「いくさんのお部屋」つぶやきNo.3

日頃の何気ない日常をつぶやいています。

ツクモグサと野口健・赤座美代子さんに出逢った八ヶ岳

2007-06-22 18:56:56 | 登山
八ヶ岳では何もかもがうまくいき、とても楽しかった。まずはツクモグサの群生を見られたことが一番よかった。おまけに梅雨時なのに、天気がおおまかには良かったこと。そして、偶然オーレン小屋でテレビの撮影に遭遇したこと。何だかとても得をした気分になったような、盛りだくさんの山行きとなった。
一番の目的は、横岳周辺のツクモグサを見ることだった。この花を知ったのは昨年の「山と渓谷」の6月号に「6月の八ヶ岳花紀行」というのでツクモグサが紹介されていた。冬の八ヶ岳しか知らない私は「へぇ~、こんな花もあるんだ」と、見てみたいものだと思った。それまで八ヶ岳がお花の宝庫だなんて知らなかった。
しかし昨年は梅雨時には行けなくて、お盆に一人で観音平から北横岳まで歩いた。お花は素晴らしかったが、ツクモグサは影も形もなかった。ウルップソウは花が落ちた残骸だけが、残っていた。当たり前のことだが、とても残念だった。ますます、ツクモグサへの思慕は強まって来ていた。
このときから、心の片隅にいつもツクモグサとウルップソウが住みついてしまい、いつか咲いているのを見てみたいと焦がれていた。そして、梅雨の時期が近づいてくると、天気と開花日が気になり、ネットで情報を収集していた。
報告など見ていると、だいたい6月の初めにツクモグサを見たというのが多い。しかし、硫黄小屋のHPでは今年は開花が2週間程遅れているという。自然は毎年同じように繰り返されているのだが、全く同じということはまずない。一番いい時期に登りたいと思うのだが、当たり外れもある。2週間遅れの開花情報を信じて、計画を立てた。最初天気は晴れマークだったが直前に曇りマークに変わってしまった。それは仕方がないこと。桜平の登山口では、どんよりとした雲を恨めしげに眺めていたが次の日は朝御来光が見られた。ほんとうに、ラッキーだった。今回の山行は、この「ツキ」が最後まで付いていた幸せな山旅だった。
お花に関しては、桜平までの車道では真っ赤なレンゲツツジが満開。横岳周辺のツクモグサは、いっぱい咲いていた。他にもキバナシャクナゲ、ミヤマカタバミ、シロバナエンレイソウ、チョウノスケソウ、オオヤマノエンドウ、ウラシマツツジ、コメバツガザクラ、ミネズオウ、イワヒゲ、イワウメ、ヒメイチゲ…とあげればきりがない。小屋も空いていて登山者も少なく、静かな花紀行だった。桜平からの入山も3時間で硫黄岳に登れるのも魅力的だ。
もう一つのおまけは、下山で通りかかったオーレン小屋での出来事だった。相棒の自称晴れ女のハレさんが、行くときに見ていたお土産用の手彫りの登山靴のキーホルーダーが欲しくて小屋の中に入った(本当は素通りするところだった)。そこにいたおじさん(実はオーレン小屋の社長)が「もうすぐ、テレビの撮影で野口健が来るよ」という。ハレさんが、「見て行こう!」「どうせ下でどっかで泊まるんやから、ここで泊まらへん」とかなりミーハーな意見。同じくミーハーな私も、同意して泊ることにした。
お陰で、夕食は凄い御馳走(馬肉のすき焼き、山菜の天ぷら、鹿肉のソーセージと薫製、酢の物、煮物など)で食べきれなかった。これはいつもの食事だということで撮影用ではないですよと言われ、なおビックリ。山小屋の食事で食べきれないというのは初めてのことだった。
そして、カットされていなければ、食事風景で私たちもテレビ出演をしたと思う。8月18日土曜日の関西は大阪放送の、7時から9時の「土曜スペシャル・達人と行く旅」で放映されるらしい。野口さんはイメージ通りの人で、赤座美代子さんは気さくで、とても若く見えた。さすが女優さんと感心したのは、お話が上手で聞き上手。かなり教養のある方とみえた。次の日の硫黄岳登山は、天気が悪いので延期されたようだ。どんな風になっているのか楽しみだ。
下山した私たちは、霧ケ峰高原に向かった。ビーナスラインからの美しい眺望に満足しながら、八島ケ原湿原に到着。車を置いて散策したが、まだここは花の季節には早かった。スズラン、グンナイフウロウ、クリンソウ、アマドコロなど見られた。霧に霞む八島ケ原湿原は、尾瀬を思わせるような美しいところだった。