感染症診療の原則

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抗菌薬使用 ガイドラインと現実のギャップあれこれ

2007-11-05 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
British Medical Journalの最新号が抗菌薬関連の特集になっています。
http://www.bmj.com/cgi/search?fulltext=antibiotics&x=15&y=6

ある調査では、1994年から2000年にかけて比較すると処方された抗菌薬は45%も減少しているそうです。
2000年では呼吸器感染全体で67%、耳の感染の80%、咽頭炎の60%、上気道感染の47%に処方されています。

研究者は1991年から2000年にかけて英国で処方された336万件(!!!)の処方箋をGeneral Practice Research Databaseを使って、抗菌薬が処方された症例のほうが合併症が少ないのかを調査。

上気道炎・咽頭炎症・耳の感染では重症合併症は稀で、抗菌薬はリスクを軽減するものの、4000例処方して1例合併症を予防するという数字であった。

これと比較し特に高齢者では胸部の感染から肺炎になるリスクが高く、抗菌薬で軽減されていた。65歳以上では39処方で1例肺炎を予防。若年層では96-119例処方して1例であった。

喫煙・慢性呼吸器疾患・循環器疾患で明確な差はみられなかった。
http://www.sciencedaily.com/releases/2007/10/071018171440.htm

韓国の医療機関が“超”電カル化されるときいています。
日本は介護保険が“かなり電子”ですが、薬局もまもなくそうなるそうで。
紙カルもいいところもあるのですが、データベース化にはものすごい労力が必要ですね。

ちなみに、青木編集長は実物をみたそうですが、中国も病院で入力するとリアルタイムで当局が感染症情報を把握できるシステムだそうです。

日本は感染症の届出もアナログで、医師が手書きで届出を書く →保健所にファックス →衛研が確認作業をして →さいご国立感染症研究所で集約されて →結果が発表される、、、です。
処方の動向などはどこぞで把握可能なのでしょうか?
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