感染症診療の原則

研修医&指導医、感染症loveコメディカルのための感染症情報交差点
(リンクはご自由にどうぞ)

グラム染色で抗菌薬の適正使用と医療費の抑制 by Dr.谷口智宏

2015-10-31 | Aoki Office
沖縄中部病院といえば臨床感染症のメッカ。編集長も鍛えられた場所です。

最近まで、ここで感染症科のスタッフであった谷口智宏先生は「グラム染色の鬼」ともいうべき方。
すでに本「感染症ケースファイル―ここまで活かせるグラム染色・血液培養」もだされています。
http://www.amazon.co.jp/感染症ケースファイル―ここまで活かせるグラム染色・血液培養-谷口-智宏/dp/4260011014

この谷口先生が、タイトル写真の如くBMCに論文を載せられました。

「Gram-stain-based antimicrobial selection reduces cost and overuse compared with Japanese guidelines:グラム染色で抗菌薬を選択すると日本のガイドラインどおりにやったとした場合に比較して、医療費が下がり、抗菌薬の過剰使用を減らす」というものです。

200名を越す感染症(市中肺炎、尿路感染症、皮膚・軟部組織感染症)に対してグラム染色を行い抗菌薬を選択した場合の経費、有効性などを、仮に日本のガイドライン(“The JAID/JSC Guide to Clinical Management of Infectious Diseases 2011”)どおりにやったとした場合と比較したものです。

狭域、広域、中間、のスペクトラムの抗菌薬の使用頻度は以下のとおり
spectrum   Gram stain Guidelines
Narrow N = 167   N = 44
Intermed   N = 40 N = 77
Broad N = 10 N = 93

詳細は論文をご覧下さい。
http://www.biomedcentral.com/1471-2334/15/458



この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 城東病院総合内科 後期研修医... | トップ | Eleanor Roosevelt »
最新の画像もっと見る

Aoki Office」カテゴリの最新記事