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Syphilis in the 21st Century ID Week 2018より #3

2019-01-15 | 青木語録
今回はスクリーニングに関する話題です。

比較的、最近までは非トレポネーマ検査・脂質抗体・カルジオリピン抗体:RPR、VDRL)などを行い、陽性ならば生物学的偽陽性BiologicalFalsePositiveでない事を確認するためにトレポネーマ検査(TPHA, LA, CLIA, CLEIA, EIA, IF)を行うという順でした。(非トレポネーマ検査⇒トレポネーマ検査)

しかし最近は米国では逆のスクリーニング(ReverseSequenceScreening)が行われています。(トレポネーマ検査⇒非トレポネーマ検査)。理由はEIAやCIAは手技的に簡単で大量に処理するのに向いているためでした。

このHook先生によると、このReverseSequenceScreeningは低リスクのGroupに対しては有用だが、HIVやSTIのClinicといった高リスクのGroupに対しては多くの偽陰性が出てしまう・・という話しです。

このスライドではトレポネーマ検査(EIA、CIA)で陽性
 ⇒ 非トレポネーマ検査(定量RPR)の約半分(40-60%)が陰性
通常は、ここで終わり。すなわち最初のトレポネーマ検査で陽性の約半分は陰性と判定。

しかし、ここで再度別のトレポネーマ検査を行うと15-20%のみが陰性(真の陰性)で、8割が陽性(既感染、活動性感染)

言い換えると最初のトレポネーマ検査で陽性の半分(50%)が、次の非トレポネーマ検査で陰性だが、そのうちの8割は次のトレポネーマ検査では陽性。簡単にいうと50%の80%=40%が偽陰性となってしまう・・という事。
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