一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

学生大会での不正

2023-06-13 23:37:38 | 将棋雑記
先日のスマホカンニング事件にはちょっと驚いた。
事の発端は、4日(日)に行われた第79回全日本学生将棋名人戦である。その決勝戦である学生が勝ったのだが、対局中に離席が多く、局後に対戦相手から抗議を受けた。そこで関係者が優勝者の身体を調べたところ、スマホでAIを利用した形跡があり、不正があったと認定された。当然彼は失格。入賞の3名はそのまま繰り上げとなった。
この件、なんと言ったらいいのか。
スマホを使った不正疑惑は、かつてプロの将棋界にもあった。これを教訓として、私たち将棋プレイヤーは、誤解を受ける行動は慎むようになった、はずだった。
それを持ち時間60分の中で何回も離席しちゃあ、それは疑われる。こういう不正をやるときは、いつもと違う行動をしてはダメなのだ。まったく離席せず、例えば第三者とグルになり、アイコンタクトで指し手を伝えるとか、細心の注意を払って行うべきだった。
というのは悪い冗談だが、なんでこの学生はこんなバカなことをやったのだろう。
これ、AIの指し手をカンニングするにしても、正確な局面を入力しなければならないから、けっこう手間がかかる。というか、悪い局面になってから最善手を指しても挽回できない可能性があるから、不正をするなら序盤から行わなければならない。だから離席の回数も多くなったわけだが、(たぶん)トイレの往復時間を考えると、かなりせわしなかったと思われる。そこまでして勝ちたかったのか?
同大会は朝日新聞社の後援ということもあり、優勝者には朝日杯将棋オープン戦に出場できる特典があった。この学生はそれを欲したのだろうか。
ただくり返しになるが、これではバレる。バレない、と思わなかったのが浅はかで、将棋を趣味にしながら、なんでこんな初心者レベルの先読みができなかったのだろう。
ところでこの大会の模様はアマレンの会報誌に掲載される予定だったが、こんなことがあったから、関係者は頭を抱えているという。
だいぶむかしの話だが、お笑い番組に出場したコンビのひとりが、放送前に逮捕されたことがあった。その後この番組は放送されたが、そのコンビの出ている場面は綺麗にカットされていた。
では今回の場合はどうするか。トーナメント表は、該当選手を空欄にするのだろうか。決勝戦と3位決定戦の写真は、該当者にモザイクを入れるのだろうか。
ネットの記事では、この学生への誹謗中傷は慎みください、とあった。だけどそれは無理だと思う。なぜならこの学生は、それだけのことをしでかしてしまったのだから。
この学生と大学には、まだ処分が告げられてないらしい。私だったら重くしちゃうが、日本人には「罪を憎んで人を憎まず」という美徳があるからなあ。執行猶予が付くかもしれない。何に対しての執行猶予か分からぬが。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする