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こどもを守ろう! 地方自治法99条 要望書(不活化ポリオワクチン)

2011-05-19 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
放射性物質問題でこどもの健康や未来に危機感を感じる、と言語化する方が周囲に増えました。
他にもいろいろ考えなければならない、放置されている問題があるのかもしれません。

感染症関係の話題のひとつに、ワクチン問題があります。課題は多いのですが、問題がクリアで、改善策があるのにリスクが放置されている子どものポリオワクチンについて、
問題を知った、そして保護者の声に動かされて、不活化ポリオワクチンを輸入して接種してくださる小児科の先生が増えています。

医療関係者は、こどものポリオの診断、時間が経過したあとのポストポリオ症候群の診断・支援も課題。

医療者でなくてもすぐにできることが2つ。

1)ポリオの会 の署名に協力をする http://www5b.biglobe.ne.jp/polio/

2)地元の議員・議会に働きかけて、国に要望書を提出してもらう、という方法があります。
メール、twitter FAX、タウンミーティング等、なんでもいいとおもいます。

東京都では葛飾区、日野市、中央区が同様の要望書を出しています。

議員さんは怠慢なのではなく、忙しいのでこのような細かな問題の情報を知りません。

全員が無理でしたら、小さなお子さんのいる議員、保育園問題を語る議員、反応しそうな党(苦笑)をターゲットにはじめるのもよいかもしれません。

「他の地域と同じように議会から出せないか?」ということで関心をもってもらってください。

1例ですが、東京都中央区は大変スムーズに話がすすみました。議員に連絡をした翌日に「すぐに区長に直接説明をしてください」という話になり、その後の議会で全会一致で要望書提出となりました。

あまり動かなさそうだったら、「他の地域の議会にできてどうしてウチの区ができないのか説明してください」というアプローチもいいのかもしれません。

以下、中央区議会が2011年3月17日に決議した文案です。参考までに。
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日本国内での不活化ポリオワクチンの早期導入を求める意見書

わが国におけるポリオの予防は、「経口生ポリオワクチン」を用いた予防接種により行われていますが、今、世界では欧米諸国をはじめ多くの国々が「不活化ポリオワクチン」を使用しています。これは、国立感染症研究所が2010年7月に発表した「ポリオワクチンに関するファクトシート(報告書)」においても述べられているとおり、「不活化ワクチン」は「生ワクチン」と比較し、安全性と優位性が認められているからにほかなりません。

現在、国内で使用されている「生ワクチン」については、厚生労働省が昨年八月に発表した「予防接種後副反応報告書」によると、接種者二百十二万八千八百四十八人中、四肢の麻痺六件、その他の副反応症例九件、計十五件の事例が認められたと報告されています。一方、「不活化ワクチン」については、既に導入した各国において麻痺の副反応の比率が極めて少ないことが明らかになっています。こうした状況から見ても、わが国も早急に「不活化ワクチン」の導入を図る必要があります。

これまでも「不活化ワクチン」については、日本医師会、患者家族会などが国に対し予防接種への導入を強く要望してまいりましたが、ワクチンの承認は未だ、実現されておりません。そこで、国が承認するまでの間、当面、「不活化ワクチン」を輸入して対応することを認め、重症な副反応による被害者をこれ以上出さないようにすべきと考えます。

よって、本区議会は、国に対し早急に予防接種法を抜本的に改正し、「不活化ワクチン」を導入するよう強く要望します。
右、地方自治法第九十九条の規定により、中央区議会の総意をもって意見書を提出します。

平成二十三年●月●日 ●●(県市区町)議会議長 ●● ●●

厚生労働大臣・内閣総理大臣 あて

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議員や議会に説明する際に役立つ資料。以下をまとめておくと説明の際に便利です。

【世界地図】
ポリオの会が作成 PDF
こちらのサイトに詳細があります →ポリオの会

【メディア報道資料】
「ポリオの未承認ワクチン、取り扱い急増 安全性高く」朝日新聞 2010年12月
等を、(できれば)新聞記事の切抜きをコピーすると読みやすいです。

報道については→コチラ

【バックアップ資料】
専門家の見解
1.国立感染症研究所WG  「ポリオワクチンに関するファクトシート」平成22年7月
2.日本小児科学会 「要望書
不活化ポリオワクチン(IPV)早期導入に関する要望」
 平成22年8月
3.日本医師会 「不活化ワクチンの導入等を強く要望へ」平成12年7月

たからぎ先生のクリニックでの接種実績資料がTwitterで公開されています→ コチラ

※さらに必要であれば関連の資料の一覧がポリオの会のHPにまとまっています→コチラ

地域で勉強会を開き、議員(や秘書さん)をよんで、過去の報道番組を一緒にみてディスカッションするのもよいかも。

(ぶちぶち半径1メートルでもんくいってても、Twitterやブログで物知り顔さんになっても、それだけでは子どもは守れませんから)
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