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海外のHPVワクチン関連メモ ( IDATENでも話題になっていたので)

2014-02-27 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
いろいろなところから問い合わせが来ています・・・・・「海外ではどんなことになっているんですか?」。

HPV関連疾患を予防するためのワクチンについて、現在の話のトレンドを紹介

2012-2013年の話題だけですが・・・・


【途上国】
”子宮頸がん”については、その90%以上が途上国でおきている問題であり、これは、
コンドームによるバリア法、定期健診プログラム、治療へのアクセス、若年結婚
の習慣 等によって説明されています。

その意味ではHPVワクチンの恩恵が一番大きいのはこうした国の女性でありま
すが、費用が障害となって難しい状況がありました。
昨今では、GAVIが中心となって、アジアやアフリカの国への導入も行われてお
り、これは製薬会社の「値引き」によって可能となっています。


■先進国では100ドルを超えるワクチンですが、4.5ドルで供給されています。
http://www.gavialliance.org/support/nvs/human-papillomavirus-vaccine-support/

■ルワンダの事例:2011-2014年(中間報告)
http://www.who.int/bulletin/volumes/90/8/11-097253/en/

■インド政府も4.5ドルにするよう交渉中。
http://www.newindianexpress.com/cities/hyderabad/Central-Govt-Negotiating-to-Reduce-Price-of-Cervical-Cancer-Vaccine/2014/02/19/article2064966.ece



【工業先進国】

現在は2価(16型と18型)と4価(6、11、16、18型)のHPVワクチンが市場にあります。
今月20日には上記4価プラス31, 33, 45, 52, 58の5つの型をカバーする9価ワクチン(V503)
の申請が米国FDAに受理されています。

<Merck社>
http://www.mercknewsroom.com/news-release/research-and-development-news/fda-accepts-review-mercks-biologics-license-application-v

既に多くの国が承認をしていますが、公費で完全に/部分的に補助をしている
国は限定的です。
女子だけでなく、公費で男子への接種をしているのは、オーストラリア、米国、
カナダのプリンスエドワード、そしてまもなくアルバータ州が2014年の秋から
男子への公費での接種を開始します。
http://www.calgarysun.com/2013/12/05/alberta-school-boys-to-get-hpv-fighting-vaccine-fall-2014

男子への接種拡大を検討しているのは英国。
性感染症の専門団体が早くから4価HPVワクチンを、というアドボケイトをしていました。
http://www.nhs.uk/news/2013/11November/Pages/HPV-vaccine-could-be-offered-to-boys.aspx


ちなみに、カナダではケベック州やブリテッィシュコロンビア州で、3回ではなく2回接種
というプロトコールも導入されています。
http://www.msss.gouv.qc.ca/sujets/santepub/vaccination/index.php?programme-de-vaccination-contre-le-vph-en

(最近は、2回あるいは1回での有効性を扱う報告も続いています)


【専門団体】

2013年12月  ECDC  Overview of HPV vaccination from an EU and an ECDC perspective
http://www.ecdc.europa.eu/en/aboutus/organisation/Director%20Speeches/Marc-Sprenger-overview-HPV-vaccination-Doha-December-2013.pdf

2013年8月 FIGO Statement on HPV Vaccination Safety
http://www.cngof.asso.fr/D_TELE/FIGO_Statement_on_Safety_of_HPV_vacination_AUGUST_2013.pdf


【HPVワクチン および プログラムの評価について】

一部話題になっているものだけ紹介しますと・・・

2013年11月 フランスでのHPVワクチン接種と自己免疫疾患の検討
(症例対照研究 211 vs 875)
Autoimmune disorders and quadrivalent human papillomavirus vaccination
of young female subjects. J Intern Med. 2013 Nov 8.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24206418

2013年10月 デンマークとスウェーデンの10-17歳、99万人の医療データで検討
(53の健康アウトカムのうち、5例以上報告のあった29アウトカムを検討)
http://www.bmj.com/content/347/bmj.f5906
日経メディカル 紹介記事
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201310/533130.html

2012年 米国 4価HPVワクチン接種後の自己免疫についてのサーベイランス
(18万9千人のデータを基に検討)
Surveillance of Autoimmune Conditions Following Routine Use of
Quadrivalent Human Papillomavirus Vaccine   Int J Clin Pract.
2012;66(10):193-203.
http://www.medscape.com/viewarticle/773333



効果についてはRegistrationのデータセットとサーベイランスプログラムをあわせてみているオーストラリアからの報告が初期に参考になりました。

2013年 Genital warts in young Australians five years into national human papillomavirus vaccination programme: national surveillance data
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f2032
Brotherton医師らが複数のレポートを出しています。

2013年 スウェーデン 2006⁻2010年にHPVワクチンを接種した12万3千人の医療データでの検討 (より若年で接種したほうが有効)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23486550

2013年6月 米国ACIP資料
HPV Vaccination Program and Impact Monitoring
http://www.cdc.gov/vaccines/acip/meetings/downloads/slides-jun-2013/04-HPV-Markowitz.pdf

2010年 Approaches to monitoring biological outcomes for HPV vaccination:
Challenges of early adopter countries(Vaccines, 2010年)
http://www.hu.ufsc.br/projeto_hpv/Approaches%20tomonitoringbiologicaloutcomesforHPVvaccination.pdf


費用対効果は、疫学データ、医療制度が異なる国で単純には比較できないので省略・・・

【基本的な情報】
は、WHOなどの情報をみてください。 GACVS
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