感染症診療の原則

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Cunhaの異型肺炎

2010-03-30 | 青木語録
肺炎は市中ならビタミンL、院内ならピプタゾ、、といったone pattern診療が目を覆うばかりにepidemic状態の米国ですが、不思議と極めて臨床的な視点を維持しておられるのがBurke A. Cunha先生です。

一度たりともface to faceでお会いしたことがないのに、まるで沖縄のK師匠やルイビルのK師匠の師匠であるR先生とお話しているような気持ちさせられるのは不思議です。いったいどのようなキャリアを積んでこられたのでしょうか? まさに病歴と身体所見を中心とした感染症、、、。

宮古島で院内感染マニュアルを作成するために助言を仰げば、地球の反対側の地球儀にも載っていない島の日本人医師のために分厚い電話帳のようなマニュアルをNYから送ってきてくださったのが1988年頃でした。

今回のID clinics of north americaは異型肺炎の特集。基本的な切り口は以下のとおり。

#1:
市中肺炎で肺外症状(消化器症状、肝機能異常、中枢神経症状など)があれば異型肺炎。
(乾性咳、胸部レントゲン写真などではないのですな、、、。)
すなわち結核と同様に異型肺炎の原因微生物は全身の臓器を障害し、障害される臓器のひとつが肺という理解が大切。

#2:
異型肺炎を動物関連zoonosis的と非zoonosis的に分けます。
zoo的ならばpsittacosis, Q-fever, tularemia, plagueなど。
非zooならばLegionella, Mycoplasmaなど。

ちなみに200ページ以上もある本ですが、mycoplasmaにさいたのは、たったの3ページ!!
「曰く、異型肺炎で最多はmycoplasma、、、」

March 2010, Volume24, Number 1
http://www.id.theclinics.com/issues/contents?issue_key=S0891-5520(09)X0005-X

Enjoy
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