし)では立場が違う。

しかし、妖魔の襲撃から身を守り安全に旅をするには、彼らから謙虚に学ばないといけない。

珠晶 は「自己のために他の血が流される」ことを容認出来ない。

頑丘を慕いながらも途中で決別して、敢えて別の道を進む。

その後、さまざまな困難を乗り越え、王とは何たるかを学んでいく。

珠昌はもともと王の器量を持ち合わせているのだと思う。
他の妖魔さえ恐れる、大物の妖魔<朱厭>を倒してしまうし。

最後に、珠昌の本心が明かされる。

「国を背負うなんてこと、あたしにできるはず、ないじゃない!」

「あたしは子供で、国の難しい政のことなんて何にも分かりゃしないわ。
黄海に来て、自分の身一つだって人の助けがなければやっていけないのよ。
・・・・・・あたしが本当に王の器なら、こんなところまで来なくたって、麒麟のほうから迎えにくるわよ!」

そうそう・・・私もずっとそう思いながら読んでいた。向こうから来るはずって。

珠昌も、もちろん分かっている。

「義務だと思ったからよ!」 と。。。

「誰かに王になって欲しかったのよ。いくらなんでも、十二の子供が王さまに慣れるわけないでしょ。
そんなことがあったら、笑っちゃうわよ。」

黄海で王の器量が試される。

それを確認する旅が、王になるには必要不可欠だったのだろう。

利広が 『珠昌は蓬山に辿り着ければ、王になる。』 と言ったのはそういうことなのだと思う。

出迎えに来た麒麟に、いきなり平手打ちする王、いいかも!

ところで、犬狼真君って、更夜?どこかで聞いた名だ。
アニメのどこかで出てきたような・・・

珠昌も供王として出ているみたい。
記憶に残っていなかった。

この巻を読むと《騎獣》の魅力に取り付かれるね。
飼い慣らせたら、スゴイなぁー