一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

熊坂五段の順位戦復帰の目を考える・13

2015-03-01 00:14:37 | 目を考える
熊坂学五段の今年度の成績は、2月5日対局分まで「14勝10敗」。前年度最終3局の白星を入れると、「いい所取り17勝10敗」となる。
残りの対局はNHK杯と竜王戦のみ。順位戦復帰規定は「いい所取り20勝10敗」や「年度17勝11敗」なので、NHK杯予選で3連勝すれば、文句なくクリアとなる。
そのNHK杯予選は先月中旬から下旬に行われたが、テレビ棋戦ゆえ情報が開示されない。
いやそもそも、NHK杯の勝敗が反映されなくなったのは、数か月前からの熊坂フィーバー?で、テレビ棋戦の勝敗が放映前に類推されるのを将棋連盟が避けたからだ。そのツケがここで回ってくるとは、皮肉な話である。
ネット上では対戦表がバラされていて、信憑性は高いと思われた。対局日は2月19日だったようだ。
この日、熊坂五段が3連勝したなら順位戦復帰だから、さすがに将棋連盟がお知らせをするだろう。それがなかったということは、0勝1敗、1勝1敗、2勝1敗のいずれかで終わったということだ。またそれを裏付けるように、各対戦者のツイッターやブログを覗くと、それらしいことが書いてあった(らしい)。

そこで、以下は仮定の話として書いてみる。だって、このまま4月になるまでじっとしていることはできないもの。
まず、1回戦の大平武洋五段戦(この組み合わせは公表されている)は、熊坂五段が勝ったとする。大平五段がネガティブなつぶやきをしていたので、同五段が「負けた」と素直に考えるのだ。
続いて2回戦の高橋道雄九段戦、これは熊坂五段が負けたのではないか。
これは翌々日の高橋九段のブログで、「教室で拍手が起こった」というくだりと、熊坂五段の無念さ漂うツイッターから、推察できる。
よって、NHK杯予選は1勝1敗で終了、熊坂五段は「今年度15勝11敗」とする。「いい所取り」の星での復帰はなくなり、残るは「年度17勝11敗」の目しかなくなった。繰り返すが、これはあくまでも仮定の話である。
ここまでを踏まえて、今後を考えてみよう。最後の竜王戦6組は、増田康宏四段戦(3回戦)が今月中に行われる。これに勝ったとして、問題はその次だ。
例年では竜王戦4回戦が3月中に行われることはないが、「年度16勝11敗」まで頑張った棋士を、将棋連盟が見殺しにするだろうか。温情で、3月中にもう1局付けてくれそうな気もするのだ。
となればこの4回戦こそが、勝てば順位戦復帰、負ければ引退という、ウ●チが洩れそうな鬼勝負となるわけだ。
ちなみに反対の山は、藤原直哉七段と三枚堂達也四段の勝者となる。
ただしこの対局が実現したとして、見届け役の相手棋士はたまったものではない。フリークラス行きどころの話ではない。相手の引退がかかった大一番なのだ。
だが竜王戦は対局料がいいし、ここまでくれば昇級や本戦トーナメント入りも見えてくる。対局者が周りの状況に惑わされることはないだろう。それにそもそも、この対局自体が「温情」なのだ。
3回戦の増田四段も期待の新鋭で難敵だが、次の対局を付けてもらうには、ここを勝たねば始まらない。熊坂五段はとりあえず、増田四段に勝つことに全力を尽くしてもらいたい。
コメント (4)
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