一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

堀女流1級に期待する

2023-06-14 23:47:20 | 女流棋士
きのう行われた第13期女流王座戦二次予選で、堀彩乃女流1級が室田伊緒女流二段に勝ち、初の本戦トーナメント進出を決めた。

図の、銀を取りつつ竜を切った手が強手で、以降も難しいところはあったが、堂々と勝ち切ったのだった。

そんな堀女流1級は2016年8月、女流3級の資格を得た。このとき、LPSAに入会した。
それまでLPSAへの新入会は船戸陽子女流三段の例があったが、新人の入会はなかった。ゆえに、この状態が続けばLPSAの未来は尻すぼみ、と考えられていた。そこにこの朗報だったわけだ。堀女流3級の師匠は、同じ高知県出身の森雞二九段。姉弟子にLPSAの島井咲緒里女流二段がいた。とはいえ、けっこうな決断である。それが分かっているから、堀女流3級の新入会は、全国のLPSAファンに夢と希望を与えたのであった。
2017年3月、堀女流3級は女流2級に昇級し、正式な女流棋士となる。
2019年10月、女流1級に昇級。
ここまではまあ、順調といえよう。しかしその後は停滞し、きょう現在女流1級のままである。
ちなみに2017年3月以降のデビューで、女流初段以上になっている女流棋士は、武富礼衣女流初段から松下舞琳女流初段まで、12名に上る(加藤桃子女流三段、西山朋佳女流三冠を除く)。
女流初段への昇段規定は、年度指し分け(8勝以上)がポピュラーだが、堀女流1級はそれすら達成できなかったことになる。たとえば昨年度(2022年度)は途中まで13勝9敗だった。ところがそれから悪夢の5連敗。まさかの負け越しで1年が終わり、女流初段昇段を逸したのだった(もっともこの時期、堀女流1級は精神的にも肉体的にも、対局どころではなかったから、やむを得ない)。
それと誤解なきよう書けば、私も堀女流1級に指導対局を受けたことがあるが、何度も吹っ飛ばされた。強い将棋だと思った。
服装はいつも黒系で古畑任三郎を想起させ、自宅にはテレビを置いてない、とどこかで聞いた。それだけストイックに将棋に取り組んでいる証でもあるが、それが成績に反映されないのがもどかしい。「女流1級」はいかにも字づらが悪い。
最近の堀女流1級は、大野教室に通い、腕を磨いている。その成果が徐々に表れ、今年度はこの勝利で6勝1敗である。第3期白玲戦・女流順位戦D級では、昇級の目も残している。
堀女流1級は将棋ペンクラブの将棋会にも指導に来てくれ、会員のファンも多い。そんな私たちの期待に応えてくれたら、うれしい。
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