五ヶ山ダム視察後、久しぶりに「小川内の杉」に会いに行った。するといつもと違う光景が。ご神木の前はいつの間にか整備され、公園が出来ていた。この日、数人の業者の方が仕事をされていたが、殆ど工事は終了していた。聞くと、昨年末に着手されたそうで、施工管理は佐賀県吉野ヶ里町。そこには、今はダム湖に沈んでしまった「小川内地区」の歴史が紹介されていた。福岡市の水不足を理由に進められた五ヶ山ダム建設によって失われてしまったもの、移転を余儀なくされた「小川内地区」の人々の思いなど、いつまでも忘れずに語り継いでいくと書かれていた。思わず熱いものがこみ上げてきた。
実は、ここで環境調査員の方から五ヶ山ダムの最新状況を聞くことができたのだが、「小川内の杉」については、ようやく根が伸びてきたとのことだった。移植から来月で2年になるが、ついにご神木は根付いたのだ。冬場は葉が赤くなっていたが、それは健康な証拠だった。心配していた子供杉も異常なく、3本とも元気とのことだった。もう心配はないだろう、このまま根が順調に伸びてくれれば。
ところで、那珂川町は今年10月の市制施行記念として、「小川内の杉」の前の道路に桜を植えて、桜通りにするという。それで、現在、植樹オーナーを募集している。オーナーになった人の名前は看板に刻まれる。今月11日に竣工した五ケ山ダムに多くの人が訪れるきっかけになればと、実施されたものである。
ここ五ヶ山は、春になると山桜が美しい。かつて「小川内の杉」が鎮座していたすぐそばに、それは立派な桜の木があった。残念ながら、すでに水の底に沈んでしまったが。桜通りにするというのなら、あの桜も「小川内の杉」と一緒に移植してほしかった。
撮影日:2018.3.10
ついに根付いた
よく頑張ったね
公園完成
五ヶ山ダムで水没した「小川内地区」の歴史が紹介されている
看板の画像を拡大
小川内集落 涙が出るほど懐かしい、写真左端(道路沿い)にうどんやさんがあった、、
大野集落 写真左が坂本峠 よく通った道
水没した「小川内地区」(左が小川内集落、右が東小河内集落)
この道路(写真右)が桜通りに
今から2年前の春
山桜が咲き誇る中、斜面移動が行われた
この桜も一緒に、、
《関連資料》
・那珂川町HP。市政施行記念 五ヶ山ダム周辺記念植樹事業【オーナー募集】